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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
日本クエスト編

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サタンちゃま岩屋城跡に挑む

 

 冒険前の今日の朝食はたこ焼きだ。

 朝からたこ焼きは少々重く感じたが、謎の従業員の八っちゃんさんが4パック置いて行ったから食べる他なかった。

 しかしまぁ、聖女さまは宗教上の理由でたこ焼きを拒否した。そんな規約があるのか分からないけど、ただ単にたこ焼きの中身が苦手なタコと知って、もっともらしい言い訳に使ったに違いない。


「へへっんじゃあ聖女さまの分はあたしが貰っとくね」


 つまみ食いして自分の分は完食したメリーさんが、ニヤケながら2パック目を手に取った。

 そんな意地汚い彼女を聖女さまは別段注意しないから、やりたい放題だ。


「ところでメリー。そのたこ焼き屋の正体は分かりましたか?」


 ミルクティーを一口入れてから聖女さまが聞いた。ちなみに他の人はたこ焼きに合わせて緑茶だ。彼女は中々頑固で習慣にない食べ物を一切口にしない。

 そんな中で紅茶は異世界でもあって、ほぼ毎日飲んでいる。


「えーとっ九人姉妹の八女で名前がエイト。たこ焼き屋を始めたのは八の名前にあやかってだそうよ。あと付きまとっていたのはどうやらあたしが目当てらしいわね」


 メリーさんが分かりやすく聖女さまに説明した。しかし肝心なこと彼女から聞き出せなかったし、最後の報告は見当違いも甚だしい。

 今のところ皆には黙ってるけど、八っちゃんさんは三百年前から俺のことを知っている素振りだった。しかも俺は相当悪どいことをこの日本でしたらしいな。


 まぁサタンだし過去に悪どいことやっていても不思議ではない。しかし、あんな若い八っちゃんさんがなんで三百年前の俺を知っていたんだ?

 それが事実なら、あり得ないけど彼女は人間ではない。

 仮説だけど、魔族か悪魔かの不老不死の種族。それなら三百年前の俺と出会っていても不思議ではない。


 食事を終えた頃、聖女さまが武器の手入れをしながら皆に告げた。


「今から岩屋城跡に出発するわよ」

「ずいぶんと急ぐのね」


 同じく剣の手入れをして胡座(あぐら)をかいていたメリーが聖女さまに聞いた。


「ええ、昨日利用した赤坂のジビエ料理屋まほろばの店主が、クエストについて詳しく聞いて来たでしょ?」

「確かにそうね。彼ハンターでもあるし……」


 メリーさんは口元に手を当てて考え込んだ。


「それと前にサタンちゃまが会ったという凄腕の覆面ハンターがまほろばの主人と同一人物なら、なおさら先を急ぐ必要があるのよ」

「確かにね……そうと決まれば急ぎ現場に急行しましょう」


 ただ見てるしかない俺を他所に急遽、岩屋城跡に出発することが決まった。

 いつもこの二人が物事を決め俺は見ているだけ。まだ意見すら言える立場ではなかった。

 でもいつか対等に言える立場になりたいな。



 □ □ □



 今回のクエストの場所が岡山県津山市にある岩屋城跡。標高483mの山頂に城跡がある。

 それで岩屋城跡までキャンピングエアカーで一っ飛びだ。ちなみにエアカーとは今から200年前に実用化された空飛ぶ車。それから改良を重ね今でも現役だ。


 エアカーのおかげで思ってた以上に早く岩屋城跡に到着した。

 空を飛ぶ車だから信号に捕まったり渋滞に巻き込まれる心配もないから、短時間で目的地に行けた。


 岩屋城跡入り口では日本軍の兵士が厳重に警戒していた。車から降り立つとメリーが口を開けて遠くを指差した。


「ちょっとなにあれゴーレム?」


 メリーが指差した先の門の前に、二機の人型機動兵器がマシンガンを装備して警戒していた。

 驚くのも無理はない。

 全長12メートルの鉄の巨人。正式名称アームドチェイサー。今から五十年前に実用化された戦車に代わる人型機動兵器だ。

 この兵器のおかげで、異世界大陸事変による大型魔物の鎮圧が成功したと言われている。


 異世界育ちのメリーが初めて見る巨大ロボに目を奪われていた。

 それもそのハズ、地球文明と異世界文明の科学力の差は五百年位の差があると言われている。もちろん遅れているのは異世界文明だ。

 そんな高度な科学力を持ってしても魔王軍には敵わなかった。

 だから魔法や剣術を駆使する冒険者たちが今でも必要とされていた。


 サガネさんを残し門まで歩いて行くと警備兵が敬礼した。


「日本政府から話しを聞いております。どうぞお入りください」

「ずいぶんと物々しい警備ね」


 人型機動兵器を見あげる聖女さまが兵士に聞くと。


「ハッ!実はこの奥に複数のフロッグドラゴンが住み着いてますので、このような警戒でございます」

カエル(フロッグ)ですか……確かに大型ドラゴンタイプに相手には互角のサイズですわね。しかし魔力で強化された魔物相手にするのは厳しいみたいね?」

「ハッ!おっしゃる通りでございます。ですから聖女様のような凄腕の冒険者に頼らざる得ないのです」


 兵士の男性がそう答えると起立して、肩にマシンガンを掛けて敬礼した。


「それでは行くわよ」


 聖女さまを先頭に入り口に向かう。そして彼女は足を止め振り返った。


「この先にはフロッグドラゴン以外の魔物が生息している可能性があるわ。だから心してクエストに挑むように……そしてサタンちゃま」

「にゃあっ!」


 不意に聖女さまに名指しされて思わず叫んだ。すると横からメリーさんが『寝ぼけてんじゃないわよ!』と怒られた。

 俺は中に入る前にステータスチェックして使えるMPを確認した。いざとなれば悪魔ガチャスキルを使う覚悟だ。


西暦2320年の設定


【日本軍】現代から三百年経てばアメリカから独立しているだろうと思って日本軍に設定した。

【エアカー】現代から三百年も経てば車も空を飛んでいるだろうと設定した。

【人型機動兵器】この位の未来なら存在していてもおかしくはないと思って設定した。まぁ、作者の趣味だ。

【通信デバイス】この時代だとスマホはとっくに無くなっていると思って設定した通信手段。

脳と指先にマイクロチップを埋め込み。まるでテレパシーのように遠くの相手と会話出来る。さらに指先に埋め込まれたチップのおかげで空間からスクリーン映像を出すことが出来る設定。


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