2-7 可愛く強い大きな小動物
「中々見つからないもんだな~」
魔理守はそう呟く。
「まりりんがしっくりくれば早く終わるよ~もう3時間だよ!」
「それを言ったらおしまいだ」
二人はかれこれ3時間【獣の森】を散策していて、少し愚痴をこぼしていた。
「まりりんはどういうのを探してるの?」
あおりんは魔理守が何を求めるのか気になったので聞いてみた。
「まあ、それなりに大きくて強くてしっくりくるのを……」
「そのしっくりっていうのがどういうの?」
あおりんは魔理守に聞き返す。魔理守は変わった考え方をしているので、長い付き合いのあおりんでも時々わからいない時があるのだ。
「しっくりって言われてもな……あっ、ちょうどあんな感じ」
魔理守何かを見つけた。
「えっ、まりりん、まさかあれじゃないよね」
あおりんは苦笑いしながら魔理守に言う。
二人が見つけたのは、【獣の森】の中で、初心者だけではなく慣れてきた中級者あたりでも倒されてしまうくらいの強さを持つ二匹、【デスリス】と【ヘルハムスター】だった。
二匹とも、体は120㎝で大きく、鉄塔を切り落とす強さの前歯、獣類の中でもトップクラスの速さ。
だが彼は、
「こいつだよ!こういうのを待ってたんだ」
魔理守は嬉しそうに答える。
「まってまりりん、この図鑑を見て!」
あおりんは、この二匹が載っているSWで販売されているモンスター図鑑を見せた。
「ここに初心者や少しなれてきた人でもやられちゃうくら強いって書いてるけど」
「でも、やり方次第では初心者でも倒せるとも書いてあるぜ」
「うーん、分かったじゃあまりりんに任せるよ」
あおりんは渋々了承した。
「まぁ、まりりんならやれそうな気がするし」
彼女はそう呟く。
「じゃあ、援護よろしく!」
「了解、まりりん!」
そして二人は、二匹に立ち向かった。