9話 突撃
やっといちゃいちゃだよ。やっとだよ。
いやー、肉体労働って疲れるね。
バイトの後、俺も五十土ちゃんもぐっすりでしたよ。
まぁ、それはともかく。
俺は今ギルドのカフェコーナーの席に座っている。
なんとかギルドの登録料を払ったのはいいんだけど、
俺と五十土ちゃんだけだと戦力としては心もとない。
だから、パーティメンバーを募集することにした。
「あんまり上手く書けないですぅ〜」
というわけで、目の前の五十土ちゃんは一生懸命、
パーティメンバー募集中のポスターを作っている。
やはりこういうのは難しいのか、
むむむっと可愛らしい悩んでいるような声が漏れる。
「ごめんな、五十土ちゃん。面倒事任せちゃって」
右手を少女の黒髪に優しく置いて、
ボサボサにならないように丁寧に撫でながら言う。
「ふわぁ〜。気持ちいいですぅ〜。」
五十土ちゃんは目を細めて、口角が上がっりきった
幸せそうな顔で俺の肩に自身の頭を預けてきた。
「大丈夫ですよ〜。私お絵かき得意ですから〜。
それに…………それにですよ?私、初めて人に頼まれてとっても、とぉっても嬉しいんです。……………だからポスター、私に書かせてもらえませんか?」
「その…………だめ…………でしょうか…………?」
文字通り俺の目と鼻の先で、
若草色の透き通って潤いに満ちた目が上目遣いで
こちらを覗いている。
えっ?何この状況?どうすればいいのこれ?
耳元でなんか愛の言葉でも言えばいいの?
それか、何も言わずに抱きしめればいいの?
それとも、おでこにでもキスすればいいの?
もしかして全部?
や、それはマジでレベル高いな。死んでしまうわ。
「見つけたっ!せんぱーい!」
ドンッ!
考えてたらなんかぶつかって来たんだけど。
何これ地味に痛い。手すり無かったら死んでた。
くんくん
「 ふあーぁ……
久しぶりのせんぱいの匂いだぁ…!」
ハスハス
「すっごい……
とっても落ち着くぅ……」
すぅーはぁー
「もうだめっ……
せんぱいなしじゃいきていけないよぉ……!」
えっ?
なんか知らない子が俺の胸に顔を埋めて一心不乱に
におい嗅いでるんだけど。何があったの?
悪戯天使ドレミ
モンスター ランク2 インターセプト 白属性 天使系
エンジェル 攻撃力9000 防御力5000 △1
(B) (S) ダメージゾーンにカードが置かれた時、このターン中このモンスターの攻撃力+2000。
この注射はもがけばもがくほど針が刺さるのよ。
ふふっ、覚悟してね?