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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
タイムトラベル編

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サタンちゃまと七斬り様の祟り11

 

 祟りババアが去ってから女将が来て今晩屋敷に泊まるよう勧められた。それはもう願ってもないチャンスなので皆依存はなかった。

 もっと快適なガマハウスがあるけど、こんなお化け屋敷みたいなところで皆んなと寝るなんてワクワクする。

 こうして俺たちは女将に六畳ほどの広さの客間に案内された。ちなみに同じ広さの部屋が隣にもあって男子と女子に分かれて寝ることになった。


「今夜はご自由にお使うてください」

「ちょっと待ってください」


 (ふすま)の前で正座して会釈する女将がそう言って立ち去ろうとすると、横溝のおじさんが呼び止めた。


「はい、なにか……」

「あの〜私らの他に旅行者は〜」

「他の旅行者……ええ、居りますよ。昨日こん村に訪ねて来た二人組みん学生さん……確かご兄弟やったね……」


 二人組みの学生とやらは、間違いなく若き日の過去の横溝兄と弟だな。

 歳取って全く別人だとしても過去の自分と会うのはなにが起こるか分からず危険な行為だ。


「ああそうですか。それで彼らは今どこに?」

「はて……昆虫採集が趣味とかで二人して山に出掛けと最中でございます」

「そうですか、先客に挨拶でもしようかと思っていましたが、分かりました済みません」


 不信がられずに自然に情報を聞き出す横溝のおっさんは中々頭がいいな。しかし大学生にしてもいい歳した大人が昆虫採取って……分かる。好きなものはジジイになっても胸張って人に言えばいい。俺も1万年生きてきたけどこの通り、精神が子供で成長してないからな。


「にゃははっ♬」

「ちょっとちびっ子!」

「にゃんにゃメリー?」

「アンタどこでも急に笑い出すのやめなさいよ」

「フンにゃっほっとけにゃん! ズッズズ……ゴクン、それよりメリー」


 俺は熱いお茶を飲み干しお茶碗をテーブルに置くと、横目でメリーを見つめた。


「な、なによ急に……」


 引くなメリー別に取って食うわけじゃないから。


「今から虫採りに山に行かにゃいか?」

「虫ぃ? なんで虫なんか採りにしかも危険な夜の山登んなくちゃいけないのよ?」

「にゃむ〜〜」


 虫採り飼育文化のない異世界人に虫採り誘ったのが悪かったな。ま、彼らにとって虫はモンスターとか死に関わる厄介なイメージだから理解されなくて当たり前か……。


「仕方にゃい。メリーは無理してついて来なくていいにゃっ!」

「なによちびっ子……最後の語尾『にゃっ!』強調してクソムカつく。分かったわよ、ついていくから途中ガマハウスで休憩よ!」

「にゃっ……そにゃおみゃーガマハウスのアイス食べたいだけにゃろ?」

「悪い? あと弁当にうんまい棒お得用セットも用意してよね」

「にゃっ……」


 言っておくがタダじゃないのだから、取った分だけ俺の魔力量が減るんだぞ。

 まぁこうしてメリーがついて行くことになったが、実に厚かましい。


「おっ! なんだか面白そうなことしてんな。私も混ぜてくれないか?」

「あたしも……」


 声を掛けたヒューイとビビットが手をあげて虫採りに参加。で、虫採りメンバーは俺と時道、たい焼き姫、犬飼、横溝のおっさん、鷹村警部、メリー、ヒューイ、ビビット、エイトさんと居残りの黒鴉含めて11人だ。ちなみに戦力温存のためにクレナとロウランには悪魔ファイルに戻ってもらう。


 さて、残りのメンバーは村長の屋敷に居残りでなにかあっても、スティルスモードのE-アルマーが目を光らせているので大丈夫だろう。


 んで早速俺たち虫採り(仮)メンバーは夜の山へと出発した。


「しかし今から横溝兄弟を山中で探すのは骨が折れる……そうだ!」


 鷹村警部は急になにか思いついたのかポンと手の平を叩いた。


「横溝っこの日どこまで行ったか覚えてないか?」


 なるほど、未来の鷹村兄に聞けば分かるかもな。しかし彼は申し訳なさそうに後頭部を掻いた。


「すんません。50年前のことなんで場所覚えてません」

「チッ! その位覚えてれよ。使えない男だ。さてどうしようか……ん、なんでも出せるちびっ子なら……なんとかしろ!」

「にゃんと!」


 俺と目が合った鷹村警部はなにか思いついたのか肩を掴んで頼ってきた。

『にゃんだか俺を便利な青いネコ型にゃんちゃら』と勘違いしてんな。

 しかし、にゃとかしろと言われたらにゃんとか出来るから困りものだ……。

 俺は渋々ステータス画面を開いた。


「おっ! 出た得意のステータス画面」


 ウイスキー飲みながら犬飼が俺のステータス画面を見て褒めた。


「にゃむ〜……気が散るから覗くにゃ……」

「いやあ〜悪い。どうぞ気にせず」

「……やり難いにゃっ」


 皆の注目を浴びる中俺は悪魔ファイルを開いて片耳ブタノーマルと目つきの悪い(ワル)片耳ブタを召喚した。


「おっ! 黒豚だ美味そう」


 ちょっと黙ってろ犬飼。


「今から若き日の横溝兄弟を山中で匂いを頼りに見つけるんにゃ」  

「『 ブイッ! 』」


 俺は片耳ブタに横溝兄の靴下を借りて匂いを嗅がせようとした。


「『ブーー』」


 すると離れていても臭いのか片耳ブタ二匹が俺に猛烈に抗議した。まぁ、これも仕事だから許せ。


「『ブイッ!』」


 嫌々靴下の匂いを嗅いだ片耳ブタ二匹はすぐ反応し、二股の道の内左を右前足あげて差した。


「左の道を通ったらしいにゃ」

「ちょっと大丈夫なの? こんな子豚に道先案内されてぇ……」

「『ブーーッ!!』」

「ちょっと怖っ!」


 子豚扱いしたメリーに片耳ブタが怒って威嚇した。このあと俺が二匹を誉めてホローしてやったが、少なくとも文句ばかり言ってるメリーよりかは使えるぞ。


 さて時道たちが先頭で山道を歩き始めた。そのうしろを俺たちがついて歩く。

 で、その前に俺は黒鴉に手招きした。


「黒鴉ちょっと来いにゃ」

「なんすか社長っ小さな手ブンブン振って、そこら辺の毒キノコでも齧って痙攣してたすか?」

「にゃむ〜〜相変わらず口の悪い部下にゃ」

「へへっ毎度♬」

「にゃっ……」


 悪く言ってんのに黒鴉は上機嫌に手揉みしながら俺に擦り寄って来る。どうせ褒美のうんまい棒目当てだろう。

 しかしヘラヘラしてるのは今のうちだぞ。


「おんぶっ!」

「あっ…………」


 黒鴉は向きを変えてスタスタ歩いて俺から離れようとした。疲れる仕事はトコトン避ける黒鴉は分かり易いクズだな。


「こにゃーっ黒鴉まてにゃっ!」

「ちょっと社長っさっきおんぶやったじゃないですかぁ? なんでまたご指名? 殺す気ですか?」

「大丈夫にゃ、三人でジャンケンでアタチをおんぶするか決めるにゃ」

「またジャンケンすか……ワタシジャンケン弱くてさ……大丈夫にゃ、今回はクレナとロウランには戦力温存のため悪魔ファイルに戻ってもらったにゃ」

「え、あれっ…………いつの間にか二人がいないと思ってたんだーーっあーマジか!」


 絶望して頭を抱えた黒鴉がヒザを落とした。まぁ今回も頑張って俺をおんぶしろ。

 さて、さっさと兄弟捕まえて問題解決して屋敷に戻って風呂に入りたい! なんなら行く途中ガマハウスの風呂に入ってもいいな。


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