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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと七斬り様の祟り22 たった一回のガチャ回し

 

「空高くいるこの私に対し、地上で見あげる君たちがどうやって攻撃が届くと言うのか?」


 上空約18メートル先に宙に浮かぶパペットが俺たちに聞いた。確かに飛び道具か攻撃魔法でしか届かない距離だけど、俺たちにはそれすらも必要なく攻撃を届ける手段がある。

 俺はドラコスの足元によじ登り肩に到達して座った。しかし3メートルの巨ジンの肩まで登るのは中々難儀だな。


「おみゃえら飛ぶにゃ!」


 俺はパペットに向かって指差し命令した。


「ケケッ了解っ♬」


 愉快そうに笑った黒鴉が漆黒の翼を広げた。コイツは黒天使だから当然翼を持っていて飛べるんだ。


「出来ますけど〜〜言ってもらえれば……私がおんぶ差しあげましたのにぃ……」


 両手の人差し指の先をくっ付け身体を左右に揺らし、妬ましそうにドラコスを睨むクレナが渋々コウモリのような羽の無い翼を広げた。彼女は悪魔騎士だから正真正銘悪魔の翼持ちだ。

 それにしても、俺がドラコスを選んだことで嫉妬してスネるその様子は、凛々しい女騎士でも中身はまるで子供だ。


「空ですか、ちょっと骨馬(ボーンホース)を呼びますのでお待ちください」


 そう言ってロウランが輪にした指を咥え口笛を鳴らすと、空から全身骨の翼を生えた馬が走りながら降りて来た。

 まさに死神にふさわしい馬だな。


「『では先に参ります』」


 三人娘が一斉にパペットに向けて飛び立った。


「ドラコスッ遅れを取るにゃよっ!」

「ああ、任せてくださいサタン様」


 俺にうなずいてからドラコスの背中に生えている翼が開いた。コイツは悪魔だからクレナと同じ羽の無いコウモリのような翼だ。

 ちなみに俺も同様な翼が背中に生えているが、服に隠れるほど非常に小さいから飛べないのだ。まぁ、大抵は大ジャンプして頭突きで届くから必要ないがな……。


 ドラコスの肩に乗った俺はパペットがいる上空まで接近した。他の三人は既に戦闘中だ。


「空を飛べるなんて厄介ですね」

「ケケッ♬ 逃げてないで戦えよ」


 剣を振り回す黒鴉がパペットを追い詰める。


「クッ、逃げてなんかしませんよ。ただ単に貴女の攻撃をかわしたに過ぎませんよ」

「ケケッ苦しい言い訳だなっ、そろそろこのクソ暑い世界から出たいから死んでもらうぜ!」

「貴女には話しが通じないようですね……仕方ありません。とっておきのスキルを使います」


 パペットの肩に生えた手の指先から糸が発射され黒鴉の身体を貫いた。


「なにっ!?」

「クク、貴女には私の操り人形になってもらいますよ……」

「うわっ! 勝手に身体が動く」


 黒鴉の関節を曲げた身体が操り人形のように不自然に動いて、俺たちの方に振り向いた。

 そしてデタラメな動きでクレナたちに向かって斬り掛かった。


「ちょっと、なにをするか黒鴉っ!」


 後退して剣をかわすクレナ。


「ケケッ♬ どうやらパペット野郎に身体を操られているみたいだな……」

「もうもうもう〜〜、黒鴉(あなた)ほどの達人が、簡単に操られてなにやっているんですか?」


 骨馬にまたがり手綱を引いたロウランが頬に左手を添え、呆れるように黒鴉に言った。


「済まねぇケケッ♬ 悪いけどワタシを糸から解放してくれないか?」

「んもうっやりますけど、さっきから味方に剣を振るのはやめてもらえますか?」

「さっきから無理だって言ってんだろ。あーうざっ止めて!」

「『……』」


 クレナとロウランはなんとか攻撃をかわせるが、味方だけあって反撃出来ずに困っている様子だ。


「クク、どうしました? 逃げてばかりでは私を倒せませんよ」

「ふざけんなっ! ワタシを盾にしないで正々堂々戦ったらどうだ?」


 パペットに向けて振り向いた黒鴉が文句を言った。


「クク、それは出来ませんねー、何故なら私自身の攻撃力は最弱だから、人形の力に頼ざる得ません」

「なら、糸を切ってスキルを封じれば簡単に勝てるのら」


 上空から急降下して割って入ったエイトさんが、両手で握った剣で糸を斬った。


「なにっ、わ、私の鋼鉄より頑丈な糸を!」

「……エイトの聖なる武器(ホーリーアームズ)審判する剣(ジャッジメントソード)は悪しきモノならなんでも斬れるら」


 糸を切断したエイトさんは片ひざつけて地上に着地した。


「まさか白天使に助けられるとはなケケッ……」

「……別に好きで黒天使を助けたわけじゃないのら……」

「だったらなんだよ?」


 黒鴉は馴れ馴れしくエイトさんの肩にヒジを乗せ聞いた。


「……早くこの村の惨劇を止めるためのら」

「なるほどね……いやいや真下は血みどろでお祭り騒ぎだなケケッ♬」

「…………黒鴉っ先に横溝兄(あの男)を止めるのらっ」

「命令すんじゃねーよ白天使。だけどよっほっとくとマジで村人全滅するから手伝ってやるよ」

「……助かるのら」

「ケケッ♬ 今日だけだぞ」


 普段は敵同士の黒天使と白天使が、操り人形と化した横溝兄を止めるべく手を取り合い下に降りた。


「ちょっと二人とも待って〜!」


 ロウランも二人のあとを追った。


「クレナにドラコスッ残ったアタチたちでパペットを倒すんにゃっ!」

「了解しましたサタン様っ!」

「うむ〜う……野郎には興味がないが仕方ない」


 俺の命令を受けた二人がパペットに向かった。


「クッ! 不用意に私に近づくと操られても知りませんよっ!」


 後退するパペットの四つの手から糸が発射され、二人の身体をがんじがらめに巻きつかせた。


「しまった!」

「なんのこれしき……ムオッ!? 俺の力でも引きちぎれぬ糸だと……」


 俺はなんとかかわせたが、二人は糸でぐるぐる巻きにされて身動き出来ないみたいだ。

 しかもあの馬鹿力のドラコスが力を入れても千切れない強靭な糸だ。


「クク、これだけの糸を巻きつかれたら、内側から引き千切るのは不可能ですよ」

「にゃにゃっ♬ アタチがいるのを忘れているようだにゃぁパペットよ」


 ドラコスの肩の上で立って両手を腰に添えた俺が高らかに笑った。


「なに、子供が偉そうに、たった一人でなにが出来る……」

「にゃにゃっ♬ アタチは悪魔王サタンちゃまだ。で、おみゃえごときにアタチが戦うまでもにゃい。だからにゃガチャスキルで部下一人出して戦わせるにゃっ」

「ほ〜噂のガチャスキルなるほど……お前を操れることが出来れば私はより強くなるな……」


 俺の誘いに興味を持ったパペットが、アゴに手を添えうなづくと地上に降りた。


「今一回だけと言ったな?」

「にゃにゃっ♬ 一回で十分にゃっ」

「……そうか、良く分からないがやってみろ」

「にゃははっ♬」


 パペットが了承したので俺は早速悪魔ガチャスキルを発動させた。


 ズズズズンンン……。


「おおっこれが……」


 空から落ちてそびえ立つガチャ自販機にパペットが近づき、興味深げに手で触れ見あげた。


「勝手に触るにゃ」

「おお、これは失敬っしかし、この勝負に私が勝ったら、ガチャ自販機は頂くぞ」

「にゃにゃにゃっ♬ アタチのガチャ運を甘く見るにゃよ」


 踏み台に右足乗せた俺は一回分の魔力を自販機に注入して、ガチャハンドルを回した。

 ガチャガチャと音を立てて、排出口からカプセルが飛び出し転がった。


「にゃっ……」


 しかしその色を見て俺は絶句した。


「銅色のカプセル……素人目でも、当たりとは思えませんね〜?」


 出たのは銅のレアリティ星1のカプセルだった。それで見透かされたのか、パペットが俺の顔を見て嫌味っぽく呟いた。


「た、確かに星1カプセルだにゃしかし、中身を見て見にゃいとまだ勝負は分からにゃいのだ」

「よろしい。では確認するが良い」


 余裕があるのかパペットは、四本腕を後ろに組んでアゴ先をあげた。

『舐めやがって』今に見てろ……。


 パカッ!


 星1カプセルが自動で開いた。すると中から出て来たのは、背丈が俺と同じで平べったいクリーム色の人形。まるで子供のラクガキのような短略化丸い頭と手足と胴体。つぶらなポチ目にタラコ唇のシンプルな顔でファンシーな印象。

 胴体にはチーズ味と謎の表記……。


「にゃにんにゃおみゃえ……」

『…………』


 初めて見る悪魔でどうやら喋ることが出来ないらしくて、陽気な顔でコクコクと頭をさげた。


「とりあえずおみゃえが何者にゃのか……」


 早速ステータスチェックした。


【 クッキー人チーズ味レベル1 魔力5 攻撃力2 力2 体力3 素早さ30 幸運15 特殊スキル 非常食スキルレベル1 】


「にゃっ……」


 クッキー人って滅茶苦茶か弱い悪魔だ。しかも非常食ってどう言う意味だ……。


「社長っ美味そうな匂いっすねー?」


 チーズの香に誘われてヒョッコリ顔を出した黒鴉が目を細め、嬉しそうに俺に聞いてきた。


「おみゃえ横溝兄はどうしたにゃ?」

「クレナ一人で大丈夫っすよ〜、それよりこのチーズ味美味そうっすね?」

「食うにゃよ」

「ケケッ♬ だったら一口パクッ♡」

「にゃっ!」


『食うな』と言ったのに黒鴉はクッキー人チーズ味の左肩を齧って食べた。

『仲間を食うとか鬼畜か……』でも、食われた本人は表情も変えずにニコニコしている。まぁ、食われることがコイツの使命なら本望か……。


「ハハッ! なにかと思えば動く非常食とは面白いジョークだ。でっ、そんな奴出してこの私に勝てると思っているのか?」


 パペットが笑いながら言ってきた。


「勝てるにゃアタチ以外にゃらね」

「なにっ…………ぐっ!」


 パペットの背後から一本の刀が胸を貫いた。


「ぐっ、卑怯な背中から……」


 口元から血を流したパペットが後ろを向くとそこに、刀を突き刺す鬼姫がいた。

 悪魔七将軍の一人星6レアの鬼姫を、パペットがクッキー人に気を取られているスキにコッソリ召喚していたのだ。

 そしてまんまと背後から刺されたわけだ。しかも彼女にも肩に腕をが生えていて刀を握っていた。


「残り三本の刀が残っておるから、お主も終わりでおじゃる」

「おのれっぐっ! がっ!」


 鬼姫は残り三本の刀をパペットに突き刺した。


「ば、馬鹿な……こ、この私が……ま、不味いこのままでは……」


 四本の刀を刺されたパペットが抜かずに、フラフラと歩き逃げ出そうとしてた。


「逃がすかにゃんっ!」

「きっ、貴様っちびっ子!?」

「にゃんっ!」

「ぐっ!!」


 回り込んだ俺は、パペットの顔目掛けてジャンプし頭突きを喰らわせた。


「ば、馬鹿な……ここに来てよもやこんな子供に……トドメを……」


 ひざまづいたパペットが捨て台詞を吐くと頭を下に向けて動かなくなった。そしてその身体が崩れ去った。


 ピコン!


『サタンちゃまのレベルがあがりました』


 レベルアップの通知が来た。と言うことは、パペットは俺の頭突きで倒されたんだな。

 ステータスチェックはあとにして、とりあえず七斬り村のクエストは終了か……。


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