妄想の帝国 その78 ニホン分断記念日
ハチャメチャな政策、企業の腐敗、堕落ほか感染症対策の大失敗、そのあげく破綻したニホン国。そして政府、首都の連中は貧しいとされた地域を見捨て、ニホン国は分断。そのあと、地方地域は連合国をつくったが…
“エー、本日は雪の中ですが、ニホン分断記念式典を開催します。
皆様、ご存じのように20XX年、時のジコウ党政権によりニホン国が破綻しました。まあ、金もないのに武器を買い、大国に媚び売って、傭兵のまねごとを政府のトップがするようですからねえ。自分たちの世襲政治の安泰、自分たちの利権が保護されりゃ、国民が飢えようが、寒さで苦しもうが、災害で復旧もできなかろうが、どうでもいいってわけです。だいたいロクに実績もない息子をいい地位につけて、自分のそばにおき、外遊にもつれていって、税金で観光させるようなトップですからねえ。ホント、どうしようもない奴らです。
そんなニホン国はどんどん庶民が暮らしづらくなっていきましたよ。キジダダが防衛費増額―などとのたまったころは、もう酷かった。なにしろ気候変動が酷くて物凄い寒さで豪雪があったかーい九州まで降りまくった年でした。そんな中光熱費が値上がり、食料品や日用品の値上がりもすごかった。それなのに給料は上がらない。大企業はいろいろな税、優遇されて内部留保、つまりため込みんでたのにですよ。国産ナンチャラの開発にとん挫してばかりで、技術力もダダ下がり、下町ナンチャラ―ととか宣伝してても実践でまるでつかえないスポーツ用品とかを作っちゃって、ニホンスゴーイとかナショナリズムというか、ナルシシズムに浸ってたんですから。まー新聞とかテレビとかで、ほっとんど指摘してなかったから、私もあんまりよく知らなかったんですけどねえ。マスコミも大企業だから、そういう都合が悪いことは言わないのよ、って奥さん、いえ連れ合いがブツブツ言ってったんですけどね。
しかも、若者がどーんどん海外に行っちゃった。給料が安いうえに、円安も相まって、海外で働いたほうがいいってことになったんですよ。特に手に職というか技術を持つ人。その中でも、看護師さんとか介護士さんとか、女性。まあ、当たり前ですよね。女性の給料が安く抑えられてたし。それなのに、男性以上の働きやら役割を押し付けられる。そんなとこは逃げますわ。それも政府の悪いとこの一つなんですよ、男女平等とかそういうのをスゴーイ嫌がってましたから。隣国のカルト宗教と票欲しさに癒着して、家族が大事といいながら、それって自分の、特にオッサンたちに都合よく振舞ってくれる家族が大事であって、自分の連れ合いや子供の幸せなんてどうでもいい、自分が気持ちよくなる道具になってくれる家族が大事っていう家族観を推し進めてたんですから。ま、メスを大事にできないような種滅びちゃうんですよ。だってホントはメスのがズーッと偉いんですから。いや、真面目な話、私、毎日、連れ合いに感謝してますよ。家事とかロクにできない私に対し、“ニホン国の男の人はそういう教育を受けてなかったからねー、でも今からでも覚えなさいねー”と教えてくれてるんですから。焦げたご飯も、出汁入れ忘れた味噌汁もなんとか食べてもらってるんですから、あとで醤油たされてたりしますけど…。
あ、話が脱線してしまいまして申し訳ありません。
そんなんですから、出生率はどんどん下がり、少子化はますます進みました。まー、当然ですよね。若い人がどんどんいなくなる。給料が安いので、結婚できない、その余裕がない。特に女の人は結婚したくないっていうか、できないですよ。仕事に家事に育児に介護、しかも自分の親だけでなく夫の親までという超重労働。えっと、なんていうんでしたっけ、そう、無理ゲ―、絶対に攻略できないゲーム。そういう羽目に陥るなら、いっそシングルマザーでって思いますよ。いや、うちの奥さん、いえ連れ合いもそう思ったことあるらしくって、政府がもう少しひとり親に対して、いわゆる婚外子に対してマトモに考えてりゃ、出生率増えてたのにって憤慨してましたよ。考えてみりゃ、産んで育てる環境整備すれば、女の人って産みたい人はやるんですよ。フランスとかそうですし。両親そろって子供二人―とか住宅メーカーのありえない理想家族みたいなのにキジダダとかジコウ党とかがこだわりすぎたんですよ、まあ、キチガ…いや、へんな宗教と一体化してたとか、その理想家族像が自分らにとっては居心地がいいとかもあったんでしょうけど、だからって国民の実態を無視して自分らの好みで政策を行っていいってことじゃないんですよ。
で、結果的に税収は減り、若者は減り、女性は減り、それなのに防衛費だの建設費だのは上げ、大企業は優遇、その下の中小企業は倒産大激増。まあ、インボイスですか、あーいうのやったからですよ。消費税預かってるのに払わないのはオカシイっていう話もありますが、あれ、ホントは中小企業預からなくてもいいんですよ。だって―消費税法には商品を売った方が預からねばならないとは一行も書いてないんです。消費者が自主的に計算して申告したっていいんですよ。だいたい給料とかはそうしてますよねえ。まあ、サラリーマンとかは源泉徴収という一種会社が確定申告代理でやってくれるーみたいな甘やかされた制度のおかげで、自分で申告しなきゃっていうのがないから、よくわからなかったですけど、私も。そして、そもそも消費税導入の際、中小零細企業はたちゆかなくなる、お客さんから税なんてとれないよーと絶対反対だったのに、政府の方があんまり小さいところからはとりません、売上三千万以下は免税、五千万以下は簡単計算の簡易課税にするからといって説得したという経緯があったんですよ。それなのに、その約束を反故にして売り上げ一千万とハードルをあげ、ついに実質全員消費税はらえっていうインボイス制度導入。預り金だからっていいますけどねえ、実は消費税は預り金じゃないんですよ、最高裁がそう言ってます。預り金的性格だが、厳密では預かりじゃないそうです。も―何だかわかりませんよね、私もわかりません。絶対にあずからなきゃいけないってわけじゃないなら、消費税うちはとりませんって個人の店とかいちゃったっていいですよね、でも、それはダメなんですって。おまけに輸出業は戻りがある、大企業はたくさん輸出してるから還付がすごすぎて、税務署が赤字になるくらいだったそうですよ。例のニホン国の自動車会社、トがつくあれのとこ。でも受け取るのは直接輸出する大企業で、それに部品納めてる下請けには還付の恩恵無し。なんか、変な制度ですよね。
そんなんで、一部の企業、政治家だのはいいけど、庶民は苦しむ、だけど政治家となあなあのマスコミはその問題を指摘することもなく、国民に対し、目くらましの記事だの情報だのを与え続ける。ま、私もグルメ番組とかに惑わされた口なんで大きなことはいえませんけど、連れ合いからさんざ、“アナタっておいしいもの食べれればどうでもいいんでしょ、正直、国民主権を奪われようと、グルメできれば何にも言わないと思うわよ、まったくショーがない人ねえ”といわれてました。そういう人、私だけじゃないと思うんですけどね、感染ひろげかねない、トラベルキャンペーンにのっかりまくった人がたくさんいましたしい。
ああ、ウイルスのこともありましたね。マスクをやるだのやらないだの、まーったく科学的根拠なく、外国の雰囲気で決めちゃうんだから、どうしようもありません。クルーズ船の失敗からなんも学んでなかったんですよ。まー対策本部のお偉いさんが最初から大間違いをやらかして、野党の政治家をはじめ何人も犠牲になっているのに、その誤りを正さないうえ、そのまま、そういうオカシナお爺さん御用学者を重鎮に据えてたんだから、対策がマトモに行くはずがありませんよね。で、マスクが何のためなのか、わかってないのに、マスクしなくていいなんていっちゃったから、また、感染が広がりました。
そして、高齢者が犠牲になりました。まー年金暮らしの人が多いからちょうどいいなんてひどいこと言ってたが学者もいましたが、結局、まわりまわって、ついに政府だの大企業のお偉方にも報いがきました。まーわかりきったことですよね。だって、ほら、ニホンのトップってなぜか、高齢のオジサンばっかりだから。しかも生活習慣病とか感染症にかかりやすく重症化しやすい人が多いから。それに、どんなに気を付けたって、ウイルスは侵入してくるんですよ。しかも、貧乏な人を総なめにして、どんどん進化した最強のウイルスが、ついに政治家どもを襲ったんですよ。総選挙があった、あの年。後援会だの、資金集めパーティーだのでマスクしないで同じ皿をつつきあい、赤ら顔でビールのコップに唾をとばしながら大声で話すようなことがあちこちでみられ、そして、あっという間に皆さん感染です。
もう、そのころは医療機関はすっかり疲弊。現場で頑張ってきた優秀な医師や特に看護師さんはニホンからほとんどいなくなっていました。そりゃそうですよね、まったく報われない。ロクに休みも取れず、給与も低く、目の前の患者は亡くなっていく。そりゃ心が折れてどっか行きたくなりますわ。で、大物政治家たちが入院した先はというとウイルス感染患者を受け入れたように誤魔化して、実践経験がまるでない大病院でした。当然ながら、病状はよくなるどころか悪化の一途、オッサン政治家はせき込んで苦しみまくり。ま、死者はすくなかったらしいですけどね…ここだけの話、あの口の悪すぎで実際口がひんまがったアトウダさんは苦しみまくって、そのあげく逝っちゃったときは、ちょっとザマアミロとか思っちゃいまして…、あ、やっぱり皆さんもですか、そうですよねえ、あの人ホント、老害そのものでしたよ。
あ、また脱線してしまいました。そんなこんなでヒドイ状態が続き、政府も混乱し、治安が悪くなり、外国からの実習生、実質出稼ぎ労働者、これがまた…いや、また話が逸れるので、実習生のことはおいといて、…彼らもニホン国にこなくなって、農業、建設業、魚の加工やタオル業界他つぎつぎダメになりました。それだけ安い労働者に依存してたっていうおっそろしい話で、人を、弱者を、若者を、女性を潰すような国だったんですよねー、あ、また言っちゃった。話を元に戻します。そして、ついに通貨破綻ですよ、デフォルトってやつ。ニホン国は大混乱です。
それで政府がどうしたかというと、なんと、ニホン国の裕福そうな地域、首都トンキョーと、自称第二首都のオーサカとか金持ちのとこだけが、新ニホン国、他はどーでもいいってことにしちゃったんです。貧しいとこは切り捨てて自分たちだけ生き残ろうってしちゃったんです。他45府県は大混乱ですよ。キョートはやっぱり、あの東の連中はトップにはふさわしくない奴らだからーと周辺県と協力し、なんとかやっていくとか、ポッカイドーなどはもう農業がすごいから自給できるはなんとかやったるわで独立、いわゆる北関東も同様、トンキョーにあこがれてたチバン県、ドサイタマ県などもさすがに呆れ、関東連合国を一緒に作っちゃいました。当面の頭はカナンガワ県がやるってことで一応収まりはつきました。まあ、それも一時的だとおもいますが、それでも、ちょっと鼻が高いですよね、間に合わせでもトップですから。他でも、もー自称ニホン国の首都トンキョーの奴らなんてどうでもいいわ、ってことで、各地域でなんとか独立連合を作っちゃいました。
で、結果ですが。結局トンキョーとオーサカが一番ダメになりました。そんなことわかりきったことだったじゃないって、うちの奥さん、いや連れ合いが言ってましたけどね。考えてみりゃ、富裕層とか言ったってニホン国いたからこそ、富裕層なんですよ。しかも円もってるだけ、潰れた国の通貨ですよ、もってたってしょうがないじゃないですか。つまりはあの連中はニホン国のなかで威張ってただけです、マスコミだの御用学者だの、がもてはやしただけで、実際はそーんなにスゴイわけじゃなかった。しかも産業ってものがないんです。いや、下町の業者の技術はって言いますが、前にもいったように実はたいしたことない、凄いとこはどんどん条件のいい諸外国に行っちゃったりしましたし。技術あったけど値上げにインボイス制度で潰れたってとこも多かったし。もうニホン国が分断したときにはロクなところがなかったんですよ、政府や大企業にいいなりのとこでそこは案外技術がなかった、あったけど世界で売れるものがつくれなかった。つまりガラパゴス。そんなところが栄えるわけないじゃないですか。ドル建てて資金があるといっても、それを食いつぶしてしまったんですよ、早々に。なにしろなんでこんなことやるの政策を反省もせずに続けてましたからね。今じゃ、われわれ関東連合に金の無心をするぐらいで。
おっと、もう時間ですね。そんなこんなでニホン国分断しましたが、結果的に我々関東連合も、北海道東北連合も、他、あの自称首都といってるあいつら以外、なんとか上向きになり、結果的に良かったですね、っていうわけで分断記念日を祝いましょう。
男女平等、LGBT、若者、外国人、高齢者、オッサンもオバサンも子供もそれなりに、のびやかに、楽しく生きられる連合ばんざーい、
これにて関東連合、ニホン分断記念日祝典挨拶を終わります“
どこぞの国はいったい滅びたいのか生き延びたいのか、さっぱりわかりません。自分たちの都合のいいことばかりの国がいいんだという幼児のような連中ばかりがトップなのかもしれないですが、それに付き合わされる国民はたまったものではないですよねえ。