4-26 逃れられぬ運命
「それじゃあ、ホレ!」
魔理守達は、商人から10万マネカを報酬として受け取った。
「おじさん、こんなに貰って良いのか?」
10万マネカは、日本円でも10万円ほどの額であり、中学1年生の彼らからすれば、かなりの大金である。その為勝利は、本当に大丈夫か聞いてくる。
「恩人である君たちには、これくらい払うべきじゃからな!」
「けど、さっき、部隊呼んじまったのに、資金が足らなくなんねぇの?」
ゴブリン達との戦争が怒ることを知っている商人は、他の人物らと違い、派遣部隊を呼ぶと、料金が通常より3割高くなる。
そして、通常でも1番安くて1万マネカはする。ただし、ゴブリンが相手なら3割引き。
「安心せい! 部隊に払った料金は、3万ちょっとじゃ! それに、儂はまだ700万くらい手元に金がある!商人を始めるなら最初の資金は1番少なくても3000万は必要じゃ! 儂は、1億マネカを貯めてから商人を始めたから、銀行にはまだまだ資金はある!」
「そうか、報酬が減ると思ったのだが、心配は無用だったのだな」
彼が必要と思った時にしか金を出さないポニーにとっては、死活問題だったので、彼は安心した。
「それじゃあ、諸君! この度はどうもありがとう!」
商人は、彼らに礼を言うと、商品を仕入れに、何処かへ行った。それと、先ほど馬車の中で、これも何かの縁ということで、魔理守達は、商人と連絡先を交換している。
「ねぇ、魔理守くん」
「ん、どうした? 美樹」
「あおりんちゃん、何かあった?」
あおりんが、死んだような目をして殺気を出しているので、彼が何かをやったんだろうと、美樹は魔理守へ聞いて来た。
「ちょっと、馬鹿やって怒らせたっぽい……」
誤魔化しても特に意味がないので、簡潔に説明する。
「ちゃんと、ごめんなさいしないとダメだよ?」
委員長である美樹は、魔理守にちゃんと伝える。
「そうだぞ! 魔理守! あおりんに謝ろうな?」
「いや、お前もだよ! 勝利!」
そこに、便乗してきた勝利へ魔理守は軽く手刀を落とす。
「それじゃ、商人さんから報酬も貰った事だし、まりりん、しょうりん、お仕置きの時間だよ!」
「「ぎゃーーーー!!!!」」
普段より低めの声で後ろから声をかけられ、2人は驚く。
「ごめん! あおりん! 俺達が悪かったから、許してくれ!!」
「ごめんな! あおりん! 俺達おふざけが過ぎたよ!」
2人は、時々彼女を怒らせてお仕置きされているので、その恐ろしさを知っている。可能ならば、されないでいたい。
「良くあることだよね? 変態な男の人が、女の子にセクハラして地獄を見ることって!」
「でも、お前のお仕置きめちゃくちゃ痛ぇから勘弁してくれ!!」
「SWでも痛覚はあるし、アイテムで痛覚を強く出来るから痛いのはやめてくれねぇか!?」
たまに、されてるからと言って慣れるようなものでもない。2人は必死に命乞いをする。
「だーめ!」
あおりんは、そう言いながら、アイテムボックスからボールペンのようなものを取り出し、魔理守の鼻先で、ノックカムをカチッと押す。
すると、強い電流が流れて鼻が感電する。
「ぎゃーーー!!!!」
「鼻だけじゃないからね! えい!」
次は、両耳たぶをボールペンで電流を流す。
当然、魔理守は、絶叫する。
「ま、魔理守……」
勝利は、魔理守が電撃をくらい地面に倒れ込むのを、恐怖しながら眺める。
「さぁ、しょうりん、覚悟しなさい……」
そして、勝利も魔理守同様、鼻と両耳たぶを電撃で焼かれて絶叫するのだった。




