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本祭

「皆穫、皆穫」

 本祭の最中で忙しさが絶好調の中で皆穫は後ろから声を掛けられるが、社務所の対応をバイトの子の任せると振り向くがそこには誰もおらずに扉が少し開いていて、その向こうから手だけ出して手招きしている人影が見えた。

 とりあえずそこに行く皆穫。すると突然引っ張られると口を塞がれる。

 驚きのあまり抵抗する皆穫だが、そんな皆穫に引っ張り込んだ自分が耳打ちする。

「皆穫、そんなに騒がないで、これからサボるのにバレるでしょ」

 そういって皆穫を介抱したのは美羽だった。

「美羽さん? というか何するんですか」

「とりあえず昨日言ったでしょ。これから優衣の神楽が始まるから迎えに来たのよ」

「……それだけのためにこんな手の込んだ事を」

「そうでもしないとサボれないでしょ」

 ……サボる事が前提なんですね。

「そんな訳で行くわよ」

「えっ、どこにですか?」

「だから、優衣の神楽がよく見える場所よ」

 そのまま勝手に行ってしまう美羽を皆穫は慌てて追いかけた。



 ……えっと、ここは本当に私の知っている神社なんでしょうか。

 皆穫がそう思うほどの獣道を美羽の先導で進んでいる。

「美羽さ〜ん、まだなんですか」

「んっ、もうちょっとよ」

 はぁ、いったいどこまでいけばいいのか。

 皆穫がそんな事を思っていると美羽がその先を指差す。

「ほら、見えてきた」

 皆穫達がそこに到達すると、そこは森から開けているが眼前には絶壁があって落ちたら間違いなく死ぬだろう。

「こんな場所につれて来てどうするつもりなんですか?」

「だから昨日言ったでしょ。優衣の神楽がよく見える場所に連れて行ってあげるって」

「ここがそうなんですか?」

「そうよ。とにかく崖っぷちに立って下を見てみなさい」

「……美羽さん、いきなり後ろから押すのはなしですよ」

「……いやね、そんなことするわけないじゃない」

 なんか一瞬の間があったような気がするんですけど。

「チッ」

 なんですか、そのチッってなんなんですか!

「とりあえず見て見なさい」

「はいはい」

 しかたなく皆穫は言われたとおりに崖っぷち近くに立ち下を見下ろす。

 そこには四方に榊とかがり火がもうけてあり、中央には舞殿が設置されており本殿から長い廊下で繋がっている。

 そして舞殿の周りにはロープで遮られているが沢山の人々が集まっていた。

「はぁ〜、なんか凄いですね」

「来年はあんたがあそこで神楽を踊るのよ」

「……来年は雨にならないですかね」

「残念ね、雨が降りそうなときには簡単な屋根が作られるのよ。だから雨天決行」

 なんか、今から気が引けるんですけど。

 皆穫が来年の事なのに緊張していると下の方が突然騒がしくなってきた。

「おっ、そろそろ始まるみたいね」

 皆穫は改めて下を見下ろすと本殿からゆっくりと歩いてくる優衣と、その後ろに演奏用の雅楽を持った人が列を成してゆっくりと舞殿に向かって歩いてる。

「はぁ〜、優衣さん雰囲気が違いますね」

 皆穫の言ったとおりに今の優衣はいつもの感じがまったく無く。その歩き方から仕草の一つまで優雅に見える。

「まあ、優衣も毎日稽古させられてたからね。あれぐらいはやってもらわないと」

 ……そんなに厳しいんですか、稽古って。

 そして演奏者と優衣が定位置に付くと演奏が始まり優衣はゆっくりと神楽を舞い始める。

「はぁ〜」

 もう皆穫には言葉は出なかった。それほど優衣の神楽は優雅で、優衣がまるで天女のようにも見えたからだ。

「優衣さん、なんだかすごく綺麗ですね」

「そうね……」

 何故か不機嫌な返事を返す美羽。

「美羽さん……」

 恐る恐る声をかける皆穫だが、美羽は大きく溜息を付いた。

「あの子は容姿だけはいいからね。こういうことをやらせると凄く人気が出るのよ」

「まあ、確かに今の優衣さんは綺麗というか優雅というか……」

「いつもの優衣とは想像出来ないでしょ」

「確かに……」

「だから余計に頭にくるのよね」

 ……美羽さん、もしかしてそれは嫉妬ですか。

「まっ、それは置いといて、来年は皆穫が踊るんだからよく見ておきなさいよ」

「うっ、今の優衣さんの姿を見てると自信が無くなるんですけど」

「まあ確かにね。でもやらないといけない物はやらないとね」

 というか、来年は私に決まってるから気楽ですね美羽さん。

「だからしっかりと見ておきなさいよ」

「は〜い」

 そして改めて優衣の神楽に目を向ける皆穫。

 だが皆穫には優衣の神楽よりも優衣自身がまるで別人のように綺麗で、優雅に踊っている姿が本当の天女のように思えて、ただただ見入るだけだった。

 そうしているうちに優衣の神楽も終わり、祭りも終わりを迎えるのだった。



「皆穫〜、ご飯〜」

 えっと、さっきの私の感動はどうすればいいのでしょう。

 祭りが終わりすっかり疲れきった三人だが、いつものように疲労度が一番低い皆穫の部屋に集まっていた。

「優衣さん本当に神楽を踊ってる時とは別人ですね」

「う〜、何だよその言い草は、私だってやる時はやるんだから」

「その代わりやらない時にはやらないのよね」

「いいじゃん、ちょっとぐらいは大目にみてよ」

「いつもかなり大目に見てるわよ!」

「美羽〜、そこはもう少しまけるところじゃ」

「これ以上まけたらあんたの価値はタダになるじゃない」

「皆穫〜、美羽がいじめる〜」

 いや、私に言われても困るんですけど。

 それにしても……。

 皆穫は先程とはまったく別人のようにだらけている優衣をもう一度見詰める。

 さっきの私の感動はいったいなんだったんでしょうか?

 永遠の疑問を感じながら三人はいつもの時間を過ごしていくのだった。







 そんな訳で最終回です。

 というか、いい加減に連載を二本持つ事は今の俺には出来ない。というかノリで始めてしまったみこみこだからすぐにネタに詰まってしまった。

 そしてそれ以上にエレメが盛り上がってる。したがってみこみこは今回で最終回になりました。というかいい加減にネタが無いので、まあ、次に巫女物をやる時にはちゃんと設定してから書きますので、そこら辺は安心してください。特に巫女萌えの人(私も含めて)。

 それと私の作品、特にエレメを読んでくれてる方にはお分かりでしょうが、現在修正作業の真っ只中です。ですが、最近ブログを始めました。そんな訳でブログにもエレメの事を触れておりますので、続きが気になる方はブログも読んでみてはいかがでしょうか。

 私のホームページである冬馬大社からいけますのでグーグルで検索してみてください。

 ではでは、ここまで読んでくださりありがとうございました。そして今までお付き合いいただいてありがとうございました。更に評価感想もお待ちしております。

 以上、ノリで連載を始めるもんじゃないと思った葵夢幻でした。

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