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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまとくノ一天使紅蜘蛛2

 

 巨大化した竜神さまの背中に乗った俺たちは空に舞って、天草市の大通りに出た。


「『うわ〜っ竜だっ!!』」


 急に空から現れた竜神さまを見た人たちが恐れ(おのの)き逃げ惑い。

 現場はパニックになった。


「お腹が空いてるのに牢獄に入れられるわ、痴女に狙われるわで今日は散々よ」


 スカートを手で押さえるメリーが渋々言ってから降りた。言っとくけど、そんなミニスカート履いてるから紅蜘蛛に狙われるんだよ。

 しかしまぁ、紅蜘蛛っていかにも悪いくノ一なネーミングセンスだよな。だから紅蜘蛛と頭の中で口にする度に、妙な笑いが込みあげてくる。


「ちょっとさあっ、聖女さまを呼んだ方が良くない?」


 メリーが竜神さまに聞いた。

 この中で一番まともに答えてくれそうなのが竜神さまってのがなんとも……。

 まっ、幼女の俺と悪魔女騎士と痴女くノ一じゃマトモな答えは期待出来ないからな。


『うむ、この程度の騒ぎじゃ、聖女をわざわざ呼びに行く必要はないじゃろう』

「……確かに」


 幼女姿に戻った竜神さまが答えると、周りを見回したメリーが納得してうなづいた。


「逃げてんじゃないわよっ!」


 ようやく追いついて来た極悪女将が屋根の上から飛んで着地し、四つん這いの姿勢で鬼の形相で俺たちを睨んだ。

 彼女は息を切らしていた。とはいえ魔王の手下なのか、和服姿でこの運動力は人間では無理だ。

 いつまでも極悪女将はなんだから、正式な名前をそろそろ教えて欲しいところだ。


『ほう〜焦ってるようじゃのう?』

「なにっ!? 誰が焦ってるって竜神……」

『ほほっそんな怖い顔するとシワが増えるぞい』

「きっきっきっ貴様っ! いっ言ってはならんことをっ!」


 多分悪気はないけど竜神さまが極悪女将の逆鱗を踏んだ。俺も良くあるんだ。軽く冗談言って相手をマジギレさせることがね。


「我々の秘密を知ったからには生きて帰れると思うな」


 秘密って、顔のシワの話しのことか?


『ほ〜う。我らをスライム牢獄にブチ込んどいてよう言うわい』


 竜神さまが煽りまくる。


「黙らっしゃいっ!貴様らはパーフェクトスライムゴールドインフィニティーの餌食になるが良いっ!」


 そのネーミングは聞き飽きた。で、極悪女将に呼ばれた金ピカスライムが地中を破って現れた。

 大ボスの出現に普通なら皆怯むところだけど、相手は経験値豊富な金ピカスライムだ。だからクレナとメリーにとっては経験値稼ぎの大チャンスだから、俺は目を輝かせた。


「ひょっひょっ♬ 皆んなっボーナスタイムよっ!」


 楽しそうに笑う紅蜘蛛が言った。お前も経験値稼ぎする気か……。


「ばっ馬鹿なっ、無限増殖するこのパーフェクトスライムゴールドインフィニティーを恐れぬだと……」


 俺たちに恐れ慄き後ずさりする極悪女将。

 どうでもいいけど、いい加減にその長いネーミング省略しろよ。


「アタシはさぁ〜天使だからレベルアップとか関係なしに強いのよね〜」

「ひっ……」


 避けられてると知ってか知らずか、紅蜘蛛は馴れ馴れしくメリーに話し掛けた。彼女はまぁ、表情を引きつらせながら聞いてうなづく。


「なによそれ? アンタら天使はレベルアップしないなんてつまんなくない?」

「あら〜……そんなことないわよ〜んふふっ♡ 天使騎士同士楽しいことがたまにあるのよ〜 ねっ!メリーちゃんもどう?」

「ぎゃあっ!あっあたしはその趣味はないわよっ!」


 油断すると普通の会話の途中から強引に誘ってくる紅蜘蛛。だから警戒したメリーは距離を取った。

 対象外の俺は笑って見ているけど、狙われた本人は恐怖でしかないな。


「ふっふっそう……仕方ないわね〜、じゃあさぁ、この中で誰が多くスライム倒せるか勝負しない?」

「フンッくだらん」


 腕組みして澄ましたクレナが鼻で笑った。


「あら〜黒髪ロングが素敵ね貴女ぁ」

「きっ貴様っなんのつもりだっ!えぇいっ私に寄るなっ!」

「あらっ顔赤くして、クールなのにウブなのね♡」

「やっ、やめろ……」


 悪魔だろうと、好みの女に見境無しに近寄って来る紅蜘蛛にクレナもタジタジだ。


「貴女良く見ると懐かしいわ〜、ユウキちゃんにソックリね?」

「なっ!天使軍の憎っくき(レインボー)不死鳥フェニックス号艦長ユウキと悪魔である私と一緒にするなっ!」

「そんなこと言わないで〜お願いっコレを掛けて〜」


 身体をクネクネさせて駄々こねる紅蜘蛛は、何故懐から眼鏡を取り出した。

 なんで持ってんだよ?


「き、貴様……な、なんのつもりだ……?」

「うふふ……この勝負。アタシが勝ったら眼鏡掛けてくれる?」

「断わるっ!」


 背中を向けたクレナが拒否した。


「あらっ……逃げるんだ……」

「な、に……誰が逃げるって?」


 プライドを刺激されたクレナが振り向いた。有能な彼女は真面目なだけに煽り耐性は低い。

 恐らく初対面なクレナの性格を一瞬で見抜いた紅蜘蛛の人間(悪魔だけど)観察力はずば抜けて高い。

 それは多分くノ一時代に必須だったスキルなんだな。


「あら、うふふ……じゃあ決まりね……♡」

「貴様っなにが決まりだっ……ああしかし、受けて立つ。勝敗は、どちらが多くスライムを倒した方が勝ちだ!」


 クレナそれは負けフラグだぞ……。


「ほっほっ〜っ!返り討ちにして差しあげるわよクレナちゃん♡」

「きっ!き、貴様……始めるぞっ!」


 顔真っ赤にしたクレナが両手で剣を構えた。

 完全に紅蜘蛛のペースだな。

 しかし、極悪女将そっちのけで悪魔騎士と痴女天使とのスライム討伐勝負が始まった。


今回は短めですみません。

あと、日本編クライマックスは、ローファンならではのあっと驚く展開を予定してます。

よろしくお願いします。

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