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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと異世界転移19 虹色の11人

 

 俺たちの勝利で会場は大盛りあがりだ。

 今回の大活躍してくれたブラックウインズの黒天使ザウエルとガウエルを労うとしよう。


「二人のおかげで勝利出来たにゃありがとうにゃっ!」

「はっ!」


 ガウエルが即座にひざまづいた。王に忠誠を誓う騎士で見た目もいいから決まっているな。ちなみにザウエルは3秒遅れてひざまづいた。


「とんでもございませんよサタン様っ、いや呼んでくれて一緒に戦えて楽しかったですよ」

「にゃっ」


 俺が手を差し伸べるとガウエルが握り返した。とりあえず二人には褒美にうんまい棒チーズ牛丼味お得パックを渡しファイルにお帰りいただいた。


 さて一応ドラコスにも礼を言っておくか。俺はボーっと立っている奴の足元まで寄った。


「ご苦労だったにゃドラコス」

「…………誰だ、俺の名を呼ぶ子供は……?」

「にゃっ……」


 キョロキョロ周囲を見回し声の主を探すドラコス。どうやら足元にいる俺が視界に入っていないらしい。しかし声だけは覚えて欲しかったな。


「ここにゃここにゃ」

「んっ、またも謎の声…………どこだ?」


 まだキョロキョロ見回している。


「下にゃっ!」

「むおっサタン様っ!」


 俺がドラコスのスネを触るとやっと気づいた。しかしまぁ3メートルの長身は敵を威圧するにはいいが、今みたいに日常生活には不便を強いられるな。


「こんな足元にいて踏みつけるところだったぞ」

「蟻にゃにゃいんにゃから踏みつけられたにゃらたまらん。それより良くにゃった。これはアタチからの褒美にゃ」


 俺は酢イカ一本ドラコスに差し出した。彼は受け取るとクンクン鼻息荒く匂いを嗅いだ。『お前にとっては未知の怪しい食べ物かも知れないが』その嗅ぎ方やめろ。


「イカ臭えな」

「にゃっ!」


『お前人のこと言えんのか……』下ネタはそこまでにしてドラコスは危険だから、大人しくファイルに帰ってもらった。


「ちびっ子!」


 背後から俺を呼ぶメリーの声がしたので振り向いた。彼女が両手を広げて走って来た。


「メリー!」


 労いに来たのかと暴力女でも甘えるのも悪くないなと、俺はメリーの元に駆け寄った。

 するとメリーが右腕を振りあげた。


 ゴツン!


「にゃん!」


 まさかのゲンコツである。


「にゃにするにゃメリー?」


 両手で頭のてっぺんを摩った俺は涙目で抗議した。するとメリーは握り拳を腰に添えて大きく息を吸った。


「調子に乗ってドラコス(変態)を出すんじゃないわよ。大体ブラックウインズだけで充分勝てたでしょっ?」

「確かに……」

「まぁ…………勝てたから良くやったわねちびっ子……」

「にゃんにゃ……」


 メリーの態度は見事なまでのツンデレって奴で教科書に載ってもおかしくないテンプレだったな。


「あと一勝すれば決勝進出だから頼りにしているわよ」

「にゃったら抱っこ」

「馬鹿っ誰が抱っこするか! 一人で歩いて帰れっての!」

「そんにゃ……」


 調子に乗って甘えようとしたが、相手はメリーだから怒って先に帰ってしまった。

 そもそもメリーに甘えることが間違っている。例えば黒騎士三人娘が飼い慣らされた乗馬で、メリーの場合は野生のシマウマで甘えるのは困難だ。下手に近づくと手足が飛んでくるからな。


 □ □ □


 この日の夜はいつもの居酒屋で対勇者作戦会議を含めた夕食会が開かれた。

 皆席に着いて注文をしてからそれぞれ雑談していた。一方俺は暇潰しに平成時代にいた時に時道に買ってもらった漫画本を読んでいた。


「なに読んでるの?」

「にゃっ……」


 隣に座っていたメリーがヒジで俺をつつくと漫画本を覗き込んだ。


「これにゃ漫画にゃ」

「漫画は分かってるわよ。どんな漫画?」

「にゃむっ……この漫画は今から三百年前の日本で流行っていた『GOD(ゴッド)マン』と言って、主義しにゃがら強敵と戦い時には仲間にして、努力友情勝利の大人気にゃった少年漫画にゃ」

「へ〜え、面白そうね。ところでその漫画実話なの?」

「そんにゃわけあるかにゃっ!」


 アホのメリーが本気にしそうだから否定しておいた。もし仮に星をも破壊するパワーのGODマンが実在したら地球の危機だぞ。

 まぁ、俺の部下に似たような悪魔がいるが、GODマンは創作で良かったよ。


「しかし今日の居酒屋は賑やかなだな」


 俺の左隣で酒を飲んでいた犬飼がステージの方を見て呟いた。もうチャッカリ飲んでやがる呑んべいめ……。

 とはいえ確かに、複数の若い女の歌声と声援する男たちの声がして騒がしい。

 居酒屋には店内を盛りあげるためのステージがあって演者が歌を披露するのを見るのは初めてだ。


「アイドルのライブっすよ。鷹村警部っちょっちょっと観に行ってもよろしいでしょうか?」


 レベル1の長谷川警部補がいても立ってもいられず席を立った。偏見かも知れないけど、彼はいかにもアイドル好きそうだな。


「お前まだアイドルの追っかけやってたのか?」


 呆れるように顔を歪めた鷹村警部が長谷川警部補に聞いた。


「別にアイドルの追っかけの趣味。他人の迷惑掛けてないのでいいじゃないですか? それより驚きました。衣装が現代のアイドルそのもので11人のかわい子ちゃんが踊って歌うなんていいっです!」


 長谷川警部補の言うようにステージで歌を披露する11人の女の子たちは、衣装がフリル付きのミニスカート履いて現代のアイドルと言ってもそん色ない見た目だ。

 つまり全員レベルが高い美少女だ。

 しかもいい歳こいて応援している男たちがノリとか見た目がオタクそのものだった。


「にゃるほど……通りで今夜の客層が違うと思ったにゃ……」


 男たちの後ろに立って、いつの間に腕組みして歌を聴き惚れていた俺だ。

 するとステージが終了して観客たちが道を開けるように左右に移動した。

 するとセンターで歌っていた赤い衣装の髪の長い赤毛の子が中央のステージ階段を降りて来た。


「へ〜〜え、君が噂のサタンちゃま?」

「にゃっ……」


 赤い衣装のアイドルが俺の名を呼んだ。まさかここまで有名になるとは、ちょっと暴れ過ぎたかな……ちょっと困った俺は後頭部を掻いた。


「そうにゃっ」

「ふふっ、可愛い対戦相手だこと……」

「にゃにっ……」


 アイドルの口元がキュッと笑うように閉じた。

 しかし今のは聞き捨てならん。


「おみゃえまさか……」

「ふふっ」


 赤毛のアイドルが微笑むと他の9人のメンバーもステージを降りて、彼女を中心に横並びに立った。良く見ると、赤、青、緑、黄、茶、紫、黒、白、桃、金、銀とそれぞれパーソナルカラーが決まっているみたいだ。

 しかし茶色と地味な色が混じっているのは11人と人数が多いからか?

 なんかお婆ちゃん枠のようで、選ばれた子は可哀想だ。


「アタシたちはっ、戦う冒険者アイドルッ」

「にゃっ」


 彼女たちがそれぞれ決めポーズをとった。


「レインボーガールズよっ!」

「レインボーガールズにゃと……」


 11色の虹なんて聞いたことがない。しかも茶色が混じっている。まぁ異世界なら11色の虹もあり得るから怖いな。


「そして明日武術大会準決勝で君たちサタンちゃまチームと対戦する冒険者チーム名でもあるのよ」

「にゃにっ!」


 まさかの明日の対戦チームが彼女たちだったとはな……しかし見た目が可愛いだけで大した実力なさそうだ。

 ホッとしていると、赤毛の子が俺向かってウインクして指差した。


「アタシの名はレッドウィンドことリーザ。レインボーガールズリーダーにして」

「ゲヘッヘッ、たまんねーなぁ」

「『!!』」


 歌声を聞きつけたのか一匹のゴブリンが居酒屋に入って来た。右手には短剣を持ち、真っ先にリーザの元に近づいた。


「にゃんにゃ雑魚にゃ」


 ゴブリンごときにビビる俺ではない。お得意の頭突きをかましてやろうと後頭部を向けた。


「危ないわよっ!」

「にゃっ!」


 とっさにリーザが手で払って俺を突き飛ばした。


『ギギッ!』


 それと同時にゴブリンがリーザに向かって飛び掛かった。


「リーザッ!」

「サンキューレオナッ!」


 青衣装の青髪ロングの娘が長剣をリーザに投げ渡した。それを片手でキャッチした彼女が鞘から剣を引き抜いた。


「はあっ!」

『ギギャッ!』


 ゴブリンの胴体を斬って見事倒した。

『クソ……』リーザに見せ場を奪われた。それにしても中々の剣技だ。

 一体なにもの……?


 チン!


 剣を鞘に収めたセンターに立つリーザが不敵な笑みを浮かべ、また俺に指差した。


「職業は、魔王を唯一倒せる勇者とはアタシのことよっ!」

「にゃんにゃんって!?」


 チャラ男ピンク髪勇者以外に勇者がいたとは初耳だ。しかし、準決勝の対戦相手がもう一人の勇者とはな……。


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