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夜空を眺めながら 思索に耽る  作者: 二心 真也


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暗くて静かで 美しい世界

ふと目が覚めると私は自分が見知らぬ場所に寝転がっていることに気がついた


静かで暗いこの場所が何処であるのか、自分がなぜここにいるのかそんな事はどうでも良い事だった


ただ目に映る夜空に瞬く星々に私の心は魅せられていたからだ


無造作に無作為に宝石を散らしたような眩い輝きとそれを優しく包み込む暗い色はただ純粋に美しいとそう感じられた


ここは何処かの野外であるのだろう、背中を尻をくすぐってくる短い草の感触とふかふかと柔らかな土の温かさからそう判断する


不思議な場所だここは、人の気配はおろか命の息吹さえ感じられない静かな場所である


虫の羽音も鳥の囀りも、川のせせらぎも木々のざわめきも何一つとして感じられず


相変わらず主張を続ける草や土の感覚も何処か曖昧で、まるで作り物のようなふわついた感覚が心を満たしていく


ただ時の止まっているような静寂だけがこの場所を満たしている


けれど星の瞬く光は変わらずにその美しさを主張している、ともすれば煩雑な人々の世界で見上げる空よりもよほど


しかし美しさに魅せられた心が徐々に冷静さを取り戻していく中、私の心に訪れるのは現状に対する恐怖であった


異様な静けさが満ちるこの場所は一体どこで、私はなぜここにいるのだろうか


なんて感じながらも、考えが回り始めた私の脳内は現状を的確に表現できる言葉へと辿り着くに至った。

つまりこの不可思議な現状というのは夢なのだろうということに


疲れ果てて寝床へと倒れ込み夢の中記憶を整理するためにいつか見た景色だか風景だかを再現した心の内側の世界


もしくはそれらをつぎはぎして作り上げたコラージュのような。脳の裏側、蛋白質に走る電気信号が作り上げた仮初の世界だ


そう考えるとこの不可思議な現状にも納得できるというもので、僅かばかり感じていた恐怖心も何処かへと散っていって


すこしの好奇心というのだろうか、ワクワクと弾む心があった


この美しい夜空を眺めながら、生産性も意味もない思索を目が覚めるまで楽しむという考えを思いついたからだ


資本主義に染まり切った現代社会においては誰もが歯車として生きることを強要される


それは脳みその内側も変わらず、日々の糧を得るために日中の大半においては仕事の内容に関して占められているだろう


自分のことを考え行えるのは、就寝するまでの短い時間と僅かばかりの休日のみであるのだから


目が覚めて大半を忘れるのだとしても、自分のこと、取り留めのないことを考えられる振って湧いたこの時間を活かすことに私は決めたのだった


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