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セカンド・ワールドの魔王  作者: 魔闇直樹
④ 活動領域拡大編その1
53/61

4-18 VSゴブリン部隊

 前衛の3人と後衛の1人で、相対するのは、レベル17、18、21のボブゴブリン3体に、上7下4、8と5、8と6で組んでいるヤギに乗るゴブリン。


 因みに、ゴブリン・ライダーは、ゴブリンの方が基本的にレベルが高い。そうでないと、ゴブリンが使役できないからだ。


 そのモンスター達へ挑む4人のうち、前衛の3人はSWへ来て1人は1ヶ月ちょっと、2人に至っては今月にSWに入った為、彼らに挑むに当たっての推奨レベルに側からみたら不安があるように見える。


 また、後衛の少女も5月にSWへ来ているが、友人達と同じように冒険をしたいが為、レベル上げを、この世界に来て9月までは、極力しないでいた為、レベルが彼女のSW歴で考えると低くある。


「あのボブゴブリン達、俺らよりもレベル高ぇな」


 勝利は、その様な発言をしつつも、余裕そうだ。彼のレベルは、魔理守直伝のモンスターの大群狩りをしていた為、SWへ来て1週間にしては、8もあるが、その数字は、ヤギに乗るゴブリンと同じな為、一見無謀に見えてしまう。


「関係ない。俺のポニーテールパワーで蹴散らしてやる!!」


 中学生にしては貫禄があるポニーだが、彼も今月の8日にこちらへ来たばかりな為、超効率なレベリングをしてたとは言え、そのレベルは11。


「レベルはあいつらよりは低かろうが、関係ねぇ! 俺らが勝つ!」


 魔理守は、勝つと、もしも誰かがこの光景を見てたら、『無謀だろ!』と言われるであろう事を、宣言し、真っ先にレベルが21と1番高い相手に、攻撃を仕掛ける。


「デビル・ウイング!! デビル・クロー!!」


 魔理守は、飛行能力がある悪魔系固有能力を高い、翼を広げ、飛行をせずに、地を駆ける為の加速装置として使用し、敵を切り裂く、黒く鋭利な爪を生やし、レベルが1番高いボブゴブリンの懐へ瞬時に入り、敵の腹へ爪を突き刺す。


 物凄い速さで腹に突き刺すことで、普通に突き刺すよりも、極力な威力を発生させる事が出来る。


 そして、透かさず深く突き刺した長爪へ「ビリドル!!」と初級雷魔法【ピリト】から派生した相手に不調を与える黒魔法を掛け合わせた、【ビリドル】を唱え、ボブゴブリンの体内へ電源を流す。


「ウギャアァァァァーーーー!!!!」


 地獄の様な激痛を伴った大ダメージを受け、ボブゴブリンは、絶叫を上げる。


 魔理守のレベルからでの攻撃では、普通は出せないであろう大ダメージを自分が出来る事を工夫して組み合わせることで、それを可能にしている。


 だが、まだ誰からも攻撃を受けてないボブゴブリン2体が、魔理守へ向け手に持つ斧で切り付けようと行動する。


「「させるかぁ!!!!」」


 勝利は飛び蹴りを17の相手へ、ポニーは鬼火を纏った鉄拳を18の相手へ、それぞれ喰らわせ、妨害をする。


「させねぇよ! お前の相手は俺がしてやる!」


 勝利は、指を上向に来い来いと動かし、煽る。


「ふん! 魔理守を倒したいなら俺から倒して見せろ!」


 ポニーは、威圧的な笑みを浮かべ、拳を握り腕を軽く曲げ、ファイティングポーズを取る。


 ゴブリン・ライダーズは、何かしらのサポートをしようと、薄汚いポーチからポーションのようなものを出し、彼らの背後に回ろうと、コソコソ何かをしようとしているが──


 バンッ バンッ


 ヤギへあおりんが拳銃を発砲し、「メェッ!」と胴体へ打たれたヤギがよろける。


「あんたらに、邪魔はさせないから!」


 怪しい動きをするゴブリン達をあおりんは牽制する。


 魔理守達は、ボブゴブリンとゴブリン・ライダー達がしようとしている連携を上手く各個で相手するようにした。


 後は、各々で撃破するだけであるのだった。

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