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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
異世界大陸編

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サタンちゃまとダンジョン祭り12 邪神の怒り

 

「ちょっと待てよ」


 俺たちに取り囲まれた邪神が右手で制した。


「にゃんにゃもう降参にゃ?」

「馬鹿野郎ちびっ子。戦う前に降参するわけねーだろ? ちょっとやることあってな、しばし待て」

「にゃに……」


 そう言って邪神はシャベルを地面に突き刺して置いてから、頭にしがみ付いていた猫を両手で引き剥がし地面におろした。


「二度とダンジョンに入るんじゃないぞ」

『ニャア』


 顔をあげたキジ猫が邪神に向け鳴いた。すると皆が俺に振り向いた。『いや俺じゃね〜よ』鳴いたのはリアル猫だ。

 キジ猫は尻尾をピンと立てて街の方に行ってしまった。それを優しく見守る邪神の背中。

『ちょっと調子狂うな』こんな優しさ見せられたら戦い難いじゃないか。まさかこれも邪神の作戦か?


 しかし『……そういや忘れてたな』このキジ柄の猫はダンジョン地下一階で保護したんだ。しかし『置いていけば魔物の餌食になるからほっとけない』と言って保護したのが邪神だから以外だった。

 そう、邪神の癖に優し過ぎる。まるで人間みたいだ。まぁ、前世が人間だと本人が言ったのもうなずけるな。


「さて、邪魔するなら容赦しねーぞ白天使」

「…………」


 振り返った邪神が地面に刺していた3Gシャベルを引っこ抜くと肩に掛けて、エイトさんに指差した。

 するとエイトさんは眠そうな目で、たこ焼き屋従業員姿から純白強化レオタード姿に瞬間変身してジャッジメントアックスを両手で構えた。


「ほう〜善には癒しを与え、悪には倍のダメージを与えるジャッジメントウェポンか……シシ、果たして俺に効くかな?」

「……もちろん効くに決まってるのらっ悪い方にらっ!」

「おっ!」


 素早い動きでエイトさんがジャッジメントアックスで邪神を斬った。


「…………」


 しかし邪神は立ったままで倒れない。まさか効いてないのか?


「イッて! マジで斬りやがった。ちょっとだけ痛えじゃねえか」

「……お前ほどの悪さしている邪神がちょっとだけのダメージのハズないのら……」


 納得がいかない様子でエイトさんが答えた。

 確かにダメージを受けたから邪神は悪なのかな? でも微妙なほど軽微だし、善と悪の中間って感じだな。


「シシ、エイト(お前)が思ってるほど俺は悪かねーぞ。むしろ独自の正義を持っている」

「……邪神があり得ないのら……」

「ハッ、ろれつが回らない変な口調で言ってんじゃねーぞ金髪おかっぱ眼鏡天使。それにとろ〜んとした目は徹夜してゲームでもして寝不足か?」

「…………」


 ほとんど悪くだな。

 で、言われたエイトさんは眼鏡を外してから、右腕で目をゴシゴシ擦った。


「ところでよちびっ子」

「にゃっ!」


 急に邪神に振られて不意を突かれた俺は顔を見あげた。


「おいおいビックリすんじゃねーよ。ちびっ子と言ったらお前しかいねーよ。それよりどうする……」

「にゃっ…………」


『いきなりなにを聞いてるんだ……』相談なんてまるで俺が邪神の仲間みたいに思われるじゃないか……。

 するとエイトさんとメリーが疑いの目で俺を見つめた。『危ねぇ』この場に聖女さまが居たらお仕置き喰らっていたな……。


 しかし邪神の奴まさか、俺を仲間に引き込む作戦か?


「社長邪神に寝返ったんすか?」


 早速目を細めた黒鴉が楽しそうに聞いて来た。で、俺は即座に手を横に振った。


「んにゃわけにゃい。とっとと邪神を止めるんにゃ」

「『了解しました!』」


 一斉に返事した黒鴉、クレナ、ロウランが武器を構えて邪神に対峙した。

 それに対し邪神はヤル気がないのか困ったように肩をすくめた。


「ちょっと待てお前らマジか?」

「うるちゃいな〜コッチはおみゃえのせいでダンジョン祭り失格ににゃってイラついてるんにゃっ!」

「おいおい、俺のせいじゃねーよ。悪いのは地竜を操る魔王軍幹部だ」


 確かにそうだ。しかし、邪神が飛び入りで祭りに参加してから滅茶苦茶になったのも確かだ。


「本当やってくれたのら……」

「おっ、なんだ白天使文句あんのか?」

「……本当なら、祭りに優勝して王様に謁見して国が管理する我々の異世界大陸召喚装置内に入る許可をもらう作戦だったのら……」

「へ〜〜入ってなにすんだ?」

「…………」


 邪神は友だち感覚で聞いてくるけど、そう簡単にエイトさんは敵に情報を教えるハズはない。


「……中に天界に繋がる通信装置があって、それを使って天使軍伝説の戦艦(レインボー)不死鳥(フェニックス)号を呼ぶのら」


 あ、あっさり言っちゃったエイトさん。


「へ〜いいこと聞いた。だけどなシシ……それを聞いたらなおさら俺は一歩も引くわけにはいかなくなったな」

「……この人数相手に無傷じゃ済まないのら」

「シシ、言うじゃねーか……」


『コッチ見るな邪神』これ以上仲間と思われたら取り返しのない事態になるので俺は邪神に頭突きをかました。


「にゃんっ!」

「痛っこのちびっ子急になにしやがる!」

「にゃにゃっ♬」


 両手を腰に添えて俺は陽気に笑った。


「頭イカれたか笑うなちびっ子!」


 あのふざけた邪神をドン引きさせる俺は中々だな。


「警告もなく不意打ちとは卑怯だぞちびっ子よ。シシ」

「にゃんにゃずいぶん余裕にゃら?」

「シシ、この頭突きぐれーでキレやしねえよ」

「にゃんと……」


 終始白いピエロの仮面が笑っている。流石神だけあって寛大(かんだい)だな。


「しかしどうするちびっ子よ。俺につくか?」

「ちびっ子言うにゃサタンちゃまと呼ぶんにゃっ!」

「シシ、どっちも可愛い呼び方じゃねーか……んっ、危ねぇっ!」

「にゃっ?」


 急に邪神が俺に覆い被さった。すると奴の背中が『チュンチュン』と何者かに発泡され被弾した。

 しかし無傷な邪神が首関節を鳴らし立ちあがってうしろを振り向いた。


「邪魔すんな人間……」

「コレはこれは済みませんね〜実はそこのサタン(悪魔)を狙ったのですが……」


 邪神に話し掛けたのは白衣を羽織った丸眼鏡の男。その両脇に十人の兵士がライフル銃を構え標準を俺たちに向けていた。


「おおっ! やんのか人間っ!」

「そうですっサタン様になんてことを!」

「あらあら、銃弾ごときでサタン様の硬い皮膚は貫けないわよ」


 黒騎士三人娘が白衣の男に言った。


「フンッ、悪魔は人類の敵だ。そうでしょうに邪神様」

「にゃっ!?」


 兵隊たちが邪神の前に横並びで整列して銃を俺たちに向け、白衣の男が両手を後ろに組んで中央に立って得意げに笑った。


「さっきからにゃんにゃんだおみゃえは?」

「フッ、このマークを見て分からないのか?」

「にゃに……」


 そう言って男が背中を見せた。すると目に止まったのが、白衣に十字架に蛇が絡みつくロゴの刺繍だ。

 どこかの企業のマークらしいが、初めて見るマークなんで俺は首をかしげた。


「我が社のロゴを見て分からぬとは無知な悪魔ですね」

「にゃんだと眼鏡っ!」

「愚かなっ仕方ない教えて差しあげましょう……私の名はビルメン。世界一の医薬品開発企業スネーククロス社の社長であるぞ」

「にゃっ……」


『医薬品メーカー名に蛇ってヤバくねーか?』しかもヤケにカッコ良く邪悪なネーミングセンスだ。

 裏で企んでいる闇の企業と言うか、いかにもって感じだな。


「ほうっ、スネーククロス社と言えば世界トップシェアを誇る企業だったな」

「邪神様から言ってもらえるとは誇り高い。そ〜うですよ。我がスネーククロス社は人類の未来を導くグローバル企業ですよ」

「グローバル…………………………」


 邪神の動きが止まり、我が物顔でイキるビルメンを見おろした。


「ちょっと待つにゃっ! にゃんで邪神の味方するんにゃ?」


 思わずビルメンの前に飛び出した俺が訴えた。


「この悪魔がっ私の前にたつんじゃぁないよ」

「にゃっ!」


 なんと俺はビルメンに蹴り飛ばされた。痛くはないんだが、悪魔とはいえゴミを退けるような差別的な扱いだ。


「しゃっちょー!」


 吹っ飛ばされた俺を黒鴉が受け止めてくれた。


「助かったよ黒鴉」

「ケケッ♬ んじゃ」

「……」


 するとキツネ目になった黒鴉が右手を差し伸べた。『なるほどタダじゃないよな』だから俺はフリルドレスのポッケから駄菓子のうんまい棒を取り出し黒鴉にやった。


「社長っこれ欲しかったんですわ〜〜……んっ…………ちっが〜〜う。コレじゃない! まっいいかケケッ♬」


 本当は金が欲しかった黒鴉だが駄菓子もまんざらでもなく、楽しそうにうんまい棒の袋を剥いてパクついた。

 まぁ良かったな……。


「サタン様っ怪我はございませんかっ!?」


 心配そうにクレナが駆けつけた。


「大丈夫にゃ」

「ですよねーケケッ♬」

「にゃっ、黒鴉(おみゃえ)は黙ってるにゃ! しかしビルメン(コイツ)ら……」


 割り込んで来た黒鴉を軽くあしらった俺は立ちあがてビルメンたちを睨んだ。

 確かに俺は悪魔だが、一応人類の味方しているのに敵対して害のある邪神に手を貸すとは許せんな。


「なんだ子供の姿の悪魔がこの私に盾突くのか?」

「邪神に手を貸すおみゃえらの目的はにゃんにゃ?」

「目的ぃぃ……そりゃタダではしませんよ。我々が欲しいのは地竜の遺伝子情報と体内に潜む未知のウイルス」

「にゃにっ!?」


『やはり邪神に手を貸す裏があったか』しかしまさか地竜の死体が欲しいから邪神に手を貸したんだな。

 しかも生物兵器とか悪い方向の利用目的で最悪だな。


『………………………』


 しかしさっきから邪神が黙っているな。


「さぁて、我々の同志には手を出させませんよ〜」


 ジャキッ!


 スネーククロスの十人の兵士の銃口が俺たちに向いた。悪魔ならともかく、天使や異世界人にも向けるのかよ。

 しかし頑丈な俺らはともかくメリーは銃弾を受けたら即死だから、下手に動けんな……。


「クク、さぁチャンスですよ邪神(同志)よっ今の内に地竜を」

「………………一つ聞いていいか?」

「はいっ?」

「お前らグローバルリストか……」


『突然なにを聞いてるんだ邪神は……』それはそうと確かグローバリストとは世界を一つに統一し、裏で人類を都合良く管理する支配層。ちょっと偏見もあるが、俺的にはグローバリストのイメージはそんな感じだ。

 ある意味魔王より厄介な連中だな。しかし何故邪神はグローバリストに反応した?

 とにかく様子見だな。


「クク、急になにを質問するかな……確かに莫大な資産を得た我が社は裏で国を動かすほどの力を得た!」


 両腕を広げたビルメンが空を見あげた。


「しかしグローバリストはっ我が社だけではないっ! 世界に散らばる大富豪や大企業に独裁者たちが裏で結束した決して愚民に知られることのない組織がっグローバリストと呼んでいいだろうっ!」

「なるほど…………お前ら、グローバリスト確定だな」


 すると普段なら笑っていた邪神が真顔で目を赤く光らせ黄金のシャベルを横凪に振りおろした。


「『!!』」


 すると十人の銃を構えた兵士の首が飛んだ。もちろんやったのは邪神だ。


「なっ!」


 振り返ろうとしたビルメンの頭を邪神が鷲掴みにした。


「なにが同志だ……汚らしいグローバリストが、この俺と一緒にするな。虫唾が走る(・・・・・)…………」

「ひっ、ひいいぃぃっ!!」


 ビルメンの後頭部を掴む邪神の右手に力が入る。しかも良く見ると、これまで笑っていたピエロの仮面が鬼のような怒りの形相に変わっていた。

 そのあまりにも恐ろしい仮面を見たビルメンが悲鳴をあげたんだ。


 しかし邪神は相当グローバリストに恨みを抱いている様子だ。もしかしたら、並行世界を渡り歩いて潰してきた組織ってグローバリストなのか……。


「なぁ知ってるか?」


 ビルメンの頭を片手で持ちあげた邪神が、耳元でささやくように聞いた。


「ひいっ! な、なにがっ?」

「俺はこれまで八つの並行世界を渡り歩いてグローバリスト共を皆殺しにして来た」

「ヒイイッ! わ、私は社長のかっ、影武者だっ! だから殺さないでっ!」

「偽者だろうと俺にとっちゃ一緒だ。組織の一員なら末端だろうとすべからく殺す。それより俺は並行世界のグローバリストからこう呼ばれた……」

「ギッ!?」


 邪神がビルメンの頭を掴んだ右腕を振りあげた。


「別名グローバリストスレイヤーとなっ!」

「ぎゃっ!!」


 邪神は思いっ切り振りおろして偽ビルメンの顔面を地面に叩きつけた。すると頭部が地面にめり込み身体がピクリとも動かなくなった。

『多分即死だな』しかし以外と優しいと思っていた邪神が人を殺すのは驚いた。

 まぁグローバリスト限定だが、邪神は相当奴らに恨みを抱いているのは分かった。それでなんとなく邪神の目的が分かった気がする。


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