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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃまと新たなちびっ子仲間

 

『いやあ〜完敗じゃ』


 クレナとの戦いに敗れた(たつ)っ子こと擬人化竜神さまが起きあがり胡座(あぐら)をかくと、ヒザを叩き満面の笑顔で言った。

 目は赤から金色に戻り、さっきまでの怒りが吹っ飛んで今は上機嫌な様子。

 そこはなんかモヤモヤするが、その理不尽なところが人の常識とズレた神さま故のことだろう。


『いや本当人間にしては良くやるのう……あっ!違った。我に勝ったのは悪魔じゃったかうひゃひゃっ♪』

「竜神様」


 陽気に笑う竜神さまに聖女さまが呼んだ。


『なんだ聖女。我に聞きたいことがあるのか?』

「はい。何故怒っていたのか、その原因を教えてもらえますか?」

『そうじゃな、我に勝てた褒美に教えてやってもいいのじゃが…………』


 なにか言いたげに竜神さまが腹を手で押さえた。


 ぐ〜〜〜〜っ


「にゃっ!」


 竜神さまの腹の虫が鳴いている。

 俺は思わず虫取り網を探した。なんてな、冗談だ。


「腹減ってんのか竜神様」


 谷川シェフが神さま相手にフランクに話し掛けた。


『ほう〜強さはいまいちじゃが、料理の腕は凄腕の料理人じゃな?』

「おいおい、キツイこと言う神様じゃねえか……言っとくがコレでも俺は達人級なんだぜ。仲間の悪魔やら天使が異常に強えからそう見えるんだ……」


 そう言って谷川シェフは困ったように後頭部を掻いた。


『そりゃ悪かったな。して、お主は我になにをもてなしてくれるのか?』

「はっはっそうだなぁ腹減ってるみたいだから、ここで飯でも食べるか?」

『ほう〜』


 悪くない提案らしく竜神さまがニヤついた。

 しかしメリーが『こんな場所でキャンプ飯なんて無理っ!』と断固拒否した。

 確かに、いわゆる心霊スポットでキャンプ飯作る剛者はそうそういない。

 いるとすれば頭のネジが緩んだ一部の冒険者位だ。


『あい分かった。それならここ以外の場所で我に飯を振る舞ってくれ』


 竜神さまが立ちあがって泥が付いたヒザを手で払うと、さも当然のように要求した。

 それで竜神さまは背を向け出口に向かって歩き出した。


「待つのだ」


 話しが上手くいっていた時に限ってエイトさんが竜神さまを呼び止めた。

 なんかトラブルの予感。


『なんじゃ天使……』


 立ち止まり振り向いた竜神さまが、頬を膨らまし不機嫌そうに答えた。

 再び雲行きが怪しくなる。


「先ほど口に含んだ哀れな魂を解放して欲しいのだ」

『……忘れておったわ。ならば早く済ますが良い』


 よっぽど腹が減って飯にありつけたいのか素直に聞いた竜神さまが口を開くと、そこから無数の魂が抜け出した。

 そのあとエイトさんの光りで魂たちが浄化され天に昇って行った。

 良かった良かった。なんだか浄化されたおかげか、さっきまで恐ろしい雰囲気だった竜ノ口渓谷が清々しい雰囲気に変化していた。


「さっさとここを出るわよっ!もうっ服がベトベト……」


 全身ビチョ濡れのメリーが不快そうに上着を指先で摘んで引っ張った。

 こうして東北地方のクエストを終えた俺たちは駐車場に戻って、一旦シャワーを浴びてから食事をすることにした。


 □ □ □


「もうっなんでちびっ子と一緒なのよ……」


 いの一番にキャンピングエアカーに設置されているシャワー室に向かったメリーだが、聖女さまに呼び止められついでに俺も綺麗にしろと命令された。

 だから不貞腐れていた。


「にゃっ……」


 お荷物扱いされるなんていい迷惑だ。

 本当は一人でシャワー位浴びれるかと思ったけど、壁に立て掛けたシャワーヘッドに手が届かないな……。

 やっぱりちびっ子の世話役が必要だと実感した。


「しかもなんなのよ……」


 腕を組み不満気な表情のメリーが俺の隣に目を移した。


『すまんな。我の洗浄も頼むのじゃ』


 俺の隣にいる竜神さまがニカッと笑って答えた。口の奥に見える一本の牙が可愛らしい。

 どうでもいいけど、語尾が『にゃ』に続いて『じゃ』のちびっ子が追加されてメリーが迷惑そうにため息を吐いた。


「まさかあたしが世話するちびっ子が増える訳ぇ……」

『なにを嘆いている。人間の子よ?』


 げんなりした顔に手で覆うメリーにその原因が聞いた。

 すると彼女は振り向いて竜神さまを睨んだ。


「アンタッ…………い、いや、竜神様の所為よっ!」


 その後、竜神さまと一緒にシャワーを浴びた。竜神さまの裸はつるぺたで俺といい勝負してた。

 綺麗になった俺はついでに、性転換時にセットで着ていた黒のドレスを洗濯してもらった。

 不思議なことに、このドレスは水に濡れてもすぐに乾くし、これまで激しい戦いに巻き込まれたにも関わらず傷一つなかった。


 思えば最初のスライムの体当たりを受けてもドレスは無傷だった。いや、ドレスのおかげで俺の身体は無傷で済んだのかも知れない。

 ひょっとするとこのドレスは、勇者が着ける強固な鎧に匹敵する強度があるのかもな。

 だってサタンのドレスだからな。


 シャワーを浴びて身体を綺麗にした俺たちは幼女化した竜神さまを連れて街に向かった。

 竜神さまは尻尾と角生えてるけど大丈夫か……。


 それでせっかく仙台に来たのだから牛タン屋に入ることにした。

 まぁ、例によってメリーが牛の舌を食べると聞いて喚いたが、谷川シェフが説明してなだめた。

 やれやれ騒がしい女だ。しかし彼女がいるからこそ、俺たちの輪が明るくなるのも事実。だから欠かせない存在だ。


 俺たちが入った牛タン屋は三百年の老舗店だ。三百年と言えばサタンの過去とリンクしていて気になるな。

 とは言え今は飯だ。

 それと何故竜神さまが怒っていたのか気になると、聖女さまは飯のついでに訳を聞く気らしい。

 そんな訳で俺たち七人は牛タン屋に入った。


 どうでもいいけど、クエストを終えるごとに仲間が増えていく気がする。

 しかも天使とか竜神とか勇者に匹敵する頼もしい仲間だ。『うん』悪魔ガチャスキル持ちでサタンである俺もその一人だったな。

 まぁ、見た目がちびっ子だから自覚はないんだけどな……。


面白かったら評価欲しいな〜

頑張って書きますのでよろしくお願いします。

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