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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃま山登りにぐずる

 

 山中に潜むフロッグドラゴンが今回の獲物だ。それがどこに潜んでいるかは不明。しかし聖女さまは頂上にある岩屋城跡に潜んでいると睨んだ。


「とりあえず頂上まで歩いて行くわよ」

「にゃっ!」


 聖女さまの指示に俺は思わず叫んで、首を横にぷるぷると振った。

 頂上までいくってことは、俺は六歳児のつたない身体の幼女。

 そんな小さな足じゃ自力では登山は無理だ。

 聖女さまがおんぶして運んでくれるなら文句はないけど、俺には厳しい彼女が運んでくれるとは思えない。

 なにせペット呼ばわりだしな……。


「無理にゃ〜」

「あら〜何故でしょうか?」

「にゃっ……」


 俺の声に反応した聖女さまが振り返った。その笑顔が怖いにゃん。


「あらら……サタンちゃま。あたくしの案に文句でもお有り?」

「にゃっにゃにを言っますにゃっ……聖女にゃま」

「ふふっ、にゃまじゃないでしょう。ちゃんと聖女様とお呼びなさい……」

「いにゃっ……」


 強制猫口調のせいでこれが言えないんだ。

 しかし、か弱き(幼女)の意見も許さない聖女さまは鬼だと思った。


「ちょっと!なに揉めてるのよ二人共。魔物が出ない内にさっさと進むわよ」


 数メール先を歩いていたメリーが戻って来た。

 本人はピクニック気分か知らないけどヤケに元気だ。


「あら、丁度良かったメリー」

「なによ聖女様……」


 聖女さまに面倒ごとを押しつけられると本能的に感じたのか、メリーが後ずさりした。


「この子おんぶして山頂まで運んでくれませんか?」

「嫌よっ!」


『ちょっと待て!』即答かよ。拒否したメリーは腕組みしてソッポ向いた。あの聖女に抵抗するとか、メリーは怖いもの知らずだな。

 まっ、このワガママ女に頼むだけ無理なのは分かっていたよ。

 仕方ない。自分でなんとかするか……。


「いいにゃっ自分でなにゃんとかする」


 俺はステータスウインドウを開いて召喚済み悪魔ファイルを開いた。そこにカード化された四枚の低レアカードが表示された。

 未だに星3やそれ以上のカードは引いていない。これじゃフレンド申請してもお断りされるな。


「にゃにゃにゃっ…………」


 俺が自虐的に笑っていると横からメリーがヒジで脇腹を突いた。


「にゃっ!」

「なに一人でニタニタ笑ってるのよ気持ち悪い」

「黙るにゃメリー」

「なっ!なによ猫の癖にあたしにそんな舐めた態度とって!」


 コイツは口だけだと分かったからな。いつまでも下手に出てるとは思うなよ。

 俺は四枚の中から一枚を選んでタップした。


「出よ我が下部っにゃはっ!」


 カードフォルダからタップしたカードが外に排出されて、光りを放ち実体化した。


「お呼びでしょうかサタン様」


 星2の低レアレッドデビル特殊個体の松尾だ。

 特長的なモヒカンヘアに棘つき肩パッドに、三叉の槍を握った強面悪魔だ。


「なっなっなによこの悪魔って、いつもの雑魚じゃないのっ」


 そう言う割には逃げ腰のメリーさんだ。

 まぁ、この女を黙らせるには忠実な配下を出すことだと分かった。


「なんだぁ〜あっしが雑魚だと〜?」

「ひいっ!」


 松尾に睨まれたメリーは聖女さまの背中に隠れ、恐怖で身体を震わせた。


「ひっ卑怯よちびっ子。あ、悪魔を召喚してあたしを脅すなんて……」


 別にまだ脅してはいないけどな。しかし勘違いするなよ。松尾を召喚したのは、俺を山頂までおんぶしてもらうためだ。


「松尾っおんぶにゃっ!」

「……済まねえなサタン様。その命令に従えねぇ」

「にゃっ?」


『嘘だろ?』あの松尾が俺の命令を拒否?


「どうやらおんぶしている余裕が無くなったみてぇなんだ。来ますぜっ魔物がっ!」


 松尾が槍を構えた。

 部下に拒否られ一瞬絶望したが、俺の杞憂(きゆう)で済んだ。

 さて、遥か先に巨大カエルが三匹が跳ねながら向かって来た。

 全長2メートルの緑の体色の化け物カエル。どこがドラゴンかというと表面に鱗が生えているのと、額に小さな角が生えている特長からそう呼ばれている。


「アレはフロッグドラゴンよっ!」


 メリーが鞘から剣を引き抜き皆に伝えた。


「仕方ありませんわね。あたくしはこれ以上レベルがあがりませんので援護に徹します」


 そう言ってレベル120の聖女さまは、モーニングスターを握り後方に待機した。


 人間ではレベル120までが限界らしいけど、賢者の石を使えば限界突破出来ると聞いたことがある。

 だけど、賢者の石自体幻のアイテムで異世界大陸のどこに隠されているのかも不明と聞いた。

 だから今のところ聖女さまはこれ以上のレベルアップは不可能。だから貴重な経験値を俺たちに回すために後方で待機したんだ。


「来るわよっ!」


 メリーが皆に叫ぶと、声に反応したフロッグドラゴンがジャンプした。


「ゲコッ!」


 開いた口から長い舌がメリーを狙う。


「舐めないでよねっ!」


 ギンッ!


 メリーが舌を剣で弾く。


「ゲコッ!」


 思わぬ反撃に驚いたフロッグドラゴンが舌を引っ込め後方にジャンプした。

 そこをすかさずメリーが剣を振り下から腹を突いた。


「ゲコッ!?」

「弱点は分かってるのよっ冒険者舐めんなっ!」


 確かに鱗に守られた背中に比べお腹は無防備だ。メリーはそこを狙って剣で突き刺したんだ。

 一匹目のフロッグドラゴンが倒され口から魔石を吐き出した。丁度メリーの足元に転がる。


「ラッキー!イエローカラーダイヤゲットよ」


 メリーが石を拾うと上着のポケットに入れた。ちゃっかり自分の物にして、おまけにレベルアップもした。

 残り二匹がこっちに向かって来る。こうしちゃいられない。


「松尾っ行くにゃっ!」

「へいっおまかせよっ!」


 気を良く返事した松尾が槍を構えてフロッグドラゴンに突進した。


「ゲコッ!」


 フロッグドラゴンが松尾目掛けて舌を発射。


「おっと!」


 しかし、首をわずかにズラすだけで攻撃をかわすとすかさず槍で串刺しにした。


「ゲコッ!?」

「へへっ楽勝っおっと!」


 松尾の背後から三匹目が襲い掛かる。しかし、背中の翼が回転してフロッグドラゴンを切り裂いた。


「ゲコーーッ!」


 二匹同時にトドメを刺されたフロッグドラゴンが、石二つ残して消滅した。

 すると電子音がして俺のステータスが反応した。


『サタンちゃまのレベルがレベル6にあがりました〜』


『やった!』召喚悪魔が魔物を倒すと自動的に経験値が俺に入る仕組みだ。おかげで俺は戦わずしてレベルアップした。

 さて、ステータスチェックだ。


【 職業サタンちゃま レベル6 魔力55 攻撃力15 力11 体力12 素早さ12 幸運45 特殊スキル 悪魔ガチャレベル5 】


 順調に魔力と幸運の数値があがってきている。まっ、他の数値は相変わらず牛歩だが……。

 それと今回はガチャレベルはあがらなかった。


「へへっ魔石みっけ♡」


 ニヤける松尾が青と緑のカラーダイヤを拾った。そして握り締めると俺に顔を向けた。


「サタン様っ石食っていいっスか?」

「にゃっ!」


 聖女さまが見てるのに今言っちゃ不味い。俺は慌てて松尾に駆け寄った。


「伏せっ!」

「にゃんっ!」


 背後からの聖女さまの命令に反応した俺の身体が、うつ伏せの状態で大の字に倒れた。

 それは首にはめられた絶対服従の首輪の効果だ。これヤラれたのは久々だな。


「サタンちゃま……魔石を食っていいってどういうことかしら?」

「にゃっ……」


 優しい微笑みを浮かべた聖女さまがしゃがみ込み。俺の丸いアゴ先を持ちあげた。

 魔石横領が聖女さまにバレた。もう終わりだな俺の人生……。

 それだけ聖女さまは怖く、絶望した俺の顔が真っ青になったと思う。


「む、むぎゅ〜〜う……」


 俺が目をギュッと瞑って観念した時、松尾が叫んだ。


「サタン様っ危ねぇっ後ろっ!」

「にゃっ?」


 不意に振り返ると背後に、通常の三倍の大きさのフロッグドラゴンが間近にいて口を開けていた。

 ヤバい食われる。そう思った瞬間横から蹴り飛ばされた。


「済まねえっサタン様っ!」

「松尾っ!」


 とっさに松尾が俺を蹴り飛ばしフロッグドラゴンから守ったのだ。


「ゲコッ!」

「ぬおっ!」


 フロッグドラゴンから飛び出した長い舌が松尾の身体に巻きつき一瞬で呑み込んでしまった。


「ゲコッ」

「あ、あ…………まっ松尾っ〜〜!」


 俺がボーっとしてたせいで松尾が食われた。低レアでも育成中の彼には思い入れがあった。

 そんな大切な配下を失ってショックな俺の頭は、真っ白になった。


「馬鹿っ来るわよちびっ子!」

「にゃっ!?」


 メリーの声で正気に戻った俺が顔をあげるとすぐ目の前に、巨大フロッグドラゴンが大口を開けていた。


「ゲコーーッ!」


ズズズンッ!


 その巨体で俺を踏み潰そうとジャンプした。しかし俺は誰かに抱っこされて助かった。

 メリーかと思って顔をあげるとその正体は、以前会った覆面のハンターだった。


「にゃっにゃんでっ!」


 安全な場所に待機した覆面ハンターが俺を解放した。そしてお互い顔を見合わせた。


「にゃっ…………あ、ありにゃとうにゃっ……」

「…………その頭の角…………娘まさか……魔王軍の手の者か……?」


 ジャキッ!


「にゃっ!?」


 覆面ハンターがそう聞くと、右腕に装着された発射型鉄杭の引き金に指を掛けた。


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