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配信13枠目 またしても外に出てみた。


 さて、早速だが。俺が今何処に居るのか、それが分かる人は居るだろうか?まぁ、普通に考えれば答えはNOだろう。


 これ以上話を待たせるのも辛いので、正解発表といこう。此処は、とあるファミレスだ。変哲も無いただのファミレス。そこの壁際。トイレ横の隅のテーブル席に俺は座っている。


 何故、こんなところに居るのか。人の目に付く場所に居たくないのも有るが、それは後少しとしたら分かる。


「うっす。遅れたわーすまんな」


 そうして、俺の目の前の椅子に座る茶髪のイケメン。はい。脳筋プロテインこと、ミカくんです。何故か呼ばれました。呼んでおいて遅れるなよ。


 て言うか、変装的なのは無いんですか?俺とか、帽子と親友にならないと、外を歩けないってのに、コイツときたら。お前も顔出ししてる配信者だろうが。何かはしろよ。


「なぁ、犯罪者。ゴールデ——」


「ちょっと待て。その呼び方はどうかと思うんだよ。勘違いが起きちゃうだろ」


 事実、お前の言葉の所為で、コッチを見た店員が居たぞ。お前、声がデカいんだよ。偏見だけど馬鹿は声がデカい。


「嗚呼、そう?でもなぁ…見た目が…」


 そんな不満そうな顔で俺を見るな。帽子をちょーっと深く被って、マスクをなんとなーく着けているだけだろうが。何処が犯罪者だよ。いや、普通に犯罪者だな。どう見ても変質者だわ、俺。前髪が異様に長過ぎるし。


「分かった。俺が悪かった。確かに、俺の見た目は変質者だよ」


「だろ?じゃ、変質者。話を戻して良いか?」


「嗚呼、どうぞ」


「やっぱ、その前に腹ごしらえする」


 お前さぁ…話を戻すとか言ってただろうが。なんでお腹を空かしてんだよ。ファミレス集合の時点で色々察してたけども…


———

——


「ふー。食った食った」


「おう。良い食べっぷりだったよ」


 ファミレスには必ずあるメニュー『ハンバーグ』さん。そして、みんな大好き『フライドポテト』さん。最後は、なんで突然?『豚汁』さん。


 以上を食べ終わった脳筋プロテインは、満足そうに背もたれに体を預けた。豚汁はなんでなんだよ。しかも、なんで豚汁があるんだよファミレスに。


「そして、結局、なんで俺を呼んだんだよ?」


 さっさと本題を終わらせて帰る為にも、俺は脳筋プロテインを急かしてみる。案外、聞き分けの良い脳筋プロテインは、渋々と言った様に本題に入った。


「いや、旅行の予定を立てたくて」


 求む。俺を呼んだ理由。


 正直な話。俺は「あっそ」としか言えないが?俺、関係無いじゃん。なんで呼んだのさ。通話で良いじゃん。わざわざここに集合した理由よ。


「なんで俺を呼んだんだよ」


「え?お前も行くから?」


「は???」


 待て。何故、俺が行かなければならない?お前の旅行だろ?1人で行けないのか?って言うか、毎年1人で行ってるだろうが。


「なんで俺が?」


「カメラマンが欲しいから」


 成程。動画撮影でもする訳だ。まぁ、確かに実写動画を上げたいって、ぼやいていた時期もあったな。まさか、忘れてなかったとは。


「嫌だ。身バレしたく無い」


 何故なら、俺は自分の命が尊いから。まだ散らすには早いかなって。人生、後悔とやり残したばかりなんでね。


「その格好で行けば良くね?」


「うわ。ご尤も。反論の余地無し」


 こんな馬鹿に言い負かされてしまった。それに、コイツ。さも当然の事の様に言い放ちやがった。思い付かなかったがだけに悔しい。


「因みに、拒否権は?」


「無い。給料分は働いて貰わないとな」


 おい!そんなにちゃんと答えるなよ!キャラが崩れてるぞ!『拒否権』だなんて言葉!お前が知ってる筈が無いだろう!俺を愚弄するな!


「まぁ、良いか。お前、金払いは良いからなぁ……それで?何処に行くのさ。それ次第では、法廷で会いましょう案件」


 北海道とか沖縄とか言ってみろ。全力の助走をつけてお前をブン殴る。まぁ、鍛えてるお前にはノーダメージだろうが。それでも俺はやるぞ。


「草津。一緒に風呂入ろう」


「アホか。誰がお前なんかと」


 お前の身体は見飽きてんだよ。これ以上、脳のメモリーをお前の身体に割けるか。それに、温泉とか絶妙に渋いんだよ。普通はハハッ!でお馴染みのネズミとか、ユニバーサルなスタジオとかじゃないのか?


「あっ。そうだ。同行者が1人居るから」


「誰?」


 相手次第ではこの話は白紙だな。まぁ、俺と交流があるのは前提なので、基本的に白紙確定になりそうだけど。コレくらいしないと俺の命が終わるし、仕方ないよね。


「アイツ。青」


「うわ、なっつ。久し振りに聞いた。その呼び名」


 青髪だから呼び方が青。脳筋プロテインの中高の同級生で、寮では隣部屋だったからか。彼とはよく話した記憶がある。


 そう言えば、彼も結構イケメンだったなぁ…絵を描く上で、幾らかお世話になりました。ありがとうございます。


「え?そもそもの話。お前って、青くんと今も連絡取ってたんだ?」


「まぁな。今は在宅の仕事をやってるんだって」


 へー。確かに賢そうな見た目″は″してたし、在宅でも出来る職業に就いたんだ彼。かなり失礼だけど、あんな高校で脳筋プロテインと一緒に留年してた人だし、そんな仕事に就けるだなんて思いもしていなかった。いや。めっちゃ失礼だな俺。


「まぁ、青くんなら良いかな。少なくとも、俺の事を漏らしたりしないでしょ」


「そう言えば、お前は大変な事になってたなー」


 呑気だなコイツ。友人の命の危機に対して、あまりにあっけらかんとした態度過ぎでは?お前と友人でよかったのか、不安になって来たぞ。俺は。


 まぁ、給料は良いし。助ける事のが圧倒的に多いとは言え、助けられた事も少なくはないからな。その辺り、別に文句は無いな。うん。


「それで?何日から何日まで行くんだ?」


「ゴールデンウィーク中の4日間くらい」


 うわ。とても人が多そうだなぁ…まぁ、別に良いか。伸びた前髪のお陰で、俺が俺Bだと勘違いされる事もないだろうし、少なくとも、温泉に入る時は男だけだし、男はあまり俳優とかに興味無さそうだし、まぁ、その点は大丈夫そうだな。


「その間、配信はどうするんだ?」


「動画は上げるし要らんだろ。4日分の編集。頑張れよ」


「俺は貴様をムッコロス!」


 簡単に言ってくれるな?編集って結構時間と体力を奪われるんだぞ?気付いたらエナドリが3缶くらい冷蔵庫から消えてる。


「あっ。そうだ。ホテルも頼んだ」


 お前…誘っておいてソレはないだろうよ。俺、編集者じゃなくて秘書だったか?今度から秘書って名乗るぞこの野郎。


 それに、ゴールデンウィークって後3週間程度だろ?無理だろ。ホテルが空いてる訳ねぇよ。


「俺は秘書か。予算は?」


「どうでも良いぞ。3人分頼んだ」


「金持ちは言う事が違うねぇ…」


 めちゃくちゃ良いホテルにしてやろ。知ってるか?テメェを労わるのは、いつだってテメェ自身なんだぜ?


———

——


「じゃ、俺は帰るぞ。チャオ〜」


 やっぱ、来た意味は無かったな。通話で済んだ話だった。さっさと帰って、配信の時間までゲームでもしてようっと。厳選要素のあるゲームは、基本的に時間が物を言うからな。


「どこ行くんだ?まだ終わってないぞ」


「は?」


 何を言っているんだコイツ?用事は終わっただろうが。まさか、別の用事があるとか言い出さないよな?頼むからそう言うのはやめてくれよ?


「買い物に行くぞ」


「筋トレグッズか?悪いがそれはまたの機会だ。そうだな、80年後くらいが良い。その頃には、両方棺桶の錆だろうからな」


 どうせ、ダンベルとか、ダンベルとか、ダンベルとかだろ?箸より重い物を待ってたまるかよ。俺が絵を描けなくなっても良いのか?良くないに決まってるだろうが。


「服だが?旅行に来て行くのに必要だろ」


「…?普段着てる服で良くないか?」


「なんで?どうせ旅行に行くんだし新しいの買わない?」


「???」


 俺の知らない世界がそこにはあった。どう言う世界なんだよソレは。俺がおかしいのか?いや、俺はおかしくないよな?コイツと信じる常識が違うだけだよな?


「だって、変質者って服あまり持って無いじゃん。今日だって、ボロっちい黒いスウェット着てるだけだし、昼間からパチンコ打ってそうな見た目してるぞ?お前」


 ちょ、おまっ…!スウェットを馬鹿にするなよ!スウェットはなぁ!スウェットは!スウェットは…?あれ、思ったより言い返す言葉が思い付かない。オシャレな人が着るとめちゃくちゃオシャレな服なのに。


「あっ。買い物って俺の服なんだ」


「なんでわざわざ俺の服を買うんだよ」


 うーん、確かに!言い返す言葉も無い。


———

——


「うわ…目線を感じる」


 なんで、問題しか起きなさそうな新宿を選ぶかなぁ…お前みたいなイケメンが居たら、隣の俺まで目立つだろうが!後、変装くらいしろ。お前、分類上は有名配信者だぞ。


「ちょ、おい!何すんだよ!俺、帽子嫌だ!」


「ガキか。黙って被れ。目立つんだよお前は」


 この長い前髪に感謝。風が吹かない限り、俺が俺Bだと思われる事も無い。そして、此処は店の中。つまり風は吹かない。勝ったな。風呂入ってくる。誰か、俺に敗北を教えてくれ!


「あっ、お前の頭にゴミが」


 そうして、俺の頭に手を伸ばす脳筋プロテイン。俺は慌ててその手を止めるが、無駄に力が強い所為で、両手が必要なの中々にウザい。


「お前!ソレェ!洒落になんねぇからな!?」


 やっぱ、敗北とかどうでも良い!我が命が最優先だわ!落ち着いてくれよ!最悪、お前も被害を喰らうんだぞ?私は爆弾よ。


「んだよ。つまんねぇ野郎だな」


「ブン殴るぞ。俺は司法なんて怖くねぇ」


「店員さんが見てんぞ」


 俺がそんな事気にするタマに見えるか?嗚呼、めちゃくちゃ気にするよ。やめてくれ。炎上だけは避けなければ…


「あっ、店員さん。丁度良かった。コイツに合いそうな服1種類ずつ全部くれ」


 お前ぇぇぇ!!!なんて注文の仕方してんだよ!金持ちか!?まぁ、高校の時から何も変わんないし!実家すらも金持ちなんだろうけども!


「お、お支払いは?」


「クレジット一括で」


「アニキ…!」


 カッケェス!一生ついて行きます!コイツの秘書って、馬鹿みたいに割がいいなぁ!コイツと仲良くなって正解だったぜ!


———

——


「あぁ…疲れた…」


 アホみたいに荷物が多い。両手塞がるって中々だぞ。それに、袋を持つ手が痺れるわ、疲れるわで家に帰るまで大変だった。


「さっさと風呂入って寝てやろ…今日は配信お休みだわ」


 そうと決まれば、お風呂にお湯を溜めて、暫くは身体を休めるとしよう。ついでに、配信お休みのお知らせもな。


「ん?」


 おや、コレは何かな。なんか話題になってそうな呟きが。何々?「新宿でミカくん発見!」だと?


 うわっ!バリバリ写真に撮られてんじゃんアイツ。カワイソー。俺はモザイクかけて貰ってるお陰でノーダメだわ〜良かったな。脳筋プロテイン。お前は人気者らしいぞ。


 まっ、コレが俺を遊びに誘った人の末路と言う事でね。激しく燃え上がらない限りは無視でいいだろ。実際、特に問題にもなってないし。


「お風呂が沸きました」


 なんか早くね?まぁ、早い分にはいいか。そんじゃ、俺は風呂でゆっくりしてますかね。今日は何もしないって決めたんだっ!


 その後、俺がいなくなった部屋で、スマホに大量の通知が入っていた。それを、俺が知っても知らなくても多分変わりません。何故なら、俺にソレを止める力なんてないのでね。ハハッ。


 とは言え、何かしらの反応をしていれば、何かが変わったのだろうか?いや、俺の立場じゃ何も変えられないだろう。


 しかし、今となっては、後悔は積み重なる物だと思い知らされた気がする。なんせ、俺が動いていれば防げた事態かもしれないしな。



 さて、またしても1日投稿してませんでしたね。ですが、明日からは一章終わりまでは、毎日投稿に戻ると思います。


 と言うのも、執筆する時間…所謂、自由時間が今までより多く確保出来そうだからです。


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