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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと七斬り様の祟り18

 

「ちょっとなによ……」


 天狗の面をつけた六人の男たちが客間に入って来てから、呑気に寝ていたメリーがやっと起きた。


「なんだコイツらは武器を持ってまさか、我々を拘束する気なのか?」


 起きあがったビビットさんが枕元に置いていた杖を握った。一方同じくザレオンさんは剣を握ると切っ先を天狗面に向けた。


「おいっ武器を持っているなんて聞いてないぞ……?」

「いや待てアレが本物である証拠がどこにある?」

「確かにそうだな……」


 どうやらコイツらはザレオンの剣がオモチャと勘違いしているらしい。

 まぁ女だから簡単に捕まえると思ったに違いないが、舐めていると幼女の俺相手でも痛い目に逢うぞ。


「ここは私が相手だ」


 ザレオンが前に出る。

 彼女はSS級の冒険者の一人だから例え六人の男相手でも負けないと思う。しかも相手は冒険者じゃないし一般人だ。

 ただし問題がある。一般人だからちょっとした攻撃でも受けたら致命傷だ。そこは慎重にならなければいけない。


「ザレオンッ相手はただの人間にゃから、間違っても殺すにゃ」

「殺すなか……ちょっと加減するのが難しいが、やってみる」


 俺の言うことを聞いたザレオンが両手で剣を構えた。ようやく今一だった彼女の見せ場が見れるな。


「……まさかその剣は本物なんか? チッ、わいら気ばつけれ!」

「『はいっ!』」


 よく見ると一人だけ白天狗の面をつけていた男が指示し、残り五人が一斉に返事を返した。と言うことは……腕組みした偉そうなたたずまいから奴らのリーダーか?


 五人の天狗面がザレオンを囲んだ。それぞれの武器はカマや包丁、ナギガタに金属バットだ。それに対してザレオンの武器は長剣だから狭い室内で戦うのは不利に見えた。

 大ぶりに振れば柱に当たって剣が抜けなくなるし、相手を殺さず加減して戦うにもこの天井が低い部屋では戦い難い。

 しかし、ザレオンの剣技なら問題ないだろう。


「どうせ生け贄にするったい。殺してん構わん」

「『了解っ!』」


 リーダーの命令を受けた五人がザレオンに向かって一斉に襲い掛かる。しかし彼女は素早い動きで男たちの右手を攻撃して武器を弾いてから、蹴りで吹っ飛ばしその手順で全員倒した。


「まるでなってない。この者たちは戦いのシロトか……」

「ふっ、アタシの出る幕じゃなかったようね」


 ビビットがザレオンを労うように肩を叩いた。いやいや貴女の場合魔法だから、屋敷内で炎魔法使ったら火災になって大変でしょう。


「さて、残るはお一人みたいですね……」


 剣を鞘に収めたザレオンさんが鋭い目で白天狗面を睨んだ。


「ば、馬鹿な……コイツらは村一番血気盛んな若か衆だぞ……それをガイジンの小娘一人に負けおって……」


 怯んだ白天狗面が後ずさりした。


「あら、ガイジンではありません。私は異世界人とこの世界の人々からそう呼ばれています」

「チッ! こうなったら」

「にゃっ!?」


 追い詰められた白天狗面が咄嗟に俺を捕まえ抱き抱えた。

『なにしやがるこのロリコンが!』まぁ冗談はさておき、よりに寄って俺に狙いを定めるとはな……言っておくが一番弱そうだが、体力、スキルを含めこの中では最強だぞ。


「こん子供ん命が惜しけりゃ、うちん言うこと聞け!」

「にゃっ」


 白天狗面が取り出した包丁で俺は喉元を突きつけられた。まぁ余裕だ。さて、どうやって反撃しようか……ここはやはり十八番の……。


「にゃんっ!」

「なんっ? ぐはっ!!」


 白天狗面の顔面に俺の頭突きが炸裂して吹っ飛んで、庭先まで転がった。


「ぬががが……単なる頭突きなのに、なんに凄か威力や……」


 白天狗面が砕け血が出る顔面を右手で押さえた男が顔を向けた。

 その正体は、村長の孫の父親だった。


「我が息子よ、なんに子供相手に情けなかとう…………」


 すると庭の奥からしわがれた声が聞こえ、背の低い老人が武器を手にした数十人の村人を従え姿を現した。


「ひょっひょっひょう、援軍ば連れて来とって正解じゃったな」

「父上っ!」


 三郎の親父が言ったってことはこの老人はこの村の村長か……。


「本来やったら儂ん役目はわいん馬鹿息子がやるはずじやったばってん。がどこで油ば売っとーとやらひひ……」


『このクソジジイ』は孫が行方不明なのに笑ってやがる。


「そ、それが息子は未だに帰って来ん……」

「そりゃ聞いとる。儂が聞きたいのは一体なにがあった?」


 村長は非科学的な七斬り様の祟りのせいにする気か? まーそれは違うだろう。

 とはいえ、そのスキに俺は黒騎士三人娘をこっそり召喚した。


「社長っ呼びました?」

「呼びましたって黒鴉(お前)なぁ、この状況見れば大体分かるぞ」

「確かに修羅場ですわねぇ……」


 黒鴉、クレナ、ロウランの順に好き勝手言った。


「なんじゃと……いつん間に小娘が増えとる!」

「あ〜ら私に小娘とは聞き捨てならないわね」

「なん……?」


 ロウランが言ったことにジジイは理解出来ずに首をかしげた。

 それにしても笑いが込みあがる……。


「にゃにゃにゃっ♬」

「おっと! なんじゃ突然子供が笑いおった?」


 高笑いした俺に村長が引いた。まぁ皆同じリアクションする。


「ヒッヒッ……やはり孫がまだ帰っとらんか……」

「ん、アイツは……」


 屋敷内から現れた白髪の老婆が笑いながら呟いた。その姿に見覚えがあったのか黒鴉が気づいた。それで老婆の問いに村長が代わりに答えた。


「ああ、朝から山に入った三郎が未や帰っておらん……」

「なんじゃと、やはりこれは七斬りん様の……」


 さあ、思わせ振りな老婆の口から定番のあの台詞が聞けるから、ちょっとドキドキしてきた。


「祟りじゃああぁぁってか?」

「にゃんにゃっ黒鴉(おみゃえ)が言うにゃ」

「ケケッ社長っ祟りなんてありゃしないのにコイツらなに迷信なんか信じているんでしょうねぇ?」


 まぁそうだが、非科学的な塊のお前が呪いを否定するな。むしろ黒鴉の陰キャな髪型は呪ってそうなそっち側だぞ。


「な、なんじゃお主らは……」

「おっ! ワタシらにビビったか祟りババア?」

「た、祟りババアじゃと……」


 詰め寄って煽るな黒鴉。


「なんじゃ小娘が……」

「……ちょっと社長っ〜今聞きました? 人間の分際でワタシらに対して小娘呼ばわりですぜ」


 振り向いた黒鴉が俺に聞いてきた。奴は黒天使で数千歳は生きている。まぁ第二次最終戦争で一度死んだけどな。


「さっきからなんば言いよー小娘……」

「分かんねーかな人間……たかが百歳越えたってワタシら黒天使にしたら赤ちゃんだぞケケッ♬」


 そう言って黒鴉は黒天使の証拠に黒い翼を物質化してババアに見せた。


「なっ! く、黒い翼……まさか鴉天狗様じゃと…………」

「ちげーよババア! ワタシを鴉と一緒にするんじゃないよ」


『……半分当たってんじゃねーかよ黒鴉』しかし相変わらず口が悪くババア相手に容赦しねえな。

 すると『ハッ!』とした表情を浮かべたババアが突然黒鴉に対して土下座した。


「かっ、鴉天狗様っ、馬鹿孫が勝手に神聖な山に入ったとばお許してくれんっ!?」

「ケケッなに……」


 まだ黒鴉を鴉天狗と勘違いしている祟りババアだ。しかしこのまま押し通すのも手だな……。


「社長っどうしますコレ?」


 流石の黒鴉も勘違いババアの対応に困り果てた様子だ。しかし俺に聞いても困るな……。


「アンタらが探している三郎とやらはコイツか?」

「『!?』」


 庭の奥の方から声がして、敵も味方も全員が振り向いて注目した。

 すると『ぼうっ』と明かりが灯り三郎の顔が闇夜に浮かんだ。


「三郎っ今までどこ行っとった? あまりに帰りが遅かんで皆心配しとったぞ」

「…………」


 青白い顔した三郎は父親の声に反応しない。


「ん、どがんした三郎っ顔がやけに青白かぞ……」

「くく……父親が心配してるんだ三郎よ。報告してやれよ自分が死んだことをな……」


 口をだらしなく開けたまま三郎が喋ったので、皆異様さに気づいた。


「なんっ!?」


 すると、闇夜に浮かんでいた三郎の首が宙に飛んで父親の足元に転がった。それは恐怖で顔が歪んだ血の気の引いた三郎の生首だった。


「ひっひいっ!」


 息子と言えども生首として帰って来たので、恐怖した父親が腰を抜かした。

 そして声の主がゆっくりと姿を現した。


「三郎自身から悪事を洗いざらい聞いたから、こうしてやったぜ」


 見覚えのあるアロハシャツを着た男が姿を現した。もう分かると思うが刀を握った横溝弟だった。


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