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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまと沖縄クエスト3 魔界行商人からのプレゼント

 

「ちょっとなんなのよ。この変質者は?」


 怖い物知らずのメリーが魔界行商人に喰って掛かった。


「オーケー!失礼な小娘だ。ちょっと黙れ」

「ひっ!」


 行商人が立ちあがって見おろし赤い目で睨んだ。するとメリーはビビって聖女さまの陰に隠れた。

 なにせ身長が2メートル以上あるから威圧感が凄い。しかも、彼の話が本当なら、千三百年以上生きている人間じゃない。なにかだ。


「詳しい話を聞きたいわ」

「ほ〜う。アンタから私に質問とは珍しいな」

「……悪いけど、貴方とは初対面ですからその返しは間違ってますよ」

「ハハッ!確かになっ!」


 身も蓋もない聖女さまの指摘に魔界行商人は愉快そうに笑った。そして彼女の正面に座ると凶悪な眼光を向け、ニヤリと口元を歪めた。


「オーケー、言える範囲なら質問にお答えしよう」

「……では、何故魔王討伐で勇者に先を越されてはいけないのでしょうか?」


 ここにいる誰もが思っていた疑問だ。

 勇者と共闘して一緒に魔王やっつければ早く済むと皆思っていた。でも、天使のエイトさんは勇者より先に魔王討伐しろと勧めた。

 その疑問を人ならざる。なんでも知ってそうな魔界行商人が答えてくれそうだ。


「オーケー答えてやる」

「……」


 聖女さまが黙った。一々偉そうだからな。


「魔王は神の血を引く者ではないと完全に倒すことは不可能なのだ」

「それはつまり、勇者は神の血を引いてはいないとおっしゃるのですか?」

「イエス!確かに現在覚醒したばかりの勇者は伝説の勇者アルベロート・ニルフィの血を引いている。がっ……」


【 勇者アルベロート・ニルフィ 】 異世界大陸で三百年前に魔王を倒したと言い伝わる伝説の勇者。

 しかし三百年と言うと、俺たちが知ろうとするこの世界で起きた過去と一致するな。


「その勇者なら三百年前の愛知県で会ったわよ」


 思い出したかのように紅蜘蛛が言った。

 普通ならそんなの戯言(ざれごと)だと一笑に付されるけど、ほぼ不老不死の天使の彼女ならあり得る話だ。


「ちょっとなんで三百年前の日本に勇者が現れたのよ?」

「あら〜……メリーちゃん聞きたい?」


 待ってましたとばかりに紅蜘蛛が、誘うような妖しい目でメリーを見つめた。


「ぎゃっ!」


 身の危険を感じたメリーが悲鳴をあげた。ちょっと知りたいいいところだったのに邪魔すんな!


 しかし、彼女には気の毒だけど、痴女に対して丁度良い緩衝材になってくれてそこは感謝している。


「大天使ガブリエル様が最後に送った助っ人よ」

「で、どうなったのよ?」

「どうって、とんでもなく強かったわよ」

「そう……しかし、伝説の勇者と直接会ったとは凄いわね」

「まぁ、勇者とはいえヤローだったから、サインは貰わなかったわよ」


 冗談混じりで答え、男には興味がなさそうな紅蜘蛛は残りのそばを啜った。


「オーケー、とある村で覚醒した少女が勇者の血を引く者でほぼ勇者で間違いないであろう。そして、現在進行形で名のある英雄たちが彼女のパーティーに加わって魔王討伐の準備中だ」

「おいっケイオス。俺たちが勇者様と協力して魔王討伐を目指すのは駄目なのか?」


 谷川シェフが疑問を投げ掛けると魔界行商人はお手あげのポーズで首を横に振った。


「詳しくは言えませんが、もし彼女の性格がプライドの高い頑固者だったら、聖女様に魔王討伐を譲ると思いますか?」

「それはずいぶんと現勇者は困ったちゃんだな……」

「オーケー谷川。勇者の性格は私も知りません。これはあくまでも最悪の事態を想定した予測です」

「う〜む……そうなると、勇者チームと競い合う事態も想定に入れなくちゃいけねーんだな……」

「はい。そのためには勇者一行に匹敵いや、それ以上の強者を集めた聖女チームを作るのが鍵です」


 もう十分最強のチームだと思うけど……。


「何故聖女様が魔王を倒す必要があるのかは、残りのクエストをクリアしてから日本政府が教えてくれるだろう」

「今教えてくださらないの?」

「イエスッ腹黒聖女」

「……」


『にゃっ!』俺と魔界行商人が聖女さまの印象が同じで驚いた。しかし聖女さま黙っちゃったよ。本当口の悪い魔界行商人だ。


「ねえっ!強者を探せって言うけどどこにいるの?」


 メリーの問いに魔界行商人は何故か俺の顔を見て『近い内に出会うだろう』と思わせぶりに答えた。


「それで、他に情報は?」

「オーケー聖女。色々話したいことがあるのだが……今話してしまうと不都合がある。それでだ。沖縄クエストのターゲットは海だ」


 海と聞いてメリーが立ちあがって歓喜した。が、すぐに谷川シェフに注意されて引っ込んだが。


「そうなると……今回は船と水着が必要よね……」


 そう呟いて聖女さまがメリーと俺の顔をチラッと見た。『マジか……』こんな幼女を大海に放り込む気か……本当なら鬼畜だ。


「しかし困ったわねぇ、生憎水着がありませんわ」

「オーケー聖女。水着ならありますよ」


 そう言って魔界行商人が行商鞄を開けると、女性用二着と男性用一着と幼女用水着を二着差し出した。

 女性用は競泳水着っぽいタイプだ。良かったね。ビキニタイプでなくて。


 しかし、俺の分らしき子供用の水着が含まれている。ちなみにもう一着は竜神さまの分だ。ちょっと尻尾生えてるから専用水着じゃないと着れないよ。それにまぁ、竜神さまの場合は本来の竜の姿になると思うから必要なさそうだ。


 あと、女性陣の枚数が少ないのは天使騎士は強化レオタードに瞬着出来るからだ。まぁ、水着みたいなモノだからな。


「貴方の商品なら単なる水着ではないのでしょう?」

「ご名答だ聖女。この水着はどんなカナヅチでも泳げる魔法の水着だ」

「あら素敵……」


『にゃっ!』だからってこっち皆んな聖女。俺は海に潜るのは嫌だぞ。


「しかし、お高いのでしょ?」


 聖女さまは金に関してはシビアだ。まずは契約する前に金額を聞いて値引き交渉するハズだ。


「オーケー負けたよ守銭奴聖女」

「はい……?」


 まだなにも交渉してないのにお手あげポーズを取る魔界行商人。対する聖女さまは笑顔で首をかしげた。


「今回は特別サービスでタダで提供しましょう」

「……」


 上手い話には裏があるってもんで警戒した聖女さまが沈黙した。


「えっ本当にっ!?」


 メリーがテーブルに両手をついて歓喜した。

 積極的なのはいいが、少しは疑えと思う。


「クク……なにも代わりに魂をくれだなんて言いませんよ」

「……」


 冗談には思えない邪悪な笑みを浮かべる魔界行商人に対して、聖女さまは益々警戒した。

 しかし、『冗談ですよ』と言って彼は本当に水着をタダで手渡した。


「俺はウエットスーツ持ってるから要らないぜ」


 流石全国を駆け巡る食材ハンターの谷川シェフだ。自前のがあると言って魔法の海パンを辞退。

 思うに、女性陣の前でパン一になるのが恥ずかしかったと見た。


 それと船に関して谷川シェフは知り合いに頼んでみると言った。

 流石日本全国顔の広いハンターだ。


「以上だ」

「帰るのか?」


 行商鞄を持って帰ろうとする魔界行商人に谷川シェフが声を掛けた。


「ああ、私も忙しいのでなハイ……しかしまた会おう。グッドラック!」


 魔界行商人は聖女さまに紙を渡し、陽気に敬礼して出て行った。


「あらっ……領収書……」


 その紙をマジマジと見つめる聖女さま。

 それはどうやら、魔界行商人が食べていたソーキそばの領収書だった。


 上手い話には裏があるとはこのことで、やはり水着はタダではなかった。まぁそれはソーキそば二杯分で安く済んだけど。

してやられたのは間違いないので、聖女さまは笑顔で領収書を握り潰した。

 こっ、怖い……怒っている。


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