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サタンちゃまと親チバ・フー・フィー

ペンネーム変更しました。

由来は先祖の大宮司家からです。一文字漢字を変更してます。やはりご先祖パワーを頂きたく変更しました。

 

「では行くぞ」

「ちょっと待つにゃ」


 戦闘機形態のアルマーの上に乗るユウトが先に行こうとするもんで、やることある俺が止めた。

 すると振り向いて睨んできた。


「なんだちびっ子! 忙しいのに」

「にゃにもそんにゃに急がんでもにゃ……」

「なにいぃ、急ぐ必要はある。ああ、なんだ……この遊園地の企画部の部長が行方不明らしいから、彼が生きているうちに助け出さねばなるまい。だからのんびり立ち止まっているヒマはない」

「にゃもぅ……もう死んでるにゃ……」

「貴様ぁぁっ、縁起でもないこと言うなっ!」


 ユウトは俺を叱ると正面向いてアルマーを移動させる。なに言っても聞きやしない。頭でっかちな女艦長だ。アルマー(小型戦闘機)にまたがって乗るその姿はまるで浦島太郎だな。


 仕方ない。歩きながらステータスチェックだ。


「「ステータオープンにゃ」」

「社長っなに小声で言ってんすか?」

「にゃんにゃっ」


 俺の面白行動をめざとく見つけ、ツッコミを入れる黒鴉がウザい。まぁ、ソイツより厄介なユウトを指差し人差し指を口元につけて『シー!』した。


「さっきレベルがあがったから、ステータスチェックするのにゃ」

「……な〜んだ、うんまい棒のお代わりかと思ってた……」


 つまらないと言わんばかりに両手を頭のうしろに組んだ黒鴉が俺から離れた。

 マジで食い物以外興味を示さないな。まるでリアルカラスだ。


 さぁ、とりあえずチェックだ。


【 職業サタンちゃまレベル268 魔力86106 攻撃力23099 力18233 体力105622 素早さ37926 魔力90953 標準スキル 鑑定スキルレベル10MAX 毒耐性スキルレベル10MAX 特殊スキル 悪魔ガチャスキルレベル82 魔石ガチャスキルレベル10MAX 召喚悪魔活動時間レベル10(40時間) グルメガチャスキルレベル12 魔力課金スキルレベル6 】


 なにげに悪魔ガチャスキルのレベルがあがっていた。今度時間が空いた時に、ガチャしてなにがピックアップされているか調べてみよう。


「おい……」


 俺が腕組みして考えごとしていると、背後からドルチェルが肩を叩いた。

 まさかこれが上司がダメ社員に宣告するリストラ肩叩きか? 『んなぁことはない』万が一あっても、俺は社長だから大丈夫だ。


「にゃんにゃっ?」

「お前、レベルがあがると毎回数値見てるがソレ意味があるのか?」

「にゃっ……い、意味はあるにゃ……」

「だったら言ってみろ。その意味とは」

「にゃにっ……」


 まさか答えたら、その意味を聞かれるとはな。『ウ〜ン』適当に答えたからどうしよう。


「……それはにゃっ、また数値があがったにゃと満足するためにゃ」

「フンッくだらん」

「にゃにっ!」

「数値などに頼らんでも敵と戦えば、強さを実感出来る。我はそうしておる」

「にゃるほど」


 まぁ数値を見るか見ないかは人それぞれだ。だから俺は気になる派なんで毎回見るぞ。


「着きました。ここが魔王の城です」


 夏子が前方を指差す。

 魔女と問答しているうちに目的地に辿り着いた。


「ここが魔王の城だと……ヤケに安っぽいな」


 低予算建築のアトラクション施設と本物を比較するのは野暮ですよドルチェルさん。


「しかし、凄い蜘蛛の巣の量だな」


 ヒューイの指摘するように、城全体に蜘蛛の巣がまとわりついていた。確実に蜘蛛が潜んでいるのは明白だな。

『しかしキモい』思わず逃げ出そうかと思ったが、例え逃げても行き着く先は蜘蛛の巣だから踏みとどまった。


「いかにも親玉の巣だな。さてさっさと倒して悪夢の蜘蛛クエストを終わらせよう」

「ちょっと待つにゃドルチェル」

「なんだちびっ子。我に文句あるのか?」

「……言葉に気をつけるにゃっ、アタチは一万年生きている先輩にゃぞ」


 ドルチェルの俺を見下す態度に思わず言ってしまった。ちょっと大人気なかったか?


「フンッちびっ子が一万歳だとぅ……嘘とは言え、大きく出たな。ま、身体は小さいけど」

「ほっとけにゃ」

「貴様らくだらん話ししとらんでさっさと中に入るぞ」


 魔王の城入り口で待機していたユウトが痺れを切らし会話を遮断した。


「『…………』」


 しかし、皆黙って中々入ろうとしない。

 それはそうだ。中は蜘蛛の巣窟で蜘蛛嫌いじゃなくても入るのに勇気がいる。

 例え入った瞬間っ蜘蛛に捕まり人生エンドだ。


『突破口はミーがやる』


 アルマーが名乗り出た。

 確かに機械なら蜘蛛に餌と認識されないか。


『さて、変形するから退いてくれないかユウト?』

「あっ、ああ、済まん」


 ユウトが降りるとアルマーが人型に変形した。


『では先に行ってみる』

「ちょっと火気厳禁ですよ」

『それは無理な要求だ。サマーチルドレンよ』

「はあ?」


『夏子の英略か?』どうでもいいけど、言われた本人は困惑してるな。

 しかし大体さ、大蜘蛛退治お願いしてるのに施設は壊すなって無理がある。


「……わ、分かりました。蜘蛛を駆除してくれるなら……施設の一つ壊れても構わないですね」

『了解した。では暴れて来る』


 夏子の了承を得たアルマーが魔王の城の中に入って行った。そしてしばらく待っていると、中からマシンガンの連射音が鳴り響いて出口から無数の子蜘蛛が逃げ出して来た。


「うにゃあっキモい!」

「社長っ……」


 子蜘蛛にビビった俺は飛びあがり、思わず黒鴉に抱きついた。すると黒鴉が迷惑そうに苦笑いを浮かべていた。

 そんな表情するならこうだ。


「黒鴉っ背中を借りるにゃっ」

「あっ! ちょっと社長っ!」


 俺は黒鴉の背中に張り付きおんぶを要求した。するとクレナが悔しそうに黒鴉を見てた。

 ハンカチ忘れてるぞクレナ。


 しかし、子蜘蛛と言っても1メートルはあるな。それがワラワラと向かって来たからたまらない。


「君たちっ戦闘準備だっ」

「おいおいっ、準備してるヒマねーよっ来るぜ」


 ガウエルがヒューイに言いつつ、鞘から剣を引き抜いた。そして向かって来た子蜘蛛に斬りつけた。


「ムウンッ!」


 ドラコスも剛腕で子蜘蛛をぶん殴り一撃でしとめた。ちょっと子蜘蛛に同情するな。


「これだけの数だ。もう火魔法の使用は仕方ない。良いな夏子?」

「……ああっもうっきょっ、許可します……」

「そうか夏子。ではっグレイトファイヤーボールだっ!」


 どこら辺が偉大なのかは知らんけど、ドルチェルが放った巨大な火球が子蜘蛛の群れ炸裂し、あっという間に数を減らした。


「ああ、もう〜〜始末書で済むかな……」


 夏子がヘタリ込んだ。

 普通ならオーナーの確認とってからだろうけど、今回ばかりはそんな余裕が無いからな。

 まぁ頑張れ。


 バキバキッ!


「おいっ城が崩れるぞっ!」


 谷川シェフが指差すと魔王の城が倒壊し始め、中から戦闘機形態のアルマーが飛び出し、彼を追うように巨大な親蜘蛛が現れた。


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