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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと異世界転移8 謎の助っ人

 

「どうして嫁さん二人もいるのに、ようやく手にした僕からパルナ(彼女)を奪うんだ」


 地面に両手をついて涙ながらに訴える可哀想なミルト。そんな彼に俺は近づくと。


「一人嫁作ったら、二人、三人と欲しくなり、モテ男の欲望は見境にゃいからにゃ」

「理解出来ませんよ、そんな……」


 俺がミルトの肩をポンポンと叩いてから言うと、彼は見あげ否定した。


「いっちゃあなんだが勇者だか知らねーが、男なら惚れた一人の女を生涯掛けて愛せよ」


 犬飼が勇者を批判した。彼はモテそうだけど硬派な日本男児で、勇者みたいなチャラい男とは違うみたいだな。


「犬飼も彼女いるのかにゃ?」

「なんだ急に話しを振るなちびっ子。ああいたよ…………」


 過去形ってことは、気まずいこと聞いたかな……。


「彼女が生きた時代が凄く古くてな、とうに寿命でこの世にいないさ」

「悪いこと聞いたにゃ」

「別に構わねぇさ、ところでちびっ子は好きな子いるか?」

「にゃっ……」


『しまった!』陰キャな俺が苦手な恋話に巻き込まれた。とはいえ正直に話そう。


「見ての通りアタチは成長しにゃい万年ちびっ子にゃから、恋愛にゃんかとっくに捨ててるのにゃ」

「へ〜〜お前も大変だなぁ、まぁ頑張れや」

「にゃっ……………」


 犬飼は俺の頭を軽く叩いてウイスキー飲みながらどこかに行ってしまった。

 しかしまさか犬飼に生暖かい目で同情されるとはなんたる不覚だ……。


「ちょっといつまでも落ち込んでたってパルナさんは取り戻せないわよ」


 今度はメリーが犬飼と入れ替わりにミルトに話し掛けた。しかし腕組みしてヤケに偉そうだ。


「しかし武術大会に出て勇者チームに勝ったら彼女を返してもらえる約束ですが、こんな僕に手を貸してくれる冒険者は……」

「本当後ろ向きねぇ、目の前にいるじゃない。勇者チームに互角に渡りあえるあたしたちがさ」

「えっ、僕に力を貸してくれるのですか?」


 そのつもりだったけど、メリーが代表みたいに言うなよ。

 とはいえ二人の仲を引き裂く勇者は許せない。このままほっといたら、歴史が変わって聖女パルムの存在がなかったことになる。

 だったらクソ聖女が消えて、俺の首に掛けられた忌々しい絶対服従の首輪が無くなるが、そんな終わり方は認めない。

 元々ピンク髪勇者には借りがあるから大会に出て、ブッ飛ばし決着をつけるつもりだ。

 そう俺は、決意を込めた右手をぎゅっと握った。


「ありがとうございます。皆さんのおかげで彼女を取り戻す勇気が出ました。では大会に出る条件を説明します」


 立ちあがったミルトが手の甲で涙を拭くと笑顔になった。


「だったらそこのちびっ子のガマハウスで、ゆったり聞こうじゃないの」

「にゃっ! 勝手に決めるにゃメリー! ガマハウスで消費する魔力はタダじゃにゃいんにゃから」

「うっさいわねー、どうせ減ったって魔力回復するんだから、実質タダよ」

「にぃや…………」


『確かにそうだが』納得いかないなぁ……首をひねった俺はガマハウスを皆に開放した。


 俺が入り口のドアを開けると皆勝手にゾロゾロと入って行った。

『にゃっ……』本当に勝手だな。このまま閉めて閉じ込めるぞ。


「それでは大会について説明します」


 ソファーに座ったミルトの説明を、勝手に冷蔵庫から取り出した棒アイス片手に聞くお前ら。

 ムカつくが、大事な話なんで俺も聞こう。


「冒険者チーム同士による団体戦。毎年細かいルールが変わりますが、変わらないのはチームの人数が10人と決まっています」


 人選ならあまりが出るので問題なさそうだ。


「ルール変更は事前に分かってるの?」


 台所から戻って来たメリーが二本目のアイスの袋を破きながら聞いた。

 どうでもいいけど平静としているが、相変わらず厚かましい女だ……。


「残念ながら細かいルール変更は大会当日にならないと知ることが出来ません」

「まぁ、ちびっ子に時を止める時道がいるから負けることがないわね」


 どうでもいいが、メリーは誰にも呼び捨てにして偉そうだ。ノクトゥルスに拐われた時みたいにいつか、痛い目に遭うぞ。


「じゃあ人選を今ここで決めましょう。とりあえずちびっ子と時道は確定ね」


『結局メリーが決めるのかよ……』で、決まった10人はこうだ。1、サタンちゃま 2、時道 3、リオン 4、犬飼 5、ヒューイ 6、ビビット 7、ザレオン 8、アルマー 9、エイト 10、ミルトの以上だ。


 それに対し、ビビットが手をあげた。


「ちょっとメタルゴーレムのアルマーは出場認められるの?」

「このあとギルドで冒険者登録が出来たら大丈夫だと思いますよ。だって勇者チームにも鋼鉄竜が冒険者登録認められてますからね」


 ミルトが言うには、参加するいくつかの冒険者チームに魔物が仲間にいることは普通らしい。

 で、登録は簡単でギルドに設置されたオーブに手をかざし指紋登録すれば登録完了らしい。


 指紋か……ロボのアルマーにあるのか不安になってきた。今彼はいないからあとで聞いてみよう。

 しかし俺は綺麗サッパリ忘れてガマハウスで皆と一夜を過ごし、朝をむかえギルドに向かった。


 ギルドに着いた俺を含む参加者全員でギルド登録の列に並んだ。

 大会に出場するにはギルド登録が必需らしい。それと未来でギルド登録していた俺らだけど、デジタルと違ってアナログだから一から登録し直しらしい。


 出場登録締め切り間近なんで今日は混んでいた。俺たちは20番目くらいかな。

 しばらく待ってから俺の番が回ってきた。


「オーブに手をかざしてください」


 受付嬢のエルフがでっかい水晶玉に触れるように説明してくれた。

 なんでも登録と同時にレベルと職業が分かるらしい。もう自分のレベルは知ってるけど、レベルの高さに騒ぎにならんといいが……。


「にゃっ……」


 オーブの前に立った俺はあることに気づき困った。


「どうしましたか?」


 立ち尽くした俺に受付嬢がしゃがんで不思議そうに顔を覗いた。問題のヒントは今受付嬢がした動作だよ。


「にゃむ〜……オーブまで手が届かにゃい」

「あらごめんなさい。気づかなくて」


 受付嬢が踏み台を持って来てくれてようやくオーブに手をかざした。

 するとオーブが不思議な光を放って立体文字が表示された。

 で、内容はこうだ。


【 職業サタンちゃま レベル238 】


 未来と違って細かいステータスは出ないが、そのレベルの高さを見た冒険者たちがザワついた。


「子供がレベル238だと……?」

「レベル100までが限界だと言うのに、こんなガキがあり得ねえ……オーブの誤作動に違いない」


 と皆口々にオーブの誤作動を疑った。しかし受付嬢は誤作動はあり得ないと否定した。

 で、メリーたちが登録を済ませいよいよアルマーの出番がきた。

 一人いや一機だけ長身のロボだから注目の的だ。それでアルマーが手をかざすとレベルは不明と出たが、なんとか登録が出来た。


「にゃんにゃロボにゃのに指紋があるのかにゃ?」

『YES、ミーの生みの親のスピラリス博士の細かいこだわりのおかげだ』


 宇宙一の科学者の変態的なこだわりのおかげで助かった。

 で、次にリオンがオーブに手をかざした。


「レベル20のムー大陸の姫と出たかにゃ」

「おおっ! 魔物倒しておらんのに、すでにレベル20とは驚きじゃ」


 だけど散々俺のガチャグルメ食べたから、知らずにレベルがあがっていたのだろう。


「次は俺か」


 犬飼がオーブに手をかざした。レベルは120で職業は軍人か……それも古い時代のだ。

 しかしレベル120とは驚いた。いつも余裕で強いわけだ。


 で、ヒューイチームも無事に済ませエイトがオーブに手をかざすと、職業天使と出てザワつかせた。天使が存在しない異世界だけど、なんとなく神の使いと分かるようで一目置かれる存在と認知された。


 さて最後は遠慮気味に最後尾に並んだ時道だ。何故か乗り気ではない彼が受付嬢に手をかざすようにうながされ、渋々黒皮製グローブを外すと黒鉄色の義手がさらされた。

 それを見た受付嬢が眉根を寄せ怪訝(けげん)な表情を浮かべた。


「無駄だと思うが……」


 時道が義手でオーブに触るが反応しなかった。


「え、これはどう言うことでしょうか……」


 義手のせいだとあからさまに言えない受付嬢がオーブを確認した。

 しかし異常はないみたいだ。これは単に……。


「僕の義手には指紋がないので登録は無理でしたね……」

「では左手だけでも大丈夫ですよ」

「……お気遣いありがとうございます。ですが、左手もこの通り義手ですので」


 申し訳なさそうに時道は左手にはめたグローブを外して見せた。


「そうですか……残念ですが、冒険者登録は不可能ですね……」

「分かりました」

「あのっ! 冒険者になれなくても他に生きる道がございますのでっ」

「本当優しいんですね。でも大丈夫です。僕は時空師と言う職業がありますから」

「時空師……? それなら良いのですが」


 結果は残念だったけど、なんだこの人が良い二人は……とはいえ頼りにしていた勇者対策に欠かせない時道が出場不可とは痛い。


「ちょっとちびっ子! 頼りの時道が抜けたけど大丈夫なの?」

「にゃんにゃメリー頭ど突くにゃっ!」


 俺のせいじゃないのに八つ当たりするな暴力女め……。

『しかし困った』かくなる上は試合中に時止め能力の悪魔七将軍フェミニムをガチャで引き当てるしか手はない。

 とはいえ、ガチャスキルは使っても良いのだろうか……。


 俺がスキルについてミルトに聞くと使ったとしても失格にはならないみたいだ。しかし一つ懸念(けねん)があると付け加えた。

 それは大会当日まで正式なルールが不明だからだ。だから場合によっては意図しないルールで右往左往するかも知れないこと。

 まぁ、とりあえず魔力課金スキルで一発フェミニムを引き当てるしかないか……。


「ところで一人欠けたけど、補充は誰にする?」


 メリーが聞くと皆の視線が、選ばれず残っていた鷹村警部と長谷川警部補に集中した。


「わ、私は警察だから人殺しはせんぞ」


 鷹村警部が出場を拒否した。まぁ警察だから万が一対戦相手を殺すかも知れない武闘大会には出れないわな。


「ああ、良かった〜〜」


 そうなると長谷川警部補も同じ理由で却下になって安堵のため息を吐いた。

 まぁ出場したとしてもレベル1じゃ速攻死ぬから命拾いしたな。


 そうなると俺たちの中では補充人員がいない。さて困ったぞ。


「他の冒険者をスカウトしたらどうら?」


 珍しくエイトさんが自発的に皆に意見した。しかし『今まで黙っていた?』まさか眠そうな目で立ったまま寝ていたのか?


「大会出場登録は本日まででございます」


 受付嬢が冒険者たちに注意事項を言った。今日までだって知らなかったら大変だった。


「ちょっと誰でもいいから一人見つけようよ」

「そうだなメリー急ごう」


 うなづいたヒューイは片っ端からギルド内にいた冒険者に声を掛けた。しかしそう簡単には首を縦に振る者は現れなかった。

 こうしている内にギルド営業時間が30分と迫った。


「ちょっとどうするのっ? やはり長谷川に」

「いやいやメリーさんっ無理ですよ僕……」


 慌ててメリーにしがみついて、申し訳なさそうに右手を横に振る長谷川。

 一難去ったと思ったら、大ピンチだな。


「わたしが代わりに入ろう……」


 ギルドカウンターで座っていたフードを被った女が立ちあがり、俺たちに話し掛けて来た。

 ところでこのフードの女はどこかで見た覚えがあった……『そうだ思い出した』確か異世界大陸の不死の姫君が統治していたロストプロスパーで出会った謎の女だ。

 その時誰かを探していたみたいだが、そこに居ないと分かるとさっさと立ち去ったから俺はしばらく忘れていたんだ。


「おみゃえは確か……」

「…………サタンちゃまか……」


 フードの女も俺のことを知ってる素振りだ。

 するとメリーが俺の肩を叩いた。


「にゃっ」

「ちょっと知り合い?」

「確か……この女にゃと異世界大陸で一度出会ったにゃ」

「ちょっと! そんな重要なこと今まで黙っていたわね?」

「にいやっ! だから頭叩くにゃよメリー」


 別に隠していたわけじゃなく、単に忘れていただけなんだ。それにフードの女がそれほど重要ではないと思っていたから、記憶から薄れるのは仕方ない。


 しかし、この女いつの間に俺たちのあとをついて来た? 尾行するにもタイムスリップなんかすぐ側にいないと無理だし、どうやって気づかれずに近づけた?

 ファンタジー創作で良くある認識阻害と言うスキルがあるが、ここは現実でそんな都合の良い魔法やスキルがあるのか不明だ。


 とはいえこのフードの女が補充人員になるとしても、果たして戦力になるのか正体を隠しているか未知数だな。


 とりあえずすでにフードの女は冒険者登録を済ませているみたいなので、代表のミルトが急いでカウンター受け付けに行って出場登録を済ませた。

 これでどうにかなった。


 で、やはり気になるのが謎の助っ人の正体だな。


「おみゃえ何者にゃ?」

「…………」


 俺の問いにフードの女は答えない。


「こりゃっ! 質問位答えたらどうにゃ?」

「……うるさい悪魔ね」

「にゃっ……」


 フードからチラリと見えた女の鋭い眼光が俺を睨んだ。あまりの殺気に殺されるかと思ったが、女は背を向けた。


「今は悪魔なんかより勇者アルベートの方が100倍いや、1000倍憎いのよ……」


 そう意味深なことを呟いたフードの女が一人出口に向かった。


「ちょっと待つのら」


 何故かエイトさんがフードの女を呼び止めた。


「…………」


 フードの女が立ち止まったが答える気はないようだ。しかし気になるのかエイトさんは必死に彼女を呼び止めようと腕を掴んだ。


「悪いがフードを取って顔を見せてくれないら?」

「……何故アンタに素顔を見せる必要があるのか? わたしは忙しいのだ失礼する。だが大会当日には必ず参上するから信じろ」


 エイトさんの手を払ったフードの女は正体を告げづに立ち去った。

 眠そうな半目でその背中を見つめるエイトさんに俺は話し掛けた。


「知り合いかにゃ?」


 俺の問いに対しエイトさんは首を横に振った。


「だけど、彼女に同じ匂いがするのら……」

「にゃんと……」


 じゃあフードの女は天使騎士か……。


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