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【07 テシュキ3.ウンソの記憶】

・【07 テシュキ3.ウンソの記憶】


 ウンソの手記を読む。

 ウンソは天才忍者の割に、手汗だけはすごいらしく、手記の表紙が既に少し色褪せていた。まあ手汗でとかしているんだろうけども。

《二十三世紀はネットで調べればいくらでもエロい広告なんてあるもんなんだぜ》

 そんな知っていることを改めて言われても、と思ったところで確かに、じゃあ何でスポーツ新聞の下部の広告を集めていたんだ? と、今冷静になって思った。

《でも俺は子供ながらに二十世紀のノスタルジーを感じたかったんだぜ》

 二十世紀なんだ、もはや。ウンソって二十一世紀が好きというのは聞いていたけども、まあそのあたりは地続きか。

 とはいえ、何で二十世紀のノスタルジーを感じたかったかは謎だけども。

《下部の広告を集めていると、当時の少年のノスタルジーを追体験できるんだぜ》

 いや当時の少年、そんなことを全員していたわけではないでしょ。

 一部の少年のノスタルジーでしかないでしょ。

《全少年のノスタルジーだぜ》

 絶対違う。一部のスケベだけだと思う。早開花少年のスケベ録だと思う。

《文字だけで興奮できたあの頃へ……》

 細目で遠くを見ているような書き方をすな。台詞だけでそれを表現しようとして、描写は手を抜く小説じゃぁないんだよ。

《ウンソ、目を見開き、地面を見る》

 全然違った。いざ描写を見たら、全然違った。

 いやでも、じゃあそういう台詞じゃなかったよ、描写か台詞のどちらかが違うよ。

《と思ったら股間を見ていた、細目で》

 細目じゃねぇか、やっぱり”……”は細目だからね。

《細股間》

 じゃあ粗だけども。

《細股間がどんどん細くなっていく》

 人間にその機能無いでしょ、細くなることは無いでしょ。

《元々細かったのに》

 せめて萎えていくであれよ、元々細い状態で細くなることはないんだよ。

《シャー芯》

 何かシャー芯という言葉、久々聞いたよ(見たよ)。

《黒さも》

 しょうもな、しょうもないユーモア過ぎるんだよ、女子の幼馴染が読む手記だぞ。

《テカり具合も》

 あんまシャー芯がテカっているイメージ無いよ、光沢感を抱いたことないよ。

《脆さも》

 じゃあもうシャー芯だよ、ズボンにシャー芯を刺していただけだよ。

《値段も》

 本当にシャー芯だよ、言うても股間はプライスレスだから。

《購買で売ってる》

 シャー芯過ぎるよ、シャー芯の情報を書き出すか、じゃぁないんだよ。

《文房具屋さんでぬいぐるみ売ってる文化、あれ何?》

 文房具屋さん、あるあるになっちゃった。

《二十一世紀は大体すみっこぐらしが売られていた》

 知らん情報いらないよ、まあ二十三世紀の情報もいらないけども。

《シャー芯あるあるでした》

 シャー芯あるあるだったのかよ、いや最後は文房具あるあるだったし、シャー芯はあるあるじゃなくて本体情報だったけども。

《シャー芯あるある:弾け飛んだ時、最初から探さない》

 いや最後にマジのあるあるすな。

《学校では特にそう》

 別にいいか感あるもんね、学校では。

《家の居間も探さないけども、自分の部屋だけはちょっと探しがち》

 自分の部屋だけは綺麗にしておきたいという気持ちね。

《あっ、股間に刺さってたわ》

 何で股間丸出しでシャー芯使っていたんだよ、そんな時、無いでしょ。

《何でシコったか記録しているほうだからさ》

 発露?

 これ書いていた時のウンソ、指光っていたかも。

《スポーツ新聞の下部の広告に載っていたカラーのグラビア、中根かすみ》

 誰なんだ。

 二十世紀の当時過ぎるでしょ。

《終わりだぜ》

 終わったんだ、今度手記というものが何たるか、教えてあげないといけないのかもしれない。


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