17話 お金
無音「今回あやめたちの出番無いらしいですよ」
鶏「なんやてっ!」
手すり「ふぅ、もう少しで過労死する所だった」
五十土「えぇっ!?そんなぁ…寂しいよぉ…」
倒した鶏をギルドに持ってたら、
クエストクリア報酬として、3000モルド貰った。
このモルドって言うのがこの国のお金。ちなみに、
1000モルド=金貨1枚=銀貨10枚=銅貨1000枚
って感じ。ここは計算しやすくていいなぁ。
うちのパーティメンバーは、
五十土ちゃん、無音、俺の3人だから、
1人1000モルド。うーむ、微妙。
宿代が1人400モルドで、銭湯が1人15モルド、
小さなパンが5こで10モルドって感じだから、
あまり稼いでない気がする。
うん、とりあえず次は鶏3体倒すのを目標にしよう。
その前に、スキルが使えないうちの
パーティメンバーをどうにかしないと。
というわけで、
今は別行動でスキル不発の解決方法を探している。
この問題を解決しない限り、
俺1人で戦わなきゃないけないからなぁ。
えっ?お前はチートあるから大丈夫だろって?
ばっか、それは黒歴史だからやめようか。
「隣、失礼するね」
ギルドの酒場コーナーの端でそんなことを考えながら
俺は氷のいくつか浮いた冷水を口に運ぶ。
すると、どこかのモデルみたいな体型の
知らないお姉さんが俺に声をかけてきた。
「………どうぞ」
「ふふっ、ありがとにゃ」
特に断る理由もないので俺がそう答えると、
お姉さんが一言俺に言って席につき、
イケメンのバーテンダーさんを呼び出す。
「サイドカーを」
「かしこまりました」
サイドカー?変なの。なんか車みたいな名前だし。
バーテンダーさんが色々入れた容器を振っている。
どうやら、お隣さんが頼んだのはお酒みたい。
いいなぁ、なんかフリフリするの楽しそう。
でも、分量が少し違うだけで味変わるんでしょ?
それに名前覚えたりしなきゃいけないし、
大変そうだなぁ。
まぁ、こないだここでギルド登録料稼ぐために
バイトしたからなんとなくなら分かる。
と言っても、バイト掛け持ちだったから
そこまで分からないけど。
「サイドカーでございます」
「ありがと」
バーテンダーさんが少し濃いオレンジ色の液体が
入ったカクテルグラスをお隣さんの前に置く。
そのグラスの端にはスライスされたオレンジが
存在感を放っていた。
そんなカクテルグラスから目を離すと
そこにはお姉さんの顔があった。
「君たちが戦ってるの戦ってるの見たよ。
凄かったじゃん。
おねーさん、君の事気に入っちゃった」
俺はお姉さんのある場所から目を離せなくなった。
少し紫がかったツーサイドアップの黒髪?
丸い赤ぶち眼鏡の向こう側にある透き通った薄紫の瞳?
はちきれんとばかりに主張している豊満な胸?
柔らかそうな安産形の綺麗な桃尻?
スカートからすらっと伸びた黒タイツ?
いいや、どれも違う。
「でも、2人はスキルを使いこなしていなかった。
………あれは簡単に言うと病気。
………<スキル障害>って言う名前のね。
まぁ、あたしもこれにかかってるからこんなにも
詳しいんだけどさ」
そう、健康的な鎖骨だ。
なんで知らない人の鎖骨を凝視してるのかって?
や、いいわけをさせてくれ。
無音も五十土ちゃんも肩が見える服着ないじゃん?
しかも、2人がいるから賢者の儀式もできないし。
もう、そりゃーね。くるもんがあるんですよ。
だから、そんな状況の俺がお姉さんの鎖骨を
ガン見してるのは仕方ないんですよ。
ええ、そうなんです。だって男の子だもん。
「あたしならこの問題を解決出来る。
だから…………
あたしにこの問題をまかせてくれないかな………」
やべぇ、どうしよう。
めっちゃこの鎖骨に噛みつきたい。
あっ、甘噛みね。けしてガチの方じゃ無いよ?
本当は目の焦点があっていない可愛らしい女の子の
ゾンビの青ざめた鎖骨を舐めるように、
愛をこめて甘噛みしたいんだけど。
この秘密を昔罰ゲームで、友達のクラスメイトに
話したらめっちゃ引かれたし、
次の日クラスのみんなが知ってた。
そして、みんなにいじめられた。
なんだよ土々呂、親友だと思ってたのに。
あんなに誰にも言うなよって言ったのに。
それに人の趣味は人それぞれだろ。
しかもお前が重度の熟女好きなのを
誰にも言ってないんだぞ?
おいそこ、お前が誰にも言ってないのは友達が
いないからだろとか言わない。
事実だから否定出来ないだろ。
「すみません、触ってもいいですか?」
あっ、つい言ってしまった。
せっかく俺の黒歴史を掘り返して、
いい感じに気持ちを抑えてたのに。
これじゃ、黒歴史増やしてるだけじゃん。
まぁ、ちょくで甘噛みするより、、
聞いてから触る方がまだ健全だけど。
「にゃはは、君の声やっぱりいいね、ぞくぞくする。
おねーさん、少し興奮しちゃった。
その声でを思いっきり罵ってくれたら、
ものすごく気持ちいいんだろーにゃぁ」
多分冗談だと思ったのだろうか。
明るい声でお姉さんははぐらかしてきた。
しかし、俺の視線を感じて本気だと悟ったのだろう。
彼女は神妙な顔をする。
「……触っていいよ……おいで……」
少し間を置いて、お姉さんは許可を出してくれた。
あれ?これって普通だったら断るよね?
それになんとなくいい雰囲気だけど、
俺まだ鎖骨ガン見状態だからね。
まぁ、いいか。じゃあ、さっそく。
俺が手を動かそうとしたら声が聞こえた。
「その代わり、………
あたしを君のパーティに入れてくれないかな?」
やったねせんぱい、仲間が増えるよ!
じゃなくて、なにこの面倒い展開。
聞いて無いんだけど?
リトルフレイム・ドラコキッド
モンスター ランク0 サポート 赤属性 火炎系
フレイムドラゴン 攻撃力4000 防御力0 △1
(B) 自分のターン中に相手のエンプティーゾーンにカードが置かれた時、このターン中このモンスターの攻撃力+2000。
(◇1)-(B) このモンスターが攻撃した時コストを支払っても良い。支払ったら相手は自分のソルジャーモンスターを1枚選び、破壊し、表でエンプティーゾーンに置く。
いつか最強の竜になって見せる!




