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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃま北海道に行く4

 

 聖女さまが祈ったところで奇跡など起きるハズがないと前回は思っていたが奇跡が起きた。

 どこからともなく虹色に光る斧が振って来て聖女さまが握ると、身体が金色に発光してボス魔物倒した。

 もしそれが協力者の手によるモノだとしたら、二度目の奇跡が起きると思う。


 とりあえずシールドピクシーが展開させたドーム状のエネルギーバリアに俺たちは守られている。

 女王ベアーアントの強大なアゴを持ってしても砕けないほど頑丈だ。

 しかし、いつまで持つのやら……。


「にゃあちょといいにゃっシールドピクシー?」

「はいっアタイになんでしょうかサタンさま」

「にゃっ……」


 勝気なピクシーに話し掛けるのに緊張しちゃったが、思いのほか順応に応えてくれたから安心した。

 しかし俺って悪魔王なのにどうして気が弱いんだろう。まぁとにかく気になることがあったから聞いてみよう。


「このバリアにゃいつまでもつにゃ?」

「あーっまだレベル1ですからもって3分ですね」

「にゃっ!」


 なんでカップラーメンの待ち時間と一緒なんだ? 大体3分なんてあっという間だぞ。

 だから聖女さまがお祈りしている間にバリアが解除されちゃうよ。


「聖女さまぁ〜お祈りしている場合じゃにゃいにゃっ!」


 焦った俺は聖女さまの肩を揺すった。しかし彼女は頑なに合掌して戦女神に祈りを捧げていた。

『ううっどうしよう』かくなる上は召喚済みの悪魔を呼び出そうとしたが、バリアが狭くて定員オーバーで無理だと分かった。

 当然カプセル自販機を呼び出すこともバリアが解けてからじゃないと不可能だった。


 その間に女王アリが巨大アゴでバリアを齧り侵入のスキをうかがっていた。


「チッ!アリの内部に揮発性麻痺毒があるなんてぬかったな……」


 谷川シェフ呟く。

 ベテランであっても油断をすると命を落とす。今が正にその状況だ。彼は苦しげな表情を浮かべ片ヒザを突いて動けない状況。

 メリーも聖女さまも痺れて動けない状況。さっきも思ったが、俺と召喚悪魔は影響受けてない。

 まさか俺の可愛らしい身体は頑丈? これで強かったら無敵だったな……。


 考えている内に3分経過した。

 氷が溶けるみたいにシールドが上から消えていった。


『ガチガチガチガチ……』


 女王アリが待っていたとばかりにアゴを鳴らし侵入して来た。


「にゃっ!」


 最早ステータスオープンして、悪魔召喚している余裕はなかった俺は思わず聖女さまの陰に隠れた。

 すると当然盾にしたもんだから聖女さまに睨まれた。


「サタンちゃま。なんとかしなさい」

「にゃっ!ガチャするにゃも、じ、時間がにゃいにゃっ!」


 俺はかなりテンパっていて頭が混乱していた。もう駄目かと諦めたその時。


 ガインッ!


 例の虹斧が空から降って来て丁度、聖女さまの目の前の地表に刺さった。この前はじっくり見る機会がなかったが良く見ると、彫り込まれた彫刻と金と宝石が散りばめられ繊細な装飾の純白の柄に反して、力強い見事な双刃。

 この世の物とは思えない斧が虹色の輝きを発していた。


「おおっ……戦女神様に今回も、あたくしの祈りが通じました。大変感謝しますわ……」


 祈りを終えると聖女さまが斧を掴んだ。すると全身が麻痺していた身体が奇跡にも立ちあがった。

 聖女さまの全身が光り輝き銀色の長い髪が金色に変化した。

 その神々しい姿は女神か天使か……。


「やっば!その光っ!」


 シールドピクシーが聖女さまの光りに怯え俺の背中に身を隠した。俺は大丈夫だけどやっぱり悪魔にとって聖なる光りは苦手みたいだ。

 そうなるとやはり本物。


『ギッガチガチッ!』


 危険を察知したのは女王アリも一緒でアゴを鳴らし怯えている様子。

 斧を構えた聖女さまが女王アリに近づいた。


『ガチッ!』


 先に動いたのが女王アリで強靭なアゴで聖女さまに攻撃した。しかし聖女さまは斧でアゴを受け止めた。


『ギッ!』


 アゴが砕け光りの粒子になって天に昇った。

 そしてすかさず縦に一振りすると女王アリの頭から尻尾まで真っ二つになって崩れた。


「凄えっ!」


 見惚れていた谷川シェフが声に出した。


「もう大丈夫ですよ」


 優しく微笑んだ聖女さまが振り向くと谷川シェフに近づき左手を差し伸べた。光りに包まれた彼は動けるようになって麻痺毒が浄化されたみたいだ。


「凄えっ動けるぞっ!」

「あたしもっ!」


 聖女さまの奇跡を体感した谷川シェフとメリーが驚き手を合わせ、感動している様子。


 今回はまだ斧が消えない。


「アレを放置するのは危険ですわね……」


 聖女さまは兵隊アリの死骸に近づき斧で叩き斬った。すると一瞬にして光りの粒子になって消えた。

 こうして無数に散らばるアリの死骸を次々に浄化していく聖女さま。


「聖女様っ一体だけ残してっ!」

「んっ?」


 なにを思ったのかメリーが最後の一体の前で、両腕を大の字に伸ばし立ち塞がった。


「なにを血迷っているのメリー……その死骸からは有害な麻痺毒が外に放出されているのよ」

「分かってる。だからその毒を少し回収したいのよ」

「……聞き捨てなりませんね。もしや良からぬことに使用する気じゃありませんの?」

「あたしを信じてっある獲物を捕まえるために使用したいだけよ」

「なるほど……罠に利用するならわたくしも賛成ですわ……」


 アゴに手を当てしばらく考えたあと聖女さまがうなづき了承した。

 暗殺なら皆んなで止めるけど、狩に使うなら俺も賛成だ。


 谷川シェフの手を借りて、麻痺毒の採取に成功したメリーは大事そうに鞄に詰めた。


「それでは北海道クエスト無事終了ね。早速撤収して東京に帰るわよ」


 役目を終えた虹斧が消え元に戻った聖女さまが言った。しかしメリーが北海道グルメ食べたいとグズったので、お土産屋に寄ってから帰還した。


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