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プレイ

この小説を手に取っていただき、ありがとうございます。

この小説は二人の主人公の視点が存在します。

主人公はゲームをしている<プレイヤー>とゲーム内の<主人公?>に分けさせていただきます。

基本的に、視点は二つですが、増えるかもしれません。

ということで、楽しんでいってください。

○プレイヤー

 押し入れの中を整理していると、気になるものが出てきた。それは、ファミコンのソフトである。普通なら、気になるところではないのだが、私が見つけ出したものは普通のそれとは違っていた。


 普通、ファミコンのソフトというのは、ゲームソフトの表面にそのゲームのタイトルのラベルが張られているのだが、私の見つけたものにはなにも張られていなかった。剥がれたとしても、私の性格からしたら、一度プレイしてその題名をテープかなにかに書いて貼るはずなのだが、それもしていない。それに、いくら押し入れに入れていたとはいえ、自分が持っているゲームを把握していないはずがない。私は興味本位でこのゲームをしてみたくなった。


 押し入れからファミコンを引っ張り出し、テレビに繋いだ。


 正直、ゲーム自体が古いため、ゲーム自体が起動するかが心配だったのだが、その心配はむなしく、何事もなかったかのようにゲームは起動した。


 ゲームというのは普通、ゲームが始まるとタイトルが表示されるのだが、このゲームは表示されずにそのままゲームがスタートした。それが、ラベルが貼られていなかった理由なのかもしれない。


 画面に写し出されたのは、小屋らしきものとその前にいる主人公らしきドット絵。ド○クエみたいなRPGゲームを想像させる。


 その主人公はなぜかその街の王様に呼び出され、コンピュータの操作によって街の城に入った。そうして、王さまの前まで行き、会話が始まる。内容は極めて単純なものだった。


『魔王を倒してこい』


 それだけだ。特に理由はないらしい。普通はこじつけでも設定はつけるはずなのに、つけてないと言うことは、作者の適当さがうかがえる。


 その後、【はい】/【いいえ】の選択が出てきたので、とりあえず【はい】を選択。そこから、物語は始まった。


 まず、何をするべきなのだろうか。とりあえず、城からでて、街の外にでてみる。マップはやはりド○クエの使用である。街の周囲は岩で囲まれており、真下にしか進めないようになっている。強制的に下の方向に進む。


 少し進んだところでモンスターと遭遇。モンスター名はゴブリンといういかにもありふれたモンスターである。戦闘のスタイルは、アクション制ではなく、コマンドを選び、交互に攻撃をしていくもの。おそらく、素早さみたいなステータスがあって、それが高い順番に攻撃していくのだろう。


 私は【たたかう】を選択して、戦闘を開始した。


 さて、初戦が終わり、私はひとつのことを感じた。いや、このゲームをプレイしたら、誰でも思うことであろう。


 主人公が弱すぎる。


 初戦敗戦なんて初めだ。というか、このゲームのバランスはどうなっているのだろうか。普通こういうゲームは大抵、初戦はチュートリアルのような戦いになっていて、敵モンスターは最弱に設定されていて、死ぬ方がよっぽど難しい。それなのに、このゲームは敵からのターンが先で、主人公が一撃で死んだ。


 テレビ画面にはゲームオーバーと表示され、そのあとに小屋の前からゲームが再度始まる。再び、王様に呼び出され、【はい】/【いいえ】の選択。【はい】を選択した後に、また自由行動となる。


 普通に進んだら、モンスターに殺されてしまう。ということは、街で武器や道具を見つけて進んでいくというのが定石であろう。そう考えると、このゲームは初見殺しに特化したゲームだと思われる。とはいえ、さっきはなにも考えずに街を出たのが悪かった。理不尽なゲームではなく、ちゃんと考えれば死なずに進めるゲームなのであろう。


 そう思っていた時期が私にもあった。

 

 街の中をすべて探索したはずなのだが、なにもなかった。NPCが話すことは大体物語に関係してくるものが多いはずなのに、全く関係がないということが確実にわかるようなものばかり。


 難易度が鬼畜にも程がある。これからどうすればいいのかもわからない。街には抜け穴のようなものはないし、出入り口は真下にあるものしかない。どうすれば、このゲームをクリアできるかというのを、初めて10分もしないで考えてしまう。


 どうしたものか。少し考えてみるとその答えがわかった。


 今までの主人公の行動を考えてみたら簡単なことだった。いままでに、主人公が運命の選択をしたのは一か所だけである。


 私は一度街をでて、モンスターとエンカウントする。そして、ゲームオーバーの表示の後、小屋の前から再々スタートをきった。


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