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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと異世界転移21 男たちの手合わせ

タイトル変更しました。

 

 ガマハウスのベッドで眠っていた俺は、一緒に寝ていたメリーに顔を蹴られ目を覚ました。


「にゃむっ……相変わらず寝相の悪いおんにゃにゃ……」


 メリーは蹴っても起きないので、俺はブツブツ文句を言いながら上体を起こし手の甲で目を擦りながらステータス画面を出した。そして表示された時刻を確認した。


「……むにゃ、にゃんにゃまだ6時かにゃ……」


 まだ寝る時間があると思って横になろうとしたら、俺の枕を奪ったメリーが邪魔をした。


「……起きろと言うのかにゃ……」


 仕方ないのでガマハウスから出るとヒューイと犬飼が木刀を持って手合わせしていた。

 二人の実力はほぼ互角のようで汗水かいていつまでも打ち合っていた。


「やるじゃないか犬飼君っ」

「アンタもやるじゃねえか」


 本当楽しそうな二人はやっと手合わせを終え背中を向き合い地べたに座った。

『似た者同士意気投合したか』それに比べて俺と関わったちびっ子共は、キレると首を絞めてくるから仲がいいとは言えない。

『だからちょっと待てよ……』これまで俺の首を絞めてきたちびっ子の数は、ちびっ子勇者アシオンに座敷童のワラちゃんに、ムー大陸の姫王リオンと結構いたな……。


『…………』


 チョイトラウマだから考えるのを止めよう。


「手合わせはもう終わりかにゃ?」

「お、ちびっ子」

「……にゃんにゃその手は犬飼……」

「いや、酒くれや」


 犬飼に酒なんてくれたことないし。子供に酒をせがむな爽やかクズ男が……。


「酒は出さにゃいが、手合わせ終わったにゃら、冷たいアイスあげてやってもいいにゃ」

「そりゃお前っアイスは冷えててナンボ。常温なら溶けてるぞ」

「にゃっ……揚げ足取るにゃ犬飼」

「ハハ、それじゃあ今度はちびっ子が俺と手合わせしてくれるか?」


 犬飼が立ちあがった。まだヤル気なのか、汗だくなのに元気だな。

 しかし、何気ない会話から何故手合わせになる。ちょっと強引過ぎるぞ。


「……にゃあ、少し付き合ってもいいにゃが」

「それならお前の部下を出してくれ」

「にゃに……出してどうするにゃっ?」

「もちろんそいつらと修行のために手合わせさせてもらうためさ」

「……別にいいにゃ……」


 生身の人間が悪魔と戦いたいなんて変わった男だ……。


「とりあえずコイツらが相手にゃ」


 試合当日だから使ってもいい妥当な部下のレア度星3レッドデビル松尾と星4モスマンを出した。


「おっ! サタン様っお久しぶりじゃねえですか?」

「全くですよ。いくら上位種族を手に入れたって、たまには下の者も使ってくださいよ」

「悪かったにゃ松尾にモスマン。とりあえず犬飼と手合わせしてくれにゃ」

「こっ…………………………………り、了解しましたサタン様……」

「まぁそう言うこっちゃっ、赤くならずに付き合ってやろうぜ」


 俺に憤慨(ふんがい)するモスマンのなで肩を、松尾がなだめるために触れた。


「二匹かそれじゃあ、私も加わるよ」


 立ちあがったヒューイが犬飼の横に立った。


「この野郎っ人間が俺らを二匹と呼ぶな!」

「そうかモヒカン君失礼した。礼と言ってはなんだが、掛かって来なさい」


 ヒューイが剣を片手で構えた。


「へっ、試合前にニンゲン上等だ。せいぜい怪我しない程度にシメてやるぜ」


 松尾が赤い三叉の槍を構えた。


「いいね〜修行にならないから本気で来いよ」

「いいのか? 死ぬぜっ!」


 松尾がヒューイを狙って槍を突き出した。


「おっと!」


 ヒューイが剣で払って槍をやり過ごした。


「コイツっ俺の突きを()なしたっ!?」

「おい松尾っ人間相手に手を抜くからだっ、俺なら本気で殺す気でこうするっ!」


 割って入ったモスマンの巨大眼球が光り熱光線がヒューイを襲った。


「おっとキタキタッ!」


 まともに喰らったら丸焼けなのに、何故か笑顔のヒューイは転がり光線をかわした。

 そしてすかさずモスマンに接近して胴を斬った。


「うおおっ! こ、こいつ本気で斬りやがった!」

「へっ、この程度で死にはしないだろ?」

「あ、確かに」


 腹斬られてんのに納得するなモスマン。


「くそっ! 良くもやりがったな」


 槍を構えた松尾がモスマンを庇った。


「おっと! お前の相手はこの俺だぜっ!」

「ぐっ! てめえっ」


 正面から飛んで来た犬飼が木刀で松尾の槍を叩き落とした。


「ふっ、アンタら中々やるが、ちょっと物足りねーなぁ」

「『なんだとてめえ!』」


 松尾とモスマンが同時に犬飼に吠えた。

 しかしこの二人はヒューイと犬飼相手には力不足か……。


「にゃら出血大サービスにゃっ」


 俺はステータス画面を開いて悪魔ファイルを指でタップ。で、いつもの三人娘を召喚した。


「社長っ試合すか?」

「サタン様っお任せくださいっ!」

「ちょっとちょっと二人共〜落ちつきなさいよ」


 ロウランがヤル気満々な黒鴉とクレナを呼び止めた。


「なんだっロウランッ邪魔をするな!」

「いや落ちつきなさいってクレナさん。まだ朝ですし試合はもうちょっとあと、それに対戦相手はどうやら味方のようですわ」

「なに……むっ、そこにいるのは松尾とモスマンではないか?」


 クレナと目が合った松尾とモスマンはバツが悪そうにお辞儀した。


「地にヒザを付けて……この二人の男にやられたのか?」

「いえいえ違いますっ、や、やられたのは確かですが、殺し合いでなく手合わせです」

「手合わせだと松尾……」

「へ、へい。サタン様の命令で手合わせしてましたが、このザマですわ……」

「なるほどそうですか……」


 状況が理解出来たクレナが急に振り返って俺の顔を睨んだ。


「にゃっ、にゃんだクレニャッ?」

「にゃんだじゃございませんよサタン様。手合わせなら早く言ってくださいよ。知らずに人間と戦ってたら、殺していたかも知れませんのに」

「にゃにゃっ!」


 近寄ったクレナに捕まって説教された。


「そうっすよ社長〜」

「本当っ知らずに魂抜きするところでしたわ」


 黒鴉とロウランも加わり俺を責めた。しかも三人に囲まれ逃げられない。


「とにかくサタン様っメッ! ですわ」

「んにゃっ撫でるにゃっ!」


 身を屈めたロウランに頭を撫でられた。

 すると木刀を肩に担いだ犬飼が近づいて来た。


「へ〜アンタらなら互角に戦えそうだ」

「なんですって……」

「んっ」


 犬飼の一言聞いたロウランが笑顔で立ちあがり、魂を引き抜くツルハシを両手で構えた。


「あの黒鴉とクレナ(あの二人)はともかく、死の司祭であるこの私が貴方方と互角だとは思わない方が身のためですわ」

「へ〜静かなのに強そうだなアンタ」

「…………」

「互角とも思わないし、上とか下だろうと遠慮なく攻撃してくれ」


 犬飼がロウランに向け木刀を片手で構えた。


「……身の程知らずの人間ですわね。でも覚悟が伝わってきましたわ。ならばこちらも本気で応えましょう」

「いいね〜〜お嬢さん」

「……歳下に言われる筋合いはございませんわ」

「じゃっババアか?」

「………………………………………」


 犬飼のデリカシーの無い問い掛けに、ニコニコ顔のロウランが黙った。

 こりゃ犬飼はマジで彼女を怒らせたな。


「ババアではございません。死の司祭は不老不死で18の娘の外見で一生老けません!」


 ロウランの全力否定。

 それに対して犬飼はジャケット裏の胸ポケットからウイスキーが入ったジェラルミンボトルを取り出しラッパ飲みした。


「うっめ〜……」

「ちょっと聞いてましたか……」

「ああ、18のロリババアだろ?」

「だからババアはやめろと言ってますのっ!」

「んっ!」


 笑顔でキレたロウランが跳躍して犬飼目掛けてツルハシを振りおろした。


「おっとあぶね!」


 カツウンン!


 ひらりと攻撃をかわす犬飼。行き場を失ったツルハシがたまたまあった岩にぶつかった。


「くうううぅぅぅ〜〜……私の攻撃をかわすとはやりますわね人間」


 ツルハシを手放したロウランが右手をブラブラさせた。


「大丈夫か?」

「……問題ないですわ」

「そっか、なら少し休憩だ」


 犬飼はよりに寄ってロウランの手を痺れさせたこの岩に腰掛けた。


「ナチュラル無神経……」

「んっ、なんか言ったか?」

「いえ、しかし久々に良い運動出来ましたわ」


 そう言ってロウランは震える右手を左手で押さえた。


「なんだ、もう手合わせは終わりか?」


 ジェラルミンボトル片手に犬飼が振り向いた。


「……ええ、ムカついてこのツルハシで貴方の魂を引き抜いてしまおうと考えましたが……やめました…………」

「んっ、なんでだ?」

「そ、それは…………言い難いのですが……貴方の命の火が非常に小さかったので……魂としての価値が余りないとは、判断したからですの……」


 人の魂が見えるロウランが犬飼に気を使いながら告げた。


「…………だろうな。俺の死に場所はすでに決めている。だがここじゃねぇのは確かだ。勇者だか知らねーが、もっとつえー奴から時道(後輩)を護るために使命を捨て、共にいる……」


 事情は知らないけど決意を込めて立ちあがった犬飼が、ウイスキーを飲むと空を見つめた。

 どうやら今朝手合わせしていたのは対勇者ではなく、時道が追っている宿敵に対し力を付けるためだったらしい。


「ちょっとみんな朝飯の時間だよ」


 とっくに目を覚ましていたメリーが手を振って俺たちを呼んでいる。どうやら朝食は俺のグルメガチャで済ますらしくて、手合わせは終了した。


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