EP4 冒険者ギルドにて
俺達は冒険者ギルドに戻るとルドが目を覚ますのを待った。
ルドをアニーが抱えて戻ってきた時にはエントランスに集まる冒険者たちに「ルドちゃんに何をしたんだ!!」「ルドちゃんに乱暴したならタダじゃ済まねえぜ!!」とギルドの人達に詰められたが、俺の泥塗れで血痕が着いた服を見ると 殺気だった顔を緩ませた。
「あー、そう言うことね。お前さん傷は大丈夫なんか?」
「あぁ、もう治して貰ったから彼女に」
俺は隣に立つセフィーを指差した。
「驚いた。治癒魔法が使えるのか!?」
「血痕を見た感じさっき負傷したばかりだろ?どこを殺られたんだ?」
「腕だよ。噛まれて牙が貫通した」
てゆーか、あの時俺よく耐えれてたな。精神。
「は!笑わせんな!そんな重症が短期間で完璧に癒えるわけないだろ高等治癒魔法使いでも無い限り…」
「や、彼女は治癒魔法Sランクだから」
「えーーー!?」
「え、Sランク!?」
ギルド内がザワ付き始めた。
「私、元近衛騎士ですから。色々と特別な鍛錬をしてますので」
「ま、まぁでも嘘を言ってるようには見えねえし…」
「ぜ、是非ともうちのパーティーに入ってくれないか?」
セフィー「え?」
「あ!ずりぃぞー!こっちなんて回復魔法持ち1人もいないんだからな!」
「お前らはいつもポーション持ち歩いてるだろう!」
急に周りの冒険者たちがセフィーを巡って言い争いだした。
「いえ、お誘いは嬉しいのですが私には彼がいますので」
と言うとセフィーが俺に微笑みかける。
「セフィー…お前…」
いや、違う。これは”私から逃げれると思うなよ?”という意を含んだ微笑みだ。
「ちぇー!まあ、本人が言うならしゃーないか・・・」
「ばーか!おめーの口説きが下手なんだよ!」
「っせー!お前も大して変わんねえだろ!」
俺達に話しかけた冒険者達はそんなやり取りをした後
「俺はギアヌよろしくな!」
「俺はグルーヌよろしく!」
「うん、私はセフィーだよ。何かあった時に宜しく。」
「おう!」「まかせな!」
手を振ると冒険者はパーティーメンバーらしき者達を引き連れてギルドから出て行った。
エントランスに並んでいる長椅子にアニーが背負っていたルドを寝かせるとカウンター横の裏口の扉から人が現れた。
「君達が、この前転移してきた。冒険者かい?」
カウンター奥の扉から現れたの女性だった。
身軽な格好に丈の短いジャケットを着ている。
髪は水色で長髪だが少し見える耳の先は心無しか尖ってる様に見える。ヒト族の仲間だろうか?エルフにしては耳のサイズが小さいし…そんな彼女はカウンター横の裏口への扉から出てきた事から想像するにこのギルド運営の1人だろう。
「あ!これは…」
「わかってるわかってる!見てたからね」
「ルドは昔から小さい頃から血に弱くてね酷い頃は狩って来た魔物の血を見ただけで失神してしまってね」
女性は長椅子の上で横になったルドの隣に座るとルドの額を撫でながら話を続ける
「あ、自己紹介が遅れたね。私はシーラ、ここのギルド長だよ」
運営どころかこのギルドで一番偉い人だった!!
「リクです」「私はセフィーと言います」「アニーだ」
俺達は各々ギルド長に挨拶を返した。
「よろしく、しかし凄いじゃないか治癒魔法をSランクで使えるなんて」
「やっぱり、あの精度の治癒魔法の使い手ってこの世界でも珍しいんですか?」
「あぁ、私が知っている限り、あそこまで高速かつ、高精度なSランク治癒魔法を使える者は片手の指で数え切れる程度の人数しか知らないよ」
はえー〜、そんなコイツの治癒魔法凄いんすね。
正直、表世界の時はGXモードの完全自動治癒のおかげでセフィーの治療魔法の技量の高さを認識する機会が無かったんだけど、まさか裏世界でも驚かれる程ってのは驚きだ。
そういえば、あっちでも回復魔法使えるってだけで驚いてた人もいたっけ・・・。というか、今思えば勇者育成校のヒーラーの先生ってかなり凄腕だったのでは?
「ところで、こっちに来たと言う事は何か用事でも?裏口から入れたし、わざわざ正面口からエントランスに入ったと言う事はルドを寝かせるのともう1つ別の用事があるからじゃないかな?」
「さすがギルド長ですね。実は彼のレベルチェックをしたくて」
「あぁ、そういえば、リク君は特訓中の勇者見習いなんだってね。ルドから聞いたよ。そうかリザーマンと戦っていたのはその為の…」
ルド、どこまで話したんだろう?全部話してないと良いけど・・・。
「パーティーの仲間を騙し続けた大嘘つきだって」
なんて伝え方してるんだ…!ルドのやつ!!
「まぁ、私は構わないけどね、どんな強化装備を使おうと自由だ。それに、多分だけど使ってる事他言しちゃ行けないもしくは知られてはならない、決まりだったんじゃないか?高クラスの強化装備程ルールが決められていると聞いたことがあるよ」
「う、うん」
「なんだ、それなら先に言ってくれたら良かったじゃねえか。」
「そんな事はもうとっくに気づいてたよ」
「え…じゃあ何できびしくするんです?」
「わかってても、ムカつくものはムカついたからよ」
「そんな〜〜…」
「あはははは!仲良しな様で結構だねぇ。で?レベルチェックだっけ?ちょいと待ちなレベルチェックの魔具を持ってくるから」
シーラは立ち上がるとカウンターへと向かった
「今のうちに混ぜた魔霧取り込んだら?」
「うん」
魔霧の取り込み方は極簡単で片手を広げ手の平の上に魔瓶から魔霧を垂らすと自然と手の平に染み込んだ魔霧が体中に浸透して行くのである。
魔霧を取り込み終えた直後の一瞬でレベルが上がる感覚が俺の体内を駆け巡った。
「あいよ、持ってきたよ〜」
カウンターからレベルチェックの魔具を持ってシーラが出てきた。
「はい、手当ててみて」
シーラに言われた通りに、大きな本の形をしたレベルチェックの魔具に手を当てる。
すると、魔具から光が放たれ空間に文字が浮かぶ。
「レベル…45だね」
「え?」
「なんだって!?」
「リク!!!」
「いやいや、狡い強化装備使ってないから!!!もう改心したから!!!!マジで!!!!」
「本当でしょうね?」
「本当だって!!!」
「しかし、さすがに伸びすぎじゃねえか?こんな短期間で」
「まぁ、落ち着きなさいな。3人とも」
シーラは言うと再び長椅子に腰掛けた。
「君、この世界に来るまでは特殊強化装備のGXウェポンのGXモードで総種族値を最高値まで強化してたんだってね。」
「う、うん…そりゃあもう、最強になって…」
「無双したの?」
「無双!?」
「それだけの力を手にしたのなら、無双するなんて簡単だろう?」
「あぁ…それがですね…あのチートウェポンには制限がありまして…発動状態であると他者に知られちゃダメみたいで…知られたら発動が強制解除と発動権の強制破棄されるペナルティーがあるもんだから、結局ソロで戦ってる時くらいしか無双はしてないんですよ~ 」
「そうか、制限が…まぁ、それもそうか、
だって…ウェポンの中でも存在が幻とまで言われてるからねGXウェポンは…」
「いや、リクお前割と俺の前で無双してなかったか?確か紫眼の獣熊の大群と戦った時50体以上はお前が大剣一振りで倒してたよな?」
「え!?あの時リクがそんなに倒してたの?」
時間は半年以上前に遡る・・・・・・。




