EP4 冒険者ギルドにて②
「はい…お察しの通り…あの時熊さんを一掃したのは…俺…です…意識も…別に…飛んでませんでした…」
「やっぱりなぁ、あの時は本当にプッツンしてすげえ火事場の馬鹿力を発揮したのかと思っちまったぜ!いやぁまんまとしてやられたもんだ…リク…お前、役者も行けんじゃねぇか?」
「アニーからリクが殆ど倒したって聞いてはいたけど…まさか50体もリクが一人で倒してたなんて…まぁ、今となってはGXモード発動状態だし、出来て当たり前と言うか・・・」
「あ~あ…また使える様にならないかな〜GXウェポン…あの時みたいに敵を一掃出来たらな~」
と、言い切った直後に俺の体に悪寒が走った。
セフィーが静かに立ち上がると、静かに俺の目の前まで来て、俺に聞く。
「リク?・・・今、なんて?」
「あっ・・・(やべ)」
俺はこの瞬間、静かに自身の生命の危機を感じ取った。
「GXウェポンには金輪際、頼らないって話だったわよね?・・・ねぇ?」
「いや…今のはちがっ!あっ痛っttぁ!!!!」
怒の一文字が頬に書いてある笑顔のセフィーに額を触られた俺に少量の電撃が走った。
少量とは言え、体感的に静電気の三倍くらいの痛みが0.5秒間俺の全身を駆け巡った。
「頼らないよね?金輪際」
「はい…頼りません…!すみません!すみませんでしたぁぁ!!」
俺はセフィーに向かって、ブンブンと頭を下げて許しを乞うた。
「ったく…今度、私の前で同じ事言ったら、今の10倍ね?」
ひえっ・・・実質的な死刑宣告!
口が滑ってもセフィーの前では言わないようにしよう…GXウェポンまた使いたいと・・・。
「あはは…まあ、アニメとかゲームで登場する主人公がたまたま主人公補正で最強の力を手にして立ちはだかる敵を一掃する!って描写に憧れを抱く人は珍しくないよ?セフィー」
まさか?ギルド長さん俺の肩を持ってくれるんですか!?
「でも、それって結局本人の努力による力じゃないですよね?それなのに、ひたむきに【武】を【技】を極めようと賢明に研鑽を続けている者達が血の滲む努力の果てに手に入れられる様な能力を装備一つで手に入れられるなんて…理として許して行けないと思います!」
「まぁ、セフィーの考えも一理ある」
いや、どっちの味方なんすか。ギルド長……
「その問答は置いといて本題なんだが私もルドから聞いて調べてねギャラクシーウェポンのGXモードという効果は私の持っている”女神が置いた文献”には書いてなかったんだよ。」
女神が置いた…文献?
「しかし、ギャラクシーウェポンの各モードには共通する機能があってね。力跡と言って使用後に使用者に永続で残るボーナス効果みたいなものだよ。」
「ボーナス効果?」
「例えば筋力値を最大値にするBHモードならBHモード本来の効果は使えなくなっても自身の筋力値より+500筋力が扱うのに本来必要な武器でも扱える様になる。そしてその状態は永続する。だから私が思うに、リクの急なレベルアップ率の上昇は、この力跡によるものなんじゃないかしら?」
まさか、GXモードにアクセス出来なくなった後でも機能の残滓が俺の体に残っていたとは・・・
セフィー「リク?もしかして知ってて、また…?」
「いやいや、知らなかったよ!本当に!」
怪しい…と言うような目でセフィーは俺を見る。
「それに、これはある程度俺も努力した結果なんだから…ね?良いでしょ?」
セフィー「はぁ・・・まぁ、それもそうね…特訓自体はしっかり受けていたし…過量魔霧ぐらいなら目を瞑るか・・・」
なんとかセフィーは納得してくれたようだ。
アニー「そういや、ギルド長。ここに来る冒険者ってみんな俺らがいた表世界って所から来たんだろ?」
「ん?あぁ、私の呼び方はシーラで良いよ。あと、半分違って半分合ってるかな。正しくは同じ複数ある表世界からやって来ている。同じ世界であって違う世界から来ているのさ」
「ふ、複数?同じ世界で違う世界????」
あ!これはまずい!筋力バカのアニーに難しい話はとてもまずい!!!
「おいおい、わかりっこない質問をするんじゃないよ!頭ぶっ壊れるぞ。」
「あ、あぁ…なんだか頭痛くなってきた…。」
アニーの頭から湯気が立ち上る。
「ちょっと難しかったかな?」
「いや、こいつが戦闘と筋力にしか脳がない筋力バカなだけなんで、気にしないでください」
「リク・・・ぅ?テメェなぁ・・・?」
シーラ「でも、私に質問したと言うことは、何か気になる事があったんだろう?」
「あっ・・・・あぁ、さっきここに俺ら以外の冒険者が来てただろう?アイツらも魔王を倒してここに転移してきたって事だよな?」
「そうだよ。バカと言われてる割に理解してるもんじゃないか」
「でもよ、魔王を討伐しに行くには装備が軽すぎるような気がしたんだが…。」
「あぁ、彼らはまだ魔王討伐には行かないよ」
「転移する時に女神から何か聞かなかったか?」
「そういや、魔王を倒した後にどっからか声だけが聞こえてソイツが神様を自分で名乗ってたけどソイツは裏世界の敵は表世界の何十倍に強い。つってた様な・・・?」
「何十倍…結構低く見積ったね…まぁ、野生の魔物の強さだけならともかく魔モノと魔王配下の魔モノ達の強さを総合したら何十倍じゃ済まないよ。」
「そんなに?」
「君達が出会った冒険者は多分グルーヌかギアーヌだと思うんだけど、アイツらは前に1度魔王城に挑みに言ってるんだ。つい、半年前に。それで見事、魔王配下の幹部クラスの魔者に殺されかけてね。殆ど戦いにならなかったらしく、今はレベリングの為にギルドで受注した仕事をやっているよ」
「その…彼らの今のレベルは何レベルなんでしょうか?」
まずい!知りたくもない情報をつい怖い物知りたさで聞いてしまった!
「レベルはギアーヌが111グルーヌが113に最近成ったはずだよ」
「な!?」
「私達より全然高い…!」
「最初魔王討伐に出向いた時はギアーヌが92でグルーヌが98だったよ」
そ、そんなレベルに達しても魔王の手下に完敗してしまうのか・・・・・・
「それなら…よく生きてもどってこれましたね。私が元居た世界では魔王の手下に負けた冒険者は殺されて屍となり地面に転がっていましたから」
「運良くここで配ってる”帰還の護符”の効果を殺される寸前に使えてね。簡単に言えば護符が記憶した場所に持ち主を瞬間移動させられる護符だけど、このギルドまで戦闘中に転送して帰ってきたんだよ」
ど、どんだけ強いんだよ…裏世界の魔王とその手下達・・・。
「だから、暫くは君達は魔王討伐する為に冒険に出向くのはよした方が良い。彼らは運が良かったが最悪殺されていた。それでも、倒しに行くのか?」
真剣な眼差しで俺達の覚悟を確認するかのようにシーラが問う。そりゃ俺の答えは勿論…。
「行かな…」
「行くに決まってます。冒険者になった以上死と隣り合わせなんて千も承知。寧ろ滾ります」
「あぁ!格上が負ける様な敵との戦闘が待ってると思うと俺の筋肉が身震いするぜ!」
いやいやいや、アンタらどこぞの漫画の戦闘民族だよ!!!!
「ふふっ。2人の覚悟は大したもんだが、勇者さんはそうじゃないようだが?」
2人の堂々とした力強い回答にシーラは思わずクスリと笑いながらも俺は乗り気で無い様子だと2人に伝えた。
「だって、僕まだレベル50にも到達してないんですけど…」
「だからこそ、今から仮想戦闘で50まで上げるわよ!」
「え!?い、今から!?」
「だって、そんな強い敵達をその今も尚レベリングしてる人達に先に倒されたら勿体無いもの!」
「あぁ、強いってのは話で聞いただけじゃ理解できねぇからな」
いやー、もうこの人たちほんと戦闘狂…。
「待った、無理は良くないよ。セフィー」
「え?」
「創造魔法を連発しているだろう?気づいてるかもしれないが君の魔祖が割れかけている」
「え?見えてるんですか?分析の魔法Sでも視認出来ない他人の魔祖の状態を見れるなんて限られたヒト族にしか出来ない筈…」
「あぁ。言い忘れてたけど。私ハーフエルフなんだ」
シーラは横髪を掻き分けて尖った耳を俺たちに見せた。




