2話 きのこ
きのこのこのこげんきなこ
「ふああぁぁ〜」
朝起きて、まず大きな欠伸をする。
いやー、よく寝たなぁ。
こんなにいい目覚めはいつぶりかな。
昨日なんか、鶏に起こされたし。
何となく起き上がるのもだるいから、
横になったまま辺りを見渡してみる。
「俺ほんとに転生してきちゃったのかなー」
見える景色は昨日と同じく森の祠。
転生してきたにしては、あまりにも実感が無い。
その、なんて言うのかな。
なんかまだ、ふあふあしてる、そんな感じ。
そんな和やかな雰囲気に、
一つ大きな音が襲ってきた!
グゥー
なんだよ、俺のお腹の音かよ。
ちょっとびっくりしたじゃん。
ここには俺以外誰もいないけど、
お腹鳴るとちょっと恥ずかしいよね。
「そーいえば、昨日何も食べてなかったなー。」
それはまあ、お腹減って当たり前だよなー。
とにかく今は、食料を探さないと。
と言っても、俺は手ぶらだから何も無い。
だから木の実とか、キノコとかを探してみる。
でもキノコとかって、毒あったりするよなぁ。
転生者が毒キノコ食べて死んだってなったら、
絶対笑い者だよな。
『くくく、あいつ毒キノコ食って死んだらしいよ』
『ぷぷぷ、まじで? ちょーうけるんですけどっ』
って感じで。絶対嫌だわ。
そんなこと考えてるうちに、
食べれそうなものを探してみたけど、
何一つ無かったよ。
とりあえず笑い者にされるのは後回しになった。
よかった。
「いや良くないから」
食べ物無いんだよ。
というか後回しかよ、
笑い者なるの確定なのかよ。
とにかく、今は食料を探さなければ。
俺は前に進むことにした。
その背中を、
南風が押してくれているような気がした。
ちなみに、途中木の根っこで2回転んだ。
めっちゃ痛かった。
ポイズン・マッシュルーム
モンスター ランク2 インターセプト 緑属性 木系
ラントウプラント 攻撃力9000 防御力5000 △1
(B)(S) このモンスターの召喚時、山札の上から1枚を裏のままエナジーゾーンに置いても良い。
えっ、あんたが伝説の勇者?
マジウケるんですけど