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ベイラム周辺の地図を見る

腕にしがみついて寝ているユリをそっとはがし、薄暗い部屋で地図を広げた。

それをランプで照らしながら、机の周りに俺と三人が囲んだ。


なぜ地図を見たいのか、今のバシンダの状況が実際のところどうなっているのか、

自分でもよくわかっていない。


「・・それでこの街は?ベイラムだったか?ベイラムはどこだ?」

とにかく何が知りたいのか知るために質問していくしかない。


「俺たちのいる場所はここだ。これがベイラム。ほとんどバシンダ族で構成されている。」

ジャヴィが俺に教えてくれる。どうやら本当に気に入ってくれたみたいだ。ありがたい。


「と、いうかだな、サンダリアは全体的に砂漠だらけなんだ。

特に南方はオアシスも少なく、暑さも厳しい。人が暮らしていくには厳しいのさ。

俺たちバシンダは南方に追い込まれているのが今の現状さ」

続けてカイドが語る。


「南方は?じゃあ、周辺にあるこの村もバシンダ族の村なのか?」

ベイラムに近い村を指し尋ねる。


「そうだよ、この辺りはバシンダがいる地区だね。そしてこのベイラムがバシンダ最大の街だね」

続けてレイラ。


「最大?最大の街なのか?」

ベイラムの街はずれで俺たちは召喚された。この場所に来るのに30分は歩いたが、

バシンダの首都ともいえるこの街がこの現状は・・

少し違った視点で考えてみるか。


「水は?この街では水が貴重なんだろう?水に余裕がある街もここなのか?」

水はライフラインの大元だ。これも聞いておかないといけないと思う。


「・・いや、水はここだな。ここは小さいながらもオアシスがあってここで分配している。」

ジャヴィが指したのは、ベイラムよりさらに南方にある街だった。


「・・規模は3番目くらいの大きな街だよ。

さらに南方だからアルミアンもなかなか手出しできない場所だね」レイラはそう語るが、

ベイラムを含め街や村と言えそうな物は10ほどしか見えない。他には砂漠しかない。


・・・オアシスがある場所が3番目?なぜだ?

常識的に考えると、そこが最大の街になるんじゃないのか?

地理的にも外敵が訪れないならなおの事、どうしてここが最大じゃないんだ?


・・・結論。このベイラムには何かある。

ここをバシンダ最大の街にするだけの理由があるはず。


「・・ベイラムが、バシンダ最大の街である理由は?」


「・・考えたこともなかったな、生まれた時からここが最大の街だったし・・

なるほど確かに、どうしてこの場所なんだ?」カイドが他の二人をみるが、答える者はいない。

3人にとっては灯台下暗しって感じか。


「古い建物・・いや、人工物でいい。

ひょっとしたら魔法を使わないといけないような仕掛けがあるかもしれない。

この街には何かあると思う。納得できる何かが」俺は3人に思ったことをそのまま伝えた。


「・・・わかった、探してみよう。」ジャヴィがこたえる。

「・・外にいた人間にしかわかない疑問って感じだね。元からいた私たちには思いつかないよ」

レイラもカイドも関心したように俺を見る。


「いや・・たぶん・・これ、ユリを起こしたほうが良さそうだ・・

ああ・・寝てるコイツを俺は起こしたくない・・はあ・・」


覚悟を決めろ、俺。多分俺はコイツ・・・ユリからは逃げられないんだ。

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