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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと異世界転移15 召喚した三人のナイスガイ

 

 準々決勝当日の朝に俺は、ワン⭐︎ころを連れて散歩に出歩いていた。

 とは言っても散歩は気晴らしに過ぎず。今後の戦いが不安でジッとしてはいられなかった。


「試合が始まったにゃらヒューイにひたすら当たりが出るまでガチャを回せとアドバイスされたにゃ、果たして勇者(アイツ)に邪魔されず回せるかにゃ……」


 ふと立ち止まって空を見あげながら呟いた。ちなみに今日の試合ではなく、決勝戦についてのアドバイスだ。

 当然決勝戦の想定チームは勇者だ。

 これまで偽者勇者相手に鼻歌混じりで勝ってきたが、勇者はチャラいけど無茶苦茶強い。下手すると魔王より強いかも……。


 だから不安なんだ。なにせ過去に俺はその勇者に敗北した苦い思い出があるからな。

 そんな中立ち止まっている俺のふくらはぎを何者かが触った。それは吸い付くような動物の肉球の感触だ。


 下を向いて確認するとワン⭐︎ころが舌を出して見上げていた。


「にゃんにゃお前かにゃ……」

『主〜〜っ悩んでも仕方ないワンニャン。それより前向きに奴にリベンジする絶好のチャンスニャンだワンッ!』

「にゃっ……」


 ワン⭐︎ころの前向きなアドバイスよりも、そのあざとく可愛らしい口癖を聞いて感心し唸った。

 猫口癖の俺も他人のこと言えないが、なにせ犬と猫口癖欲張りセットだから最強可愛い。

 これは負けていらんな……。


 とはいえ、ワン⭐︎ころの言うように前向きな気持ちが大切だよな。

 さて、気を取り戻した俺は振り返って闘技場に戻ることにした。


『主〜〜〜〜』

「にゃっ!」


 立ち止まったワン⭐︎ころが不満気に目を細めて俺を呼び止めた。

 右手を差し出しお手のポーズをするペット。『いや違う』元気にしたご褒美を出せと主人に要求しているんだ。


「仕方にゃい」


 スカートのから左ポッケから、スティックチューブのキャットフードをワン⭐︎ころに渡した。

 ちなみに犬用猫用どっちをあげるのが正解か、一時期迷ったよ。


 ■ ■ ■


 闘技会場の控え室に戻るとヒューイが声を掛けて来た。


「今日の試合も君一人で頑張ってくれ」

「にゃっ……」


 また子供相手に酷な一言だ。

 まぁ、こちらの手の内を見せずに幼女一人戦わす戦法は良い作戦だが、その考えが通用する異世界の倫理的に間違っているな。


「皆さん時間です。闘技場に入場してください」


 書類に目を通して部屋に入って来た係員の男性が事務的に言った。


「さて行くぞ皆んな」


 ヒューイが言うと俺以外皆立ちあがった。


「ん、どうしたちびっ子?」


 一人だけ立とうとしない俺に気づいたヒューイが声を掛けた。どうでもいいが見おろすんじゃない。


「結局今回もアタチ一人で戦うって酷いにゃ!」

「お…………」


 両手を振りあげ抗議した俺を見たヒューイが固まった。『にゃんにゃ、SS級冒険者が俺の仕草を見て可愛いとでも思ったかにゃ』幻滅するからその想いはやめろ……。


「お前ならエリート魔法使いチームなど一人で充分だろ?」

「それにゃそうにゃが……」

「それともなにか……お前を侮辱した奴らを俺が代わりに倒してもいいのか?」

「に…………」


『それだけは譲れない』あんなムカつく奴らは俺と部下で蹂躙(じゅうりん)しなくちゃ気が済まない。だから俺は首を激しく横に振った。


「おっやれるかっちびっ子? さぁて頼むぜ!」

「ゲボッ!」


 何故か犬飼に背中を平手打ちされむせる俺だった。さて行くとするか……。


 闘技場内に入ると前回は荒野だったが今回は、フィールドが80%水と足場程度の小島で構成された広大なリングだ。


 水に対応出来る部下がいる俺は問題ない。しかし水を凍らすことが出来る魔法使いに有利なバトルフィールドだな。


「来たか……」


 遥か遠くの入場口の前に横並びで立つマジックビューティーボーイズの面子だ。

 髪の色が青、赤、緑、黒、水色、金色、銀色、茶色、紫、オレンジ、そして最後に肌色のスキンヘッドがニタついた表情を浮かべていた。

『……』コイツだけ輩チームから来た異物感がすごい。


「にゃんと……」


 なにが因果か、行く先々別人のスキンヘッドが敵として現れる。正直言って適当な俺は、もう誰がだれだか把握出来ないぞ。

 まぁ輩ハゲの認識でいいか……。


「まぐれ勝ちした子供が逃げずに来たのは褒めてやろうか……」


 早速青髪の美少年が俺に言ってきた。


「にゃんにゃ青髪……」

「チッ! 青髪じゃないっ! 僕は魔法学園一の成績を誇る選ばれし天才美少年アロイドだっ!」

「自画自賛するにゃ」

「うるさいっ! 分からないのかっ? この僕の美貌と才能と強さをっ!」

「ムニャ〜〜……」


 握り拳を突き出し言い切る少年の自尊心をへし折ってみたくなった。

 しかも俺じゃなく遥かに超えた美形でな。


 試合開始の笛が鳴った。

 早速俺はステータス画面を出してから、悪魔ファイルをタップして三人の悪魔を召喚した。


 すると会場から三人の姿を見た黄色い声援と男たちの歓声が湧いた。


「久しぶりの出番だけど、やけに騒がしいな……」


 悪魔七将軍の一人黒髪短髪黒天使のザウエルが困惑しながら後頭部を掻いた。ちなみに並行世界から来た男の黒天使だ。


「おい見ろザウエル。女の子たちが俺らを見て手を振ってるぞ」


 同じく七将軍の一人肩まで伸びた金髪ロングヘアの黒天使ガウエルが楽しそうに、ザウエルの肩に手を回して客席に指差した。


「自惚れるんじゃないよガウエル」

「そうかぁ……俺らイケてるだろ?」


 左の翼が無いザウエルと右の翼が無いガウエルが仲良さげに肩を組んでようやく両翼となった。

 対戦相手の美少年と違って大人の雰囲気を漂わせる美形の彼らの名は、ブラックウインズだ。


 そして俺が呼んだもう一人の男は美形とはち、違うが…………いかにも(おとこ)と言ったムキムキマッチョな悪魔。その名は(ドラコス)。別名白天使ハンターと呼ばれる。


「しかしドラコス(ダンナ)と一緒とは光栄ですね……」

「全くだガウエル。皆んなドラコス(貴方)を見て黄色い声援を送ってますよ」

「…………本当か?」

「おいおい……」


 ボケか本気か知らんけど、ザウエルのお世辞を本気にしたドラコスにガウエルが分厚い胸板を叩いてツッコミを入れた。

『無茶しやがる』ドラコスなら反射的にぶっ飛ばされてもおかしくないぞ。


「ところでサタン様……」

「にゃっ……」


 振り返ったドラコスが俺になにか言いたいようだがそんなに見つめるなよ……まるで蛇に睨まれた蛙になった気分で小さな身体が固まった。


「俺を呼んだと言うことは……敵はーーやはり女か?」

「いんにゃ……」


 俺は右手を横に振って否定した。それにしてもドラコスはいつも女のことで頭の中一杯だ。


「今回の敵は全員男にゃ」

「なにっ男だと? 何故俺を呼んだ?」

「にゃっ!」


 腕組みし、口を尖らせたドラコスがあさっての方向を向いてむつけた。その仕草はおもちゃを買ってもらえなくて親にすねる子供だ。

 そう、興味がないことトコトン突っぱねるドラコスはどんなに説得しても、テコでも動かない頑固者だ。


 しかし奴を説得しないと始まらない。


「待つにゃドラコス」

「興味ないっ!」

「……まだなにゃにも言ってにゃいにゃ……」

「…………その思わせぶりな態度まさか女か?」

「にゃっ……」


『だからまだなにも言ってない』ちょっと自分の都合良く考えを飛躍し過ぎだな。

 まーブラックウインズも空気にするほどインパクトのある()だ。


「とりあえず決勝まで勝ち続ければにゃ、対戦相手の勇者チームに美女がいるにゃ」

「…………それを先に言ってくださいサタン様。しかしお、女か…………おお、おおぉぉぉぉっ…………」

「にゃっ……」


 ドラコスにヤル気スイッチが入った。これでこの試合勝ったと思う。


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