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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまと沖縄クエスト5 海上でガチャを回す

 

 今日は晴天だけど風が強く波が荒い。

 そんな悪コンデションの中、メリー救出のため谷川シェフと紅蜘蛛とエイトさんが海に潜った。

 しばらくして谷川シェフが海中から飛び出し宙を舞った。


 ほうほうの体で戻ると、船端にしがみついて船上にあがった。そして背負っていたタンクを外した。

 その重装備は戦いには不向きみたいだ。


「いやぁ、コイツはヤベえぞ……」


 その場で胡座(あぐら)をかいて、ウエットスーツの半身だけ脱いだ。


「他の皆は?」


 竜神さまが聞くと谷川シェフはとりあえずタバコに火をつけた。

 ちょっと気になる点。

 相手はちびっ子だけど神さまだぞ。だからよくタバコ吸えるな。


「それがよ、助けに入った二人が魔物の足に捕まって海中に引きづり込まれた。で、俺も捕まったんだけど、この通り放り出された」

『ほう〜それはどう言うことじゃ?』

「どうって、すぐに分かるぜ」


 谷川シェフは海面に向かってアゴをシャクッた。


「おいでなすった。この海域の主だ!」


 ウエットスーツを脱いで海パン一丁になった谷川シェフがモリを握って立ちあがった。

 その視線の先の海面が泡立ち水しぶきがあがるとその正体が現れた。


 この漁船よりデカい真っ赤な巨大なタコだ。

 うねうねと動く触手にメリーと紅蜘蛛とエイトさんが捕まっていた。


「なんでにゃっ?」


 メリーはともかく、天使騎士二人が捕まり意識を失っていたのは以外だった。

 すると隣に寄り添っていたクレナが『恐らく麻痺毒でしょう』と言った。


『しかも女好きのエロタコじゃ』


 竜神さまの一言を聞いた谷川シェフがなるほどと、自分がタコに放り投げられた意味を知った。

 しかしエロタコだからこそ、メリーが食べられずに済んだと言える。


『さて、どうやって三人を助けるかじゃな……』

「にゃっ!」


 竜神さまがチラリと期待するような横目で俺を見た。

 まさかここでガチャしろと?

 いやしかし、船の上では不味いし……海面だと海の底に沈むし……出来れば小島みたいな安定した場所が有れば……。


「にゃっ!」


 目の前に安定した場所があった!

 それは巨ダコの頭だ。

 そこならカプセル自販機を呼び出せる。


「来るにゃっ!」


 空に向かって小さな両手をかかげた俺はガチャスキルを発動。丁度タコの真上にカプセル自販機が出現して急降下した。


 ドスンッ!


『ギュッ!』


 巨ダコの頭に軽自動車サイズのカプセル自販機が直撃した。その重量の衝撃たるや、脳しんとうを起こした巨ダコの動きが止まった。


「今だ船長っ船を動かしてくれっ!」

「あいよっ!」


 谷川シェフに言われた船長が船を前に進めて巨ダコに接近した。

 コレでガチャを回せる。


 現在の魔力が1000だから50回場回せるけど、場所が狭いからそんなに回せないないな。

 だから試しに数回回して見るけど、上手く水属性の悪魔を引き当てればいいな。


「たのむにゃ……」


 ガチャガチャッ……


 願いを込めて一回目のガチャ。

 引いたのは星1のレッドデビルだった。そして二回、三回と引いたがレッドデビルばかりが出た。


『お主……肝心な時に引きがないのう……』

「にゃっ!」


 うしろから、まさかの竜神さまが煽ってくる。

 一方クレナたちは『頑張ってください』と応援してくれるので俄然ヤル気が出る。


 そこで俺は願いを込めて四回目のガチャを引いた。


 ガチャガチャッポンッ!


「にゃっ!」


 エメラルド色の綺麗なカプセルが飛び出した。以前モスマンを引いた時と一緒のカプセルだ。

 つまりレアリティは星4だ。


 パカッ!


 開いたカプセルから新たな悪魔が現れた。


「いやぁ〜ようやく出番が来ましたな」


 サングラスを掛けた青いイルカが言った。


「にゃっイルカ!?」

「おっ!これはこれはサタン様じゃないですか?」

「にゃっ!」


 俺に気づいたイルカがサングラスを外すと、つぶらな瞳を向けて声を掛けて来た。

 額に角が生えている以外は普通のイルカにも見えるが、流暢(りゅうちょう)な日本語で会話出来る水属性悪魔だ。


「いやぁ〜ワタシを引き当ててくれて嬉しいですなぁ〜……えっと、サタン様聞いてますか?」

「にゃっ!?」


 平然と船に乗って来たイルカ悪魔に俺は呆気に取られ、彼に声を掛けられ正気に戻った。


「え〜サタン様はワタシの名前覚えてらっしゃいますか?」

「にゃっ!?」

「……悲しいなぁ〜忘れましたか……ワタシの名はデビルドルフィンです。お忘れなく……」

「にゃっ!」


 誰でも思いつきそうなイルカの名前に俺は逆に驚いた。


「しかしサタン様は運がいい。なにせ海において、このワタシを引き当てたのだから」


 デビルドルフィンは背中に乗れと言わんばかりに、うつ伏せの姿勢で尾びれをあげた。

 気持ちは嬉しいが、俺が乗ったところでなんとも出来ないな。

 だから俺は白羽の矢を彼女に向けた。


「クレにゃっ!」

「……仕方ありません……サタン様の命令とあれば……了解しました……」


 クレナが嫌そうにデビルドルフィンの背中にまたがった。ヌメヌメするオスイルカの背中に乗るのに抵抗があるのかな?

 すると彼は『君っ……ひょっとして嫌なのかい?』と聞いてきた。


 イルカの彼なりにそこは気にするんだ……分かるよ。その気持ち。


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