その 1
暗い話が続いたのでギャグ回にしてみました。
俺達はいま、塔の中にいた。
ユイの話が終わった後辺りが明るくなったので、塔に向かった。
この塔は昔、儀式の塔と呼ばれて人間を生贄にしていたらしい。そして、その生贄にした人間を蘇らせていたとか。そんなことをすることに何の意味があるのかは正直わからない。が、なんらかの意味はあったのだろう。でなければそんなことをする意味がないはずだ。
「それで、俺達はどこに向かってるんだ?」
そんな塔の調査と意気込んで塔に入った。
「え、ええとね、明るい未来?」
「明るい未来? 塔の中に明るい未来があるのか? 俺的には外の方が明るいような気がするけど」
塔といわれるからには上を目指して調査を進めるものなのだが──
「そうだよ、ね。……私、実はジンに言わなくちゃいけないことがあるんだ」
「そうなのか? 別に今さらなような気がするから言わなくてもいいんだぞ?」
階段などの上へ昇るものを探して約十時間──
「実は、実はだよ」
「そうだな、実話だよな」
「違うから、実話じゃなく実はです!」
いまだ階段を上った回数──
「どっちでもいいけど、なにが言いたいんだよ」
「その、ね。実は…………迷っちゃったみたいなんだよね。てへっ♪」
──ゼロ。
「てへっ♪ じゃない」
「ぐへへ♪」
「それは照れ隠しでも何でもない。どちらかというと許されない方の笑いだ」
塔に入ってから階段またはそれに準ずるものを探して約十時間、一向に上に進んだ覚えがない。
それどころかもと来た道までわからなくなって塔を出られなくなる始末。
「ありえねえ」
何で塔の中が迷路みたいになってんだよ……。
「そうだよね、塔の中が暗いなんてありえないよね。もっと明るい……そう、明るい未来のような感じにしてほしいよね!」
「違うだろ。塔が暗いのは当たり前だから。それと明るい未来のような感じって、その後は一気に天国コースに行くんじゃねえか?」
というか何で塔に明るい未来ってなんだよ?
「あはは、そこまで明るくないよ。せめて石と石をぶつけた時の火花くらいだよ」
「はやっ! というか一瞬にも程度ってものあるだろ!」
「にしても暗くて何も見えないねえ」
無視かよ!
「こういうとき暗闇の中にいる時って、男がつまずいちゃったりして女の胸を揉んだり服を脱がせちゃったりするんだよね」
「え、そうなのか?」
「そうなんですよ。男がつまずいて、なんらかのハプニングが起こる。これはもう常識中の常識だよ」
「へー、そうなんだ」
常識の域まで行くなんてすごいな。
「………………」
「………………」
「……………………」
「……………………」
ユイが急に黙り始めたけど、どうしたんだろう?
「……………………」
おっ、黙り始めたと思ったら今度は手招きをし始めたぞ。
何かあったのか?
そう思い、近づいてみると──
「……あぁもう、ジンは何をしたいの!」
「へ?」
いきなり怒られた。
「何をしたいって、特に何も。しいて言うなら塔の上に行きたいかな」
「そうじゃなくて」
「?」
「私が聞きたいのは、私があれだけ振りを出したのに、どうしてなにも起こさないのかって聞いてるのっ!」
「振りって何の事だよ?」
何か振っていたか? 別に何も持ってないように見えるんだけど。
「振ってたよ! 私があれだけ男の人はつまずいてハプニングを起こすって、言ったじゃん!」
「………………」
おい、振りって言うのはもしかして──
「振りって、つまり俺にボケろ、もといつまずいて何らかのハプニングを起こせって、そういうフリのことか?」
「その通りだよ!」
「わかりにくいわっ!」
というかユイが言うそのフリって、女の胸を揉むとか、服を脱がすとか、そんなフリだったよな?
俺がユイにそんなハプニング起こしたら、俺が変態扱いされるじゃねぇか!
「え? 男はみんな変態なんでしょ?」
「…………そうでした」
そういえばそんな話もしたな。
「というかね、私はそんなハプニングを起こして欲しいがために十時間近くも一階に留まってるんだよ。その間、ジンがどんなハプニング起こすのか楽しみにしたこの気持ち、どうしてくれるのっ!」
「こっちのセリフだよ! 一向に上に行く階段が見つからねえと思ってたら意図的に離れていやがったな! 俺が上に行く階段が見なかったらどうしようって積もったこの不安、どうしてくれんだっ!」
俺はずっとこのままだったらどうしようって、ドキドキしてたんだぞ!
「ふん! もう知らない」
「おい、どこに行く気だよ? 待てよユ、イ」
俺がユイを追いかけようとしたその時、
「おわっ!」
つまずきました。そして本当にハプニングが起こってしてしまいました。
「え?」
俺はつまずいた時に何か掴まるものはないかと咄嗟に手を伸ばした。そして何かを掴み、何かを掴んだまま、床に顔面を直撃した。
「いっ痛うぅ」
なんだよ、何か掴む感触があったからそこで止まると思ったのにまるで意味がなかったじゃないか。というか俺は何を掴んだんだ?
最初は暗かったので何か分からなかったが、触った感触が布っぽい物といことが判明。
「なんだこれ?」
そうして少し時間が経ち、暗闇に目が慣れたおかげか、ぼんやりと自分が掴んだものが見えてきた。そして、その掴んだものが何か分かった瞬間、硬直した。
「………………」
なぜかって? だって俺が掴んだものは──
「ユ、イさん?」
ズボンだけならともかく──
「その、なんというか」
──パンツも脱がしていたのだ。
つまり、今のユイの下半身は、すっぽんぽんなのだ。
「………………あっ」
そして、そのことに気づいた俺は謝るふりをしてユイの下半身を見れるんじゃないかという考えに至った。なので、
「ユイ、すまな──」
謝りながら上を向ことしたその瞬間、
「上を向くなあぁあぁぁぁぁ」
「ぐほっ」
殴られた。そして、気絶した。
ですよねえ、どうせこんなオチにしかならないですよねえ。
しかしここで終わると思うなよ。次にこんな機会があったらその時こそ、
「制・裁」
「がっ!」
おい、気絶してると思われる人間に追い討ちをかけ、るな、よ──
えー、まずは
読んでいただきありがとうございますm(__)m
そしてこれからの予定をすこし書こうと思います。
休みが終わる前に三章を終わらせたいので、それまで一日一話で投稿していく予定です。(あくまでも予定です。それと時間は未定)
その後の予定は三章の最後でまた書きたいと思いますが、おそらく今までのような三日に一話や一日一話という形にはできないと思います。
それでもできる限り頑張るつもりですので楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。




