4話 空腹
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入口で待っていると、
小さくて可愛いお人形さんみたいな女の子が、
ふわりと黒髪を揺らしてトテトテと歩いてきた。
「あの、どうしたんですか?」
まるで草原のような綺麗な緑の瞳は、
不思議そうににこちらを覗いてる。
えっ、俺この子に頼むの?こんな小さい子に?
マジかレベル高いな。
「お願いします、何か食べさせてください!」
先生が言ってた、土下座すれば何とかなるって。
だから俺は土下座した。えっ?プライド?
そんなの転んだ時に落としたよ。
「えっ、でも・・・・・・・・・」
あれっ?これってもしかしてピンチ?
先生言ったこと間違ってるじゃないですか。
仕方ない、アレを使うしかないか。
「お願いします、何でもしますから!」
出たッ俺の切り札ッ!何でもしますから攻撃ッ!
や、切り札弱すぎでしょ。
つーかこれ断りづらいでしょコレ。
断っても良心が痛むし。最低だ、俺って。
「あの、そういうことじゃなくて・・・・・・・・・」
自分の肩に届かないほど小さな女の子は、
少し恥ずかしそうな顔をして、
言葉を紡いだ。
「材料はあるんですけど、その・・・・・・・・・・
私、お料理上手く作れないんです・・・・・・・・・」
へぇー、ちょっと意外。
こーゆー感じの子って料理得意そうなのに。
まぁ、そのくらいなら俺は問題ない。
「大丈夫。俺が作るから」
「でも、お客様にして頂くのは・・・・・・・・・」
だよな。
この子的には、自分の家で他人が料理するのは、
満足出来ないんだろうなぁ。
どーしよっかな〜。
俺がそんなことを考えている間に、
前方から可愛らしい音がしたッ!
ぐぅ〜〜
すると女の子の白魚のように白かった顔は、
どんどんと赤くなってきた。
女の子は慌てて両手で顔を覆った。
ていうか、おてて可愛いな。
手が小さすぎて全然隠しきれてないよー。
「〜〜〜っ!はうっ、はず、恥ずかしいですぅ!
もう、お嫁に行けないですぅぅぅ〜〜〜」
あらら、しゃがみこんじゃったよ。
もー可愛いーなぁ。
お腹空いてるならそう言えばいいのに。
「だったら、2人で協力して作ろっか」
俺は女の子の頭をボサボサにならないように、
気をつけて撫でながら、出来るだけ優しい声で
話掛けた。
すると、どこか嬉しそうな顔で頷いてくれた。
全く君は、どれだけ俺に萌えダメージを、
与えるつもりなの?
手すり無かったら死んでたよ?
あれ?そう言えば家に誰かいないのかな?
私作れないからどうしよう?って感じだったし。
それだったらやばくね?
こんな可愛い子と2人きりだよ?
えっ、やばくね?
邪眼の悪魔
モンスター ランク1 サポート 黒属性 悪魔系
デーモン 攻撃力7000 防御力5000 △1
悪い子はお菓子の家に閉じ込めちゃうぞ?
ワイルドだろ?