EP0 リク、最強の勇者となる①
「はあ・・・・・学校嫌だな~・・・・・」
勇者見習いのリクは勇者育成学校に向かう道の途中で悪態を漏らしている。
「毎日毎日授業と戦闘訓練の繰り返し・・・・しかも、結構ガチな奴だから毎回死にそうになるし・・・・」
「「貴様!!これぐらいで音を上げている様では甘いぞ!!」・・・・・なんて教官は言うけど、もうちょっと手加減して欲しいぜ!学校で死人が出たらどうするんだ・・・まったく!」
リクが通うユグドラース勇者訓練校は大量のU級…更にはUS級冒険者を輩出している、名門訓練校だ。
この勇者訓練校という学び舎で訓練課程を了した者には【勇者の称号】が与えられる。
冒険者ギルドでは…この【勇者の称号】を持っている者、もしくは""メンバーの中でこの称号を持っている者が1人以上居るパーティー""に
S級以上の魔物の討伐任務
魔王討滅任務
この2つの任務受諾が許可される。
その為、 訓練内容はとても厳しく骨折や死なない程度の大怪我等は当たり前。
いわば超スパルタ育成所だ。
そんなハードな特訓を毎日毎日およそ半年間も続けさせられていたリクはグレはじめていた。
「「お前は勇者になるべくして生まれたんだ!」って親父は言うけど、絶対何かの間違いでしょ...地獄みたいな訓練で毎日痛い目見るだけで全然強くならないし、ちょっとサボっただけで教官にボコボコにされるし....ホントいやんなっちゃうよ………」
はあー......と、また大きくため息を吐いた。
「だいたい、努力するの嫌いなんだよね!俺・・・てっきり育成所に入ればすんなり勇者になって魔王を倒せると思ってたんだけど。」
リクは空を見上げて嘆いた。
「あー!何もせずに最強の勇者になれないかな~」
空を見ながら歩いていたリクは地面にある物体に気づかず足が引っかかり躓いた。
「おっと...!」
その直後にバランスを取り転倒を回避したら、そのまま振り返って自分の足が引っ掛かった地面に落ちてる障害物を拾い上げる、
「なんだこれ?青い・・・・石?」
その石はとても美しくサファイアと呼ばれる宝石と似ているとリクは思う。
日に照らすとその石は光沢を帯びた。その輝き方はまさに宝石だと。
「これ売れば『強化装備』でも買えるかな~、なーんて!誰かの落とし物だろうし遺失物回収所に持って行くかぁ・・・でも、こっからだと遠いから訓練が終わってから届けに。━━━」
『あーーーっ!!!!!それ!それー!』
「うわっびっくりした!」
「それです!私が落とした大事な物なんですー!」
金髪の白いワンピースを着た女性がリクに向かい目を光らせて駆け寄っていた。
「こ、これっすか?」
リクは拾った石を女性に見せる。
『それですー!ありがとうございます!ありがとうございます!』
女性はリクの手を取りながら ぶんぶんっと頭を何度も下げた...
「(近い...そして良い匂い...)」
『あ!御礼にこれをあげます!』
女性は顔を上げ何かを差し出した。リクは赤面してるのがバレないように 咄嗟に横に顔を叛けた。
『ん?どうしました?』
「いっ...いや....、な、なんでも?」
『どうぞ!』
ワンピースの女性はリクに宝石のように光る手のひらサイズの小物を差し出した。
「あぁ、御礼なんて....い、いらないっすよ...俺はただ物を拾っただけだし。」
『本当に大切な物だったのです!だからこそちゃんとしたお礼がしたいの!良いから受け取って!』
「あっ!」
女性は強引にリクの手を掴み手に持った小物をリクの手に握らせた。
『これね、真ん中の凸の部分を押すと良いことが起きるの!最初はびっくりするかもだけど!後から慣れるわ!じゃあね!ほんっっっとうにありがとう!』
その女性は指をパチンッと鳴らした。
その瞬間、一瞬で姿を消してしまった。
「な・・・なんだったんだ・・・?」
いや、綺麗な人だったのは確かだけど.・・・
と、思いながら女性に渡された物を見た。
それは、手のひらに丁度収まるぐらいの大きさでメダルのような形状をしている。
リクはメダルを空に掲げ日光に翳してみる。
すると、反射でメダルがキラリと光る。
「綺麗なメダルだなー、質屋に売ったら高く売れそうだ・・・へっ・・・へへへ・・・・・・」
何万コインで取引きされるかなぁ?
あの女の人がどこかの貴族なら何10万・・・いや、何100万コインにもなったりして・・・!!
「・・・・・なーーんて...せっかく貰った物だし大切にするかぁ、というか、人前では使っちゃダメって言ってたけど『使う』って何をどうするんだ?このメダルで?」
リクはメダルをまじまじと観察した。
何度も日光に照らし光らせながら見た後、裏面の輝きも見ようと裏返してみると真ん中に窪みがある事に気づいた。
「なんだこれ?」
リクは何となく【窪み】指が入りそうなサイズだった為、その窪みに人差し指を入れてみた。
ピカッッッッッと光がメダルから放たれた。その光はリクの体を全身まるごと包んだ。
「まっ....まぶしい!?」
一瞬眩しさで眼を瞑ったリクが眼を開けると視界には宇宙の様な空間が広がっていた。
「な、ななななっなんだあ!?」
【ギャラクシウェポン起動。特別権限者、認証成功。リク様ギャラクシーモードを使用しますか?】
どこから聞こえてるのかわからない謎の女性の声が俺が立ってるか浮いてるかわからない謎の空間中に木霊している。
「ぎゃらくしーもーど? 何それ?つーかここはどこ!?そしてアンタは何処から喋ってるのお!?」
【はい、私はGXメインシステムです。実体として現れる事はできません。リク様が現在知覚している空間はGXウェポンの各モードへのアクセス空間です。】
「ギャラクシーウェポン?それって・・・このメダルの事?」
【はい、指紋が認証されリク様はギャラクシーウェポンの全使用権限を入手されました。】
「(ログイン...まるでパソコンゲームみたいだな。小学生の頃に親父のパソコンでやったドラゴンハンターズは面白かったな。...ってそんな事はどうでも良くて!)」
【GXモードを発動されますか?】
「そのギャラクシーモードってのはなんなの?いきなりワケわかんない単語使われて、それを使用しますか?って聞かれても答えようが無いんだけど」
【はい、GXウェポンの最上級モードです。GXウェポンでは権限者の各モードに当該する各種力値の数値が最大値まで加算されます。GXモードを発動した場合、発動中【総種力値】が最大分まで加算されます。】
「は?...えぇ??...えぇ???」
間抜けな声をリクは三回も出した。
※ 総種力値とは?
訓練または戦闘を経験する事でレベルと共に上昇する数値
種力値の合計値だ。
各種力値の内それぞれ、攻撃値、防御力値、敏捷値、魔力値、幸運値、智力値、筋力値、体力値、その他に総種力値に反映されない『特殊値』が存在する。
勇者育成校で【勇者の称号】を獲得するには…
最低Lv50
各種力値最低2つ以上が8000P超
..である事が条件となっている。
ちなみに現在のリクは
Lv20
8000P超えの種力値無し
である。ユグドラース王国の勇者育成校の授業を半年受け、種力値が一つも8000P超にならなかった者は現在リクだけである。
「そ!…そそそそ、それってゲームとかアニメで言うチート能力?って奴に近いと思うんだけどゲームの話じゃなくて、本当に俺自身が現実でチート能力を手に入れるってこと?」
【はい、GXモード使用中リク様のステータスが全て最大値まで上昇します。】
「す、全て????いっ…いやいやいやいや!でも!きっと大きなハンデがあるんだろ?上手い話には裏があるって昔から...」
【本来は寿命と魔霧を大量に消費しますが特別権限者のリク様は必要ありません。ギャラクシーウェポンを起動した瞬間全モードの発動権限はリク様が取得されましたので。】
「起動した瞬間って…あぁ、もしかして…さっき石のボタンみたいなのを押した時に?」
【初回でご利用されない場合、発動権限は自動抹消されます。】
「抹消って、今使わなかったら、その「ギャラクシーモード」?はもう使えないってこと?」
【はい、発動権の再取得は不可です。】
「ちょっと待って!考えさせてくれ!」
リクは腕を組んで考える
「([全てのステータスが最大値になる。]ってのが本当なら、もうあの地獄のような訓練の日々を送らないで勇者になれるし、あわよくば魔王を一撃で倒せるって事だよな? 大チャンスじゃねえか!乗るしかないでしょ!そんなもん!!)」
「よっっしっっっ!使ってやるぜ!ギャラクシーモードって奴を!!!!」
【かしこまりました。GXモードの発動を開始します。
GXモード更新可能数残り23回…システムGXモ゙ードON】
突如として宇宙の様な空間に幾重もの白い光の粒子が発生し、リクの身体を包み込むと、白く輝く光は赤い光に変色し煙か炎のような現象に変わり空間の中で轟々と燃え盛った。
「うおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!なんだかよくわかないけど数字が上がってる気がするううううッッ!何の数字かわかんないけどいろーーーんな数字が上がってる気がするううう!ち、力が・・・!力が漲るぜえええええええええええええ!!!!!!」
◆◆◆こうして・・・俺の能力値は全て最大値に達した。◆◆◆




