4-25 拗らせた思春期男子2名
派遣部隊とのやりとりを終え、商人の馬車に乗った一行は、特に襲ってくるモンスターも現れず、談笑をしながら10分強ほどの時間が経過した。そして──
「おぉ、ウィンシティが見えて来た! SWについての本で見た通りって感じだ!」
魔理守は、目を輝かせテンションが高くなる。
「風属性のアイテムを買って、俺の俊敏力を上げて、ポニーを翻弄してぶっ倒してやんぜ!」
「それを俺が、殴り砕いてやろう!」
ライバル2人がバチバチと火花を散らしている。
~~~ウィンシティ~~~
「到着~!」
あおりんが勢い良く、馬車から降りかけ出す。その時、彼女のミニスカートがふわりと捲り上がる。
「ほう、ピンク……」
「ハハハ! 名前は青なのになぁ……」
思春期を某先輩の影響で拗らせた2人が、発情期のサルが如き目を一目散に駆け出した少女に向けて、彼女の後に続いていると、あおりんはこちらへ駆け込み、『ガチャガチャ』と二丁拳銃を取り出し──
「何か言った? 後、何か見た?」
あおりんは、二丁の銃口を2人の額に突きつける。
「「何でもないですぅ、特に何も見てないですぅ」」
2人は、両手を上げて降伏の姿勢を取る。
「ピンクって何のこと?」
圧が篭った笑顔で魔理守が発した言葉の意味を彼女は問いただす。
「さぁ? よく分かんねぇな……?」
彼は苦笑いでバレバレの誤魔化しをする。
「名前は青なのにってどう言うこと?」
「おれ、そういうのしらないから、なんのことだろうな?」
ツインテールの少年は、幼児のような口調と顔芸で誤魔化そうとする。
「そう……ピンクと言ったら今丁度私が履いてるんだけど、知らないのかぁ……」
あおりんは、スカートを少し捲り上げる。
2人は、すかさず目線が下にいく。
ただし、寸止めでパンツは見えでいない。
2人は、グッと歯を食いしばる。
「後、青いのだったら持ってるから明日にでも履こうかなぁ……」
2人は、ニヤニヤしそうなのを堪えている。
「ふーん、まりりんとしょうりんは、私で興奮しているんだぁ……」
拳銃をしまい、あおりんは上目遣いとぶりっ子声で言う。
「は、はぁ!? お、俺は、んな変態じゃねぇ!」
「お、俺だって、そ、そんなサルみたいな野獣じゃねぇよ!!」
普通にしてたら美形な2人の今の様子が滑稽過ぎて、それがおかしくてあおりんは、「フフッ」と笑い出す。
「アハハハハ!」
彼女は、堪えきれず、手を叩いて笑い出した。
「ハハハハ、ハァ……やっぱり、元凶の師匠先輩には、一回ちゃんと話を聞いた方が良さそうね……」
彼女は、下を向き、元々、こんな変態ではなかった友人2人が、サルのように盛りが付いたように変わってしまった事の諸悪の根源への殺意が溢れ出す。
「まぁ、その前に、この2人にお仕置きをね……」
死んだような目を2人へ向けて来た。
「や、ヤベェ、あおりんに殺される!!」
生気を無くし殺気を向けてくる目の前の少女に困惑し、勝利は大袈裟に表現する。
「くっ、俺たちはここまでか……13年間楽しい人生だったぜ……」
魔理守も勝利に乗っかり、大袈裟に反応する。
ただし、殺されたりはしないのは、わかっているものの、何かしらの仕置きはされることは、確定なので、どう逃れるか2人は頭を回す。
「おーい、君たち! 報酬を渡すからこっちへ来てくれ!」
[[ナイス! 商人のおじさん]]
「「了解! 今行く!!」」
ベストタイミングで、商人の男性が声をかけてくれたので、2人はとりあえずピンチから脱することになった。




