けものフレンズはなぜ大ブームを起こしたか
わかりません!!
すいません、帰らないでください。いやこんな一発ネタの為に書いたわけじゃないですから。厳密に言いましょう、特定できません。
ということでみんなだいすき『けものフレンズ』。おもしろかったです。
フレンズと呼ばれる擬人化した動物たちが住む「ジャパリパーク」。そこで目覚めた少女はサーバルのフレンズであるサーバルちゃんと衝撃的な出会いを果たし、彼女と共に自らの正体を知るための旅にでる。とこんな内容です。
覇権ですね。この言葉を使うと荒れるかもしれませんが覇権です。比較しにくい『けものフレンズ』を除外して『この素晴らしい世界に祝福を!2期』を覇権とする考え方もあるかもしれませんが。覇権です。
空前の大ヒットでした、いや、今なおブームは続いています。
というわけで本題です。なぜ、ここまでの大ヒットになったのでしょうか?
1 たつき監督が凄い!!!
2 視聴者のニーズに合っている
3 見ていなくても楽しめる!
大きく分けるとこんな感じでしょうか。
1 たつき監督が凄い!!!
QED証明完了。というわけにもいません。いや、比率で言うと90パーセントこれなんですけど。
まず第一に、完成度がとても高いです。
シナリオ、演出、構成。この三つは完璧です。非の打ち所がありません。
12話で一つの物語を描きながら、一つ一つの話を完結させて次に進む。その配分が素晴らしかった。
おそらくこれは半ばオリジナル作品として制作を許されていたことが関係しているとは思いますが、それはデメリットに比べれば些細なメリットです。予算不足でOPのタイヤも回せない、たつき監督の担当が声優以外。という条件の中でこのクオリティのものを創り上げています。
12話で完結しているにも関わらず、次期への展望が邪魔にならない。大体の作品はここで終わるのか!? とか、これここで終わりじゃないの? となるものです。
と、たつき監督、ひいては『けものフレンズ』が凄いというのは断言できます。
ですが、作品や監督が凄いというだけでここまで評価されるものでしょうか?
「たった一人の天才だけでは、世界を変えることはできない」というわけじゃありませんが、「天地人」という言葉があるそうですね。
ことを為すには「天の時、地の利、人の和」の三つが必要だということです。たつき監督と彼を支えた人達の努力はまさに「人の和」と呼べるでしょう。
2 視聴者のニーズに合っている。
「けものフレンズ」は面白い、もはやこれは真理です。そう思わない人は仮定だと思って聞いてください。
確かに『けものフレンズ』は面白いんですけど。そこまで飛びぬけて面白いかと言ったらそういうわけでもありません。さっき上げた『この素晴らしい世界に祝福を!二期』も『けものフレンズ』がなければ覇権といって差し支えない盤石さを見せてくれました。
あっ僕は基本円盤基準でものごとを考えているので悪しからず。数字ってのは絶対。
それに評価も低いし、円盤も売れていない『CHAOSCHILD』。僕は好きです。確かに一話一話の区切りはよくないし、説明不足でわかりずらい、『CHAOSHEAD』と比べてスケールが小さいというのはわかりますけど。あの挑戦的な内容のゲームを良くまとめ切ったと思います。ゲーム原作の特有の尺で下手にいじれないんですよね。
完成度という点で『けものフレンズ』は確かに他のトップクラスである『この素晴らしい世界に祝福を!2期』や『小林さんちのメイドラゴン』、『幼女戦記』と肩を並べゆる力があるのは事実ですが、突き放すほどのクオリティはないと思うんですよ。
まぁ、それらのビッグネームと並べる時点で話題になるだろってのは置いといて。
というわけで本題の視聴者のニーズに移ります。今、アニメに求められているのはずばり「癒し」「かわいい女の子」「邪魔をしないシリアス」この三つです。強いてもう一つあげるなら「男と男」ですかね。
ここ3年の覇権見てみたら大体そうです。いや、10年以上さかのぼってもそんなものですけど。
逆にここに乗っ取らない作品が覇権を取ることは難しいですね。今や、おっきなお友達とお姉さんのお姉さんの力を借りずしてはいくらクオリティが高くとも覇権は遠いでしょう。無論、売り上げがすべてじゃないですが、霞じゃ社会は回らないんで。ちょっと脱線しました。
要は支持する人間の絶対数、及び資金力、情報拡散能力の大きさが重要なんです。この三要件を兼ね備え、数多くの支持を得た。まさに「地の利」を得たわけです。
3 見ていなくても楽しめる!
これは凄いことですよ。
「たーのしー」というわかり安さに溢れたフレーズ。全てを飲み込む「キミは○○なフレンズなんだね!」という魔法の言葉。全てを受け入れる「フレンズによって、得意なこと違うから」の寛容さ。
知らなくても、意味を直ぐにわかることができる。というよりそれ単体で素敵フレーズとして成立している。
ほかのアニメにありがちなネタを振ったけど相手が反応してくれないということも起きない。わかりやすさから初見のパロネタでも笑うことができる。
これはもう無限に拡散を続けていくことでしょう。
IQが溶けるというタグも頷けます。(誉め言葉
ツイッターやニコニコ動画といったつまり「人の和」を得たわけですね。
? 人の和はさっきでた? じゃあ「地の利」ですね。情報拡散の場を掴んだということで。
「天の時」はどうした? ってことですか。
いや、そんなもん運ですよ運。
ながなが語って結局それかよ!? と思ったかもしれませんが。
いやいや、「人事を尽くして天命を待つ」という言葉があるでしょう。もともと運というものはつかみ取るものですから、スーパーカミオカンデじゃないですけど。
『けものフレンズ』はそこまで面白くない、ブームに上手いこと乗っただけだ。っていう意見はわかりますし、実際少なからずそうでしょう。
『けものフレンズ』は現在21世紀のアニメでトップ10に入りうる程の勢いが在ります。それはこの作品が『涼宮ハルヒの憂鬱』『魔法少女まどかマギカ』『けいおん!』『シュタインズゲート』等の一時代を築いたと言っていい作品群の仲間入りを果たすということです。
運が良かった。それだけでここまで行ける作品はそうありません。
最初の方に書きましたね。たつき監督が凄いが九割を占めると。
「天の時、地の利、人の和」この三つのいずれが欠けても、『けものフレンズ』という作品が日の目を見ることはなかったでしょう。どれが重要とかじゃありません。
「天の時」というものは気まぐれです。いつ訪れるかはわかりませんし、そもそも訪れないかもしれない。そして訪れたとしても人事を尽くしていなければものにはできません。
彼もアプリ終了の際に喪失感を味わったと語りました。望みの薄い創作活動は、灯りのない荒野を彷徨い続けるに等しい。報われないかもしれない、予算もない、人手も足りない、それでも作品に妥協はしない。そのクリエイターとしての誇りが『けものフレンズ』を、この一大ブームを生み出した。
僕はそう思います。
最後に、たつき監督、僕たちに感動を、『けものフレンズ』をありがとうございました。