一章:初練習
「う〜ん・・・最初は誰にしようかなぁ?」
携帯を手に記念すべき最初の選手を悩んでいる俺。
「やっぱりアイツかな。」
そう言った俺は履歴からそいつの番号を探して電話をかけた。
プルル〜プルル〜プルガチャ
『何?』
「おぅ!元気かカズ!!」
俺が最初に電話したのは、小・中・高と仲の良かった奴。あ、名前は安土 和伸。愛称:カズ。
小・中・高と一緒の学校に通っていたが、野球部に入っていた事が無い。
今は、仕事をしながらオッサン達がやっている草野球に良く混ぜてもらっていたらしい。
野球については、中学校後半に自身が野球に目覚めたらしく、よく家に来て一緒に野球をしていた。
『あぁ、元気だ!っで、何用?』
「え〜と、お前毎週土・日暇だろ?」
『あぁ、もうする事なくて困ってたとこだよ。遊ぶ?』
「俺、草野球チーム作るつもりなんだ・・・」
『いいだろう!!!』
「っっっな!即答!!??」
俺は、根気良く説得するつもりだったので、和伸のあまりに速い返答に驚いてしまった。
『え?俺野球するの好きだから!』
あ、そうですか
「じゃあ、お前には一番当てにしてるからな。野球経験がないお前だから本気で練習したら何処まで成長するかわからないからな!」
『まかしとけ!!じゃ、これからランニングしてくるわ。じゃな』
「おぅ!頑張れよ。じゃな」
よし!一人目獲得♪次は・・・
プルル〜プルル〜ガチャ
『もしもし』
「もしも〜し俺草野球チーム作ろうと思ってんだけど・・・・・・・」
と、根気良く俺は18人ぐらいに電話&交渉した。
そのかい合って、俺は何とか16人集める事が出来た。(2人断られちゃったけどね)
そして今日は始めての練習する日。
ここは、俺の故郷の町清流町の市民球場。
今日は全員が出てきてくれた。
「え〜っと、今日は皆集まってくれて有難う。で、今日はいろんな事を決めないといけないから、皆の意見を聞かせてくれ。」
俺は一度見まわしてから
「最初に、チーム名を決めたいと思うんだが、誰かいい名前はないか?」
しーん・・・・・・・・・・・
う〜ん、誰も話そうとしないな。
じゃあ、違う話題にするか。
「えっとぉ〜じゃあ、この話は後にして、次いくけど・・・・いちお、監督兼キャプテンを俺がするけどいいか?」
『いいよ』
「じゃあ、次は副キャプテンだけど・・・俺は内村君にやってもらおうと思ってるけどどうかな?」
『いいんじゃね!』
「えぇ〜、まぁいいけど」
この男の名前は、内田 春樹。愛称:うっちゃん。大学まで野球をやっていて、高校時代はこの地区の強豪校の一番打者をやっていた。
2年生の時からレギュラーで試合に出ていて、甲子園も一回経験している。
野球のスタイルはイチローみたいな感じで、ポジションは主に外野全般。外野なら何処でもこなしている。堅守で、俊足!バッティングも野手の間を狙って打てるようなバットコントロールを持っている。
俺とは小さい頃からの友達で、中学までは一緒に野球をやっていた。俺よりも人望はあると思う。
「じゃあ、うっちゃんで決まり♪次に、俺もうっちゃんもこれない時のまぁ、副々キャプテンになる人なんだけ
ど、沖田にやってもらていいかな?」
「俺は、いいですよ」
こいつは、沖田 翔。愛称:特になし。野球は高校までで、いちお大学には行ってたけど、大学ではテニスをしていた。
沖田は、力は無いがある程度なんでも出来る天才肌で、大学から始めたテニスも、3・4年生の時に全国大会にまでいっている。
野球のスタイルは何でもやってくれる奴で、ポジションは主にサード。でも、やれと言われたら全部のポジションをやれるはずだ。バッティングはアベレージ型だが、甘い球は簡単にスタンドに運べる。
俺とは小学校の時からの友達で、何故か俺とはウマが合っていた。高校でも俺は沖田と一緒にやっていた。
「じゃあ、沖田で決まり!最後に会計っつーか、まぁマネージャーなんだけど、やっぱり・・・女の子の方がよい?」
『そんなの当たり前じゃねぇかぁ〜!!』、『男がマネージャーするんなら辞めてやる〜!!』
など、何故か俺の周りにはだいたい25にもなって、彼女または結婚している奴は片手でも十分に余裕で数えれるぐらいしかいない。
「ちょ、落ち着けって。まだマネージャーは居ないけど、一ヶ月待ってくれれば必ず見つけるから!それに、皆の方からもスカウトしてきてくれよ!」
『任せとけ!』
「そして、二ヶ月は基礎練に、紅白戦をやる。それが終わったら練習試合を週一で組むから、全部勝つつもりで!負けたらそれ以降の練習が厳しく なるから、心してくれ!」
俺はおおまかな計画を話した。
「あ、それと草野球のリーグは2月末から始まるから、今から約・・・10ヶ月後だ。勿論優勝するぞ!
じゃあこれかの練習方針だけど、今度からは練習場に到着したら2周ランニングをしてくれ。その後、時間にな ったらキャッチボール・ハーフバ ッティング・休憩を挟んでフリーバッティングをして、野手は守備練、投手 はピッチング練習をして後自由!!
練習終了前には必ずダウンをしてから終わってくれ。あと、交通手段が無い人は、俺が送ってやるから。ここま でで、質問のある?」
「はいはぁ〜い!」
そう言って、手を上げて元気よく返事したのは、
岡島 一樹。愛称:特になし。野球は中学で辞めている。高校ではテニスをしていて、たいした成績は挙げていない。大学には行かずに働いている。
野球スタイルは、まぁたいした事無くて、たまに長打を打つぐらいだ。ポジションはファースト。
たまに自惚れる所がある。
俺とは小学校の時からの知り合いで、カズと一緒に良く遊んでいた。
「何だ?」
「ポジションは?」
「っあ。あ〜ぁ忘れてた。じゃあ、これからポジション説明するんで、聞いといてぇ〜!
キャッチャーからいくよぉ〜!キャッチャーは山根!ファースト岡島!セカンド防人!サード沖田!ショート 宮崎!レフト如月!センター山口!ライト内村!で、キャッチャーの山根が来れない時は宮崎が入る。抜けたシ ョートはその時のメンバーで決める!
次、ピッチャーは安土・山根・沖田・西垣!でいくから。
じゃあ、さっさとアップして、8対8で紅白戦しますよ!」
『おぉ〜!』
こうして、俺たちの草野球チームは始動し始めた。