【04 テシュキ2.ウンソの歓喜】
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・【04 テシュキ2.ウンソの歓喜】
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カメダ村は颯爽と後にして、次の地へ向かうことにした。
早くオーガニック・ゴッドを倒せば、忍者の里の人間が手分けして、MUTEKIトイレを日本中に設置できるはずだから、と。
とりあえず今はオーガニック・ゴッドがいる地までの通過点にだけ設置していくことにした。
今日はウンソの二回目の手記を読む時間。どんなことが書いているかどうか、少し胸を躍らせながら読むことにした。
《新しい仲間ができたぜ》
そう言えば”ぜ”口調になるんだった、文章の時だけは。
《妻夫木哲、妻夫木聡に名前がそっくりだぜ。二十一世紀のイケメン俳優だぜ》
そうなんだ、それにしても本当にウンソは二十一世紀の文化が好きだなぁ。
《俺もイケメン俳優になりたかったぜ》
あぁ、忍者じゃなくて? まあ同じ日本でもオーガニック・ゴッドの支配が薄いところはまだそういう娯楽の文化があるもんね。
だからこそ、こっちの高次元ディスプレイでも、支配が薄い地域が放送しているドラマが見えるわけだし。
《ぱんぱんぱん》
……? 急にパン? いやひらがなだ。いやでも”あんぱん”とかはひらがなだからなぁ。
《ぱんぱんぱん》
何このぱんぱんぱんと文字だけで綴る時間。もう手記に飽きて文字稼ぎしているのかな?
《ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん、ぱんぱんぱん》
いや! 文字稼ぎ凄っ! カスの自由研究過ぎるよ! 忍者の里にこういうヤツ一人だけいたよ! それが乗り移ったのっ?
あっ、次の文字は違う文字だ……!
《出る、出るよ……出るよ! あぁっ!》
……何か、あんぱんとかだと思っていたら、別の、何か、擬音だし、配信ドラマとは違う俳優やっている……。
《というようなビデオの俳優をやりたいぜ、いわゆる男優というヤツだぜ》
いっそのことちゃんと描写せんかぁい! 知らないからかなっ? 知らないから描写できないのかなぁっ?
いやいやねっとり描写されても困るけども、この語彙しかないのなら、ちょっと人として悲しいでしょ! いやウンソは恋愛なんてする暇無かったのは知ってるけどもさ!
というか幼馴染の女子が見ること前提の手記で”出るよ! あぁっ!”じゃぁないんだよ! というか! 何だよ! ちょっと文字震えているのかよ!
ここの文字書く時、ちょっと字が震えているのかよ! じゃあすなよ! これ読まれたらどう思うだろうか、じゃぁないんだよ! 書くな書くな! 覚悟無さそうだから書くな!
でもどうしても……! でもないし! でも俺はこれを書くしかないんだよ……! でもないし! 小説を綴るしかない一般人じゃぁないんだよ! それでも書くしかないんだよ、じゃぁないんだよ!
《インクが、出た》
しょうもな! しょうもないほうに逃げやがった! ハッキリ精子って書けよ! ビビってんじゃねぇよ! あんな巨人にはビビらず戦うのに、私の手記にビビってんじゃねぇよ!
インクが、と書き終えた後の”出た”はもう字が震えていないとかいいんだよ! インクと書いて胸をなでおろしてんじゃねぇよ! じゃあやめろよ! 最初からすんなよ!
覚悟の無い下ネタとか一番ダメだから! 幼馴染の女子に嫌われたらどうしようとか考えるなよ! 下ネタを貫けよ! チンコのように破ってしまえよ! ……は、さすがに下品過ぎたか……私がこうなってしまったらおしまいだ、私は平常心ガールでいなきゃダメだよね、危ない危ない、バランス、バランス。
《(白いインクが)》
おっしゃ! 逆に悪くない! 逃げるな! 攻めろ! こういう時は攻めろ! ()はダサいけども、このまま終わるよりはマシだ!
《(黒い紙に塗る、白いマッキーのことね、マジで)》
あぁ! ちょっと逃げ出した! ダサい! これはダサさが強くなってきた!
《ゴメンなさい》
あーぁ。