4-14 お説教──ちゃんと後先考えましょう
「おい、なんでゴブリン倒しちまうんだよ!? ここで敢えて見逃せば、あいつらの生態的に、昨日のサル達なんかよりも、すげぇ大群で仕返しに来て、めっちゃレベリングできんのに!」
あおりんが、敢えて残していたゴブリンを倒してしまった事に、魔理守は文句を言う。
「まりりん、ゴブリンを軽く考え過ぎ! 昨日のお猿さん達と違って、ゴブリンは物凄い数で仕返しにくるだけじゃなくて、ホブゴブリンとかも連れてくるって知ってるよね!?」
「ホブゴブリンなんて、俺なら勝てるぜ!」
「1匹だけとは限らないよ?」
「それなら、ポニーや勝利もいるから、問題ねぇよ! なぁ! お前ら!」
魔理守は、2人の方を振り向く。
「おう、魔理守! 俺に任せろ!」
「フン! 問題ない!」
勝利は、片目を閉じ親指を立る。
ポニーは、悪人面の笑みを浮かべ、右手をゆっくり握る。
「何処から来るの、その自信!?」
何も問題無さそうに自信に満ち溢れている3人に、あおりんは、若干引いてる。
「あのね、あんた達。SWで死んだらどうなるか分かってる?」
「手持ちの物が全てなるなんだろ?」
あおりんが、急に当たり前の常識を聞いてきたので答える。
「その、全ての意味分かってるよね?」
「武器やアイテムが入っているバッグ、自分の中に宿ってる仲間にしたモンスター、そして、着ている衣類全て、死んだ所に出現するんだろ?」
[何を今更]と魔理守は答える。
「そうそう、それで全裸になって最後に行った教会で目が覚めるんだよな! それがどうしたんだ?」
勝利も、こんな常識なんで今話題にしてるのか疑問を浮かべてる。
「俺には、あおりんの言いたいことが分かる! 貴様らもポニーテールにしようと言う事だな!」
「今はポニーテールの話してないよ、今それどころじゃないから、後にしてね」
ポニーのいつものポニーテールネタを彼女は、後にしろと告げ、本筋を語る。
「大量のゴブリンと数匹のホブゴブリンが、私達にやって来て、死んじゃったら、持ってるアイテムはゴブリン達に持って行かれるし、教会にいる人達に、裸を見られるんだよ?」
SWの肉体はFWの肉体と同じになっている為、例えば元の世界で太っていると、こちらの世界でも同じ体型になっている。また、シミやホクロの位置すらも同じである。
「問題ねぇ!俺達3人は、死なねぇよ!」
魔理守はそう言い切り、2人もうんうんと頷く。
「私とみきみきは?」
「「「あっ」」」
「物凄くたくさんいるゴブリンと数匹のホブゴブリン相手に、私とこの子を守りながら勝てるのかな?」
「流石にきちぃな……」
「余裕ねぇな」
「確実とは言えん」
流石に、人を守りながら、壮大な数のゴブリンと数匹いるであろう熊並みの強さを持つホブゴブリンを相手にするのは、今の魔理守達には、相当難しい。その事も彼らは理解出来てる。
「そ・れ・で、私とみきみきが死んじゃって、その場に出てきた私達の衣類を、どうするのかな? 後、知らない人達に私達の裸を見られたらどうするのかな? 責任取ってくれるの?」
「…………えっと、そのぉ……ごめん」
魔理守は、頭を下げて謝罪する。
「よろしい! ちゃんと後先考えましょう!」
あおりんは腕組みをして頷いた。
「はい……」
魔理守は、申し訳なさそうに、情けない声を出したのだった。




