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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまとサタンの城1

 

「ちびっ子の城だなんて嘘でしょ?」


 まぁメリーが半信半疑なのは当然で、俺自身こんな巨大な移動式の城の主人だなんて信じられない。

 あと、そもそも疑問が湧いた。三百前暴れていたサタンと今の俺が同一人物なら、高校生と生きた神崎英太とは何者なのか?

 考えられるのはただ一つ。俺はサタンの生まれ変わりかも知れない。


「貴女はこの城について記憶はある?」


 聖女さまが城を指差し俺に聞いた。それが分かるはずがないから首を横に振ると『そうなるとやはり行く選択肢しかないみたいね』と言って先頭を歩いた。


「ちょっと待った!」


 ガブリエルさんが聖女さまを呼び止めた。

 彼女は政府広報の朱雀と名乗っていたけど、その正体は大天使ガブリエル。俺たちは大天使さまと普通に会話しているのが凄いことだと思った。


「サタンを先頭にして歩かないと、この城の防衛機能に引っ掛かって死ぬよ」

「ちょっと早く言ってよ!」


 メリーが俺の背後で叫んだ。全く幼女の背中を盾にするんじゃないよ。

 とはいえ確かに砲台が一斉に俺たちに向いていた。


「サタンちゃまを先頭にすれば回避出来るのですか?」

「そうだ。悪魔城は主人であるサタンを確認したら、一緒に行動する者全て手下と認識して攻撃して来ないんだ」

「なるほど……」


『にゃっ!』納得した聖女さまが俺の背中を押して前に立たせた。

 幼女を盾にするのは納得いかないけど、城に主人と認識させるために仕方ない方法だ。ただ約一名『ちびっ子の手下ぁ?』と言って納得しない女がいたけどね。


「最後に、この辺りに魔物は出没するのかしら?」

「いえ、悪魔城の防衛機能のおかげでネズミ一匹近づけない環境さ」


 聖女さまに念を押されたガブリエルが説明し肩をすくめた。


「でも、その割にはゲート周辺では厳重な警備ね?」

「……それは不測の事態に備えてだ」

「そうですか……くれぐれも不測にならないように願いたいですわね」


 悪魔城に手が届く位置まで来た。

 しかし船底の位置で入り口は遥か上で階段もないのでどうしたものか……。


「空飛べればねぇ……」


 聖女さまが呟くと、チラリとエイトさんの顔を見た。すると意図が分かっちゃった彼女は顔を背けた。

 あ〜飛べない仲間を上まで運ぶのが面倒なのかな?


「お前も手伝うのだ」

「え〜っ仕方ないわね〜……うふふ……メリーちゃん危ないからじっとするのよ」

「えっ!じょ〜だんじゃないわよっ指名しないで!」


 メリーは紅蜘蛛から逃げてエイトさんの元に逃げた。それでまぁ結局登り階段を見つけ飛ばずに甲板まで行けた。


「城に穴が空いている」


 気づいたメリーが指を差した。甲板の上の城の部分にはなにかがぶつかったような、大きな穴が空いていた。恐らくこの城が墜落した原因なんじゃないかと想像出来た。


「とにかく中に入って真相を確かめましょう」

「にゃっ!?」


 俺の背中を押す聖女さま。先頭歩いて引っ張れないから押すしかないのは分かるが、子供が大人の盾にされてるようで実に不愉快だ。


 人専用の入り口があって近づくと自動でドアが開いた。それはまるでSFの宇宙戦艦のドアだ。


 艦内は円形状の通路に各部屋があって上下に行くにはエレベーターで移動するみたいだ。

 多分だけど最上階はブリッジで問題はクエスト目標の研究室がどこにあるかだ。

 ここは知ってそうなクレナに聞きたかったけど、現在負傷していて呼び出すことが出来ない。


 俺が悩んでいるとうしろから肩を叩かれた。


「にゃっ!」

「にゃあじゃないわよちびっ子。研究室がどこにあるか分かってるの?」


 振り返るとメリーに鼻先を指差された。お前以前っ松川に指差されてキレてたよな……どうやらこの女は都合悪いことは忘れるらしい。


「分からにゃいから困ってるにゃ」

「肝心な時にトコトン使えないちびっ子ねぇ〜」

「にゃっ……」


 そこまで言わんでも……。


「それならブリッジに行って調べれば、研究室の場所が分かるかも知れないのだ」


 いつも眠そうかエイトさんが珍しく冴える提案をした。その案に皆異議はなかった。

 それで俺がエレベーターのスイッチを押そうとしたが、なんと高い位置にあって手が届かない。

 ちょっと困っていたら足元の床の一部が上昇して丁度スイッチが押せる位置で止まった。


「コレってちびっ子専用上昇床ブロックなんじゃ……」


 メリーが呟いた。

 おっしゃる通りそんな気がする。そうなるといよいよこの城の主が誰だか確信めいて来たな……。


 エレベーターは地下三階、地上七階とかなりデカい船だ。それでとりあえず最上階まであがった。


 七階にあがると通路があってその先に扉が閉まっていた。恐らくその扉の先がブリッジだ。

 俺が近づくと扉が自動で開いて全貌が明らかになった。


 全面にモニター付きの椅子が半円にズラリと並んでいた。多分オペレーター席だな。そして中央に艦長席と言うよりか、金銀宝石装束の豪華な玉座が設置されていた。

 メリーが『サイズが違い過ぎるけど、ふんぞり返って座ってそうね』と感想を言った。それは椅子がデカい割に俺がちびっ子だからか?

 まぁ、彼女の指摘通り多分サタンの席だ。なんだか恥ずかしくなってきたぞコレ……。


「おいおいっ三百前だぞっチリ一つ落ちてねーし。多分計器生きているぞオイ……」


 谷川シェフが感心しながらオペレーター席のキーボードをいじった。


「字は良く分かんねーが、おっ!モニターが起動したぞ!」


 丁度艦内の地図が表示されたから運がいい。最初闇雲にキーボード押すからミサイルでも発射されないか焦ったよ。

 そして谷川シェフが画面を覗き込む。


「おっ!研究室はブリッジの真下だ」


 つまり六階にあるらしい。

 俺たちは早速エレベーターに乗って六階に向かった。


 六階に降りると、いくつか部屋があって中央に一際大きな扉があった。皆と顔見合わせ相談した結果。研究室がそこだと意見が合った。


 それで例のごとく俺は先頭を歩かされて扉の前に立った。まぁ仕方ない。主人以外が先頭を歩いたら、警備システムが発動してマシンガンやらレーザービームで蜂の巣消し炭にされかねないからな。


 扉のプレートには悪魔語らしき字で書かれていたが、もちろん読めませんでした。でも、記憶が戻ったら読めるのかな?

 別に読めても嬉しくないけどね。


 俺が扉に触れるとドアが自動で開いた。


「にゃっ!」


 俺は恐る恐る首を突っ込んで中を覗くと、研究機材やガラスカプセル培養器などが並んだSF作品で良くみる研究室だった。


 ここもチリ一つ落ちてなく、機械が今も作動しているまるで現役の研究室に見えた。

 結構広く培養器が並んだ室内を奥に進んで行くとその先に、白衣を着た誰かが椅子に座ってキーボードを叩いていた。


【 カタカタカタカタカタッ…………… 】


 肩まで銀髪を伸ばした女性だ。その彼女がキーボードをタップするのをやめて椅子を回転させ正面を向いた。

 凄く綺麗な顔の大人の女性で角も翼も生えてないから一見人間に見えた。しかし、顔の右半分が機械になっていたのが特徴的だった。

 なんと言うか、マッドサイエンスト的な印象だな。そんな女性が俺の目を見つめるとお辞儀をした。


「良くぞ復活なされたサタン様。このギジェル。三百年間死なずにたった一人でこの研究室でお待ちしておりました」

「にゃっ……」


 どうやらこの怖い美人さんは、俺に忠実な部下らしい。


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