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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
異世界大陸編

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サタンちゃまと不死の姫君7

 

「どりゃっ!」

「ゲギュッ!」


 ガンッ!


 黒鴉の斬撃をリザードマンが左腕に装備した円形盾でしのいだ。剣と盾を使いこなす高度な知性から魔物と呼ぶのがもったいないな。 

 とは言え、進路を阻むなら、俺の部下が容赦はしない。


「ケケッ!いいねぇ〜こう言う歯応えのある敵を待っていたよ。思い出すねぇ〜三百年前戦争で天使共を狩った日を……」

「……」


 エイトさんの横で天使狩り武勇伝を話す無神経な黒鴉。その横で気弱な彼女が震えていた。

 なんだか見た目が怖いリザードマンよりエイトさんは、黒鴉の方が恐れているな。

 確かに黒鴉は怖い女だぞ。


 しかし、今は味方同士だ。

 早く任務を達成させるには、お互い協力して魔物を倒すべきだと俺は思った。


「お前にゃ仲良く協力出来にゃいのか?」

「社長っ〜」


 声を掛けると黒鴉が振り返った。


「協力ってまさか、そこの白天使とですか?」

「そうにゃ」

「ケケッ!無理っ!いくら社長の命令でも無理ですよ。大体ロウランがいるのにあえて白天使と組む必要性は感じないっすよ」

「まぁ、そう言うにゃよ。今戦っているリザードマンは中々の手練れにゃ。そいつにゃ対して属性が異なる者同士が組んで戦ったら面白い結果が出ると思うにゃっ」

「結局実験かーいっ!」

「にゃっ!」


 突っ込むのはいいとして、上司の頭を軽く叩くなよ黒鴉。

『おっと!』それよりリザードマンが二匹に増えたぞ。


「……仕方ないのら……エイトが目潰しするから、その間に斬るといいらっ」


 やる気になったと言うか、俺に追い詰められたエイトさんがやらざる得なくなった。

 まぁ、目は相変わらず眠そうだが。


「聖なる光りのらっ!」

『ギュワッ!』


 エイトさんが手から光の矢をリザードマンに向けて放った。すると眩しいのか二匹が叫ぶと目を瞑った。

 なるほど、天使の光は基本死霊や悪魔に効くが、物質界の生きた魔物には効かない。とは言え、目潰しなら有効と言う訳か……。


「おっ!スキありっ!」

『ギャワッ!?』


 黒鴉が剣をリザードマンの肩に突き刺し横薙ぎに斬り払った。そして大量の血を流して一匹が倒れた。


「あーっずるいっ!私も狩る〜っえいっ!」

『ギャギッギャアーーッ!』


 黒鴉に負けずとロウランが、ツルハシでリザードマンの心臓にひと突きして魂を引っこ抜いた。

 どちらもスゴ腕だけど、彼女は一撃必殺のスマートな戦い方でシビれる。


 一方横で見ていたエイトさんが、結局戦いに参加しないのが気になる。


「にゃあエイトは戦わにゃいのか?」

「悪魔王っ!!なんなのら……」

「にゃっ……」


 一々ビビるな。

 そろそろ慣れて欲しいものだな。


「……そ、そりぁ、戦いたいけど……この通り天使の武器は光属性で有効な敵は悪魔と死霊系なのだ」

「じゃあ物質界の魔物には天使の光は効かにゃいのか?」

「うん、魔力系は倒せるけど、非魔力の生物系は効かない。だけど直接殴れば殺せるのだ……」


 物騒だな。

 結局は単純に物理で殴るしか手がないなんて、物質界の天使も苦労してんだな。

 とは言え今攻略中の城主は不死の姫君と呼ばれる位だから、恐らくアンデット系だ。

 だから必ずエイトさんの力が必要になるな……て、スカウトしに向かっているのに戦う前提じゃ駄目じゃん。


「社長っあらかた歯向かって来る敵を倒しましたぜっ」

「良くにゃったにゃ黒鴉」

「うわ〜い! 社長に褒められた♡」

「にゃっ……」


 両手をあげて小踊りする黒鴉。

 そんなに喜ばれると嬉しいけど、なんだか無報酬で申し訳ないな。


「あ〜〜っ黒鴉にばかりずる〜い!サタン様っ私にも褒めて!」

「分かった、分かったにゃロウランも良くにゃったにゃ!」

「わあっ!嬉しいっなんだかにゃーにゃー挟んで馬鹿っぽかったけど、ありがとうございます」


 ロウランがツルハシを前に両手で持ちながら、上品にお辞儀した。しかし、いらんことまで言うな。


 さて、長かった螺旋階段も打ち止めか……金のレリーフの重厚な鉄扉が目の前に現れた。

 そこには顔の青い鎧姿の騎士が門番として守っていた。


 タダでは通してくれなさそうだ。


「とりあえず行くにゃ」


 俺は仲間を引き連れ扉の前に立った。

 すると無表情の門番が目玉だけ動かし俺と目が合った。


「通るが良い」

「にゃっ!?」


 二人の門番が二歩さがると観音開きの扉を押して開けた。

 一体なにが起こっているのかと皆と顔を合わせていると、門番が通れと手招きした。


「良くここまで来たと姫様がお褒めになっている。だからお前たちと是非会いたいと申しておるぞ」


 て、ことは中に入れる。

 でも罠じゃないだろうな……もしも中に大量のゾンビが待ち構えていたら対処出来んな……。


 でも、もし本当に好意あって呼ばれているなら拒否したら大損失だな。

 良しっやらないよりはマシか……。


「お前にゃ中に入るにゃ」

「流石社長っそうこなくちゃケケッ♬」

「危険も承知に敵の誘いに乗るサタン様は頼もしいですわ」


 黒騎士二人は(おおむ)ね賛成みたいだな。

 あとは弱虫天使のエイトさんだけど、嫌と言っても連れて行く。何度も言うが、アンデットに天使が有効だからな。


「エイトも一緒に行くにゃっ」

「やっ、や、やめろっ悪魔王っのらっ!!」


 俺は嫌がるエイトの右手を引っ張って前に進んだ。


 お城の最上階が豪華な王の間でたった一つの玉座に、全身黒鉄色の鎧を着込んだ。褐色肌の金髪ツインテールの少女が純金製の冠を被り座っていた。


 見た感じ十六歳位の美少女だけど、姫だけあって威厳のある雰囲気を漂わせている。


 そしてもう一人横に紫の燕尾服姿のおかっぱ頭の男が手を腰に回してたたずんでいた。

 結構イケメンだけど肌の色が薄青い。まさか貧血気味か?


「お前たちか……我が十万の不死兵を壊滅させたのは?」

「そうにゃっ!」

「……とてもそうは見えぬがな……冗談はよせちびっ子」

「にゃっ!?」

「ケケッ♬」


 笑うなっ黒鴉。


 それはそうと、なんとか不死の姫君と謁見出来たけど、明らかに上から目線で協調性皆無だ。

 しかも仲間になるどころか逆に手下にされそうだ。


 とは言え、ここからの交渉が肝心だ。

 果たして上手く仲間に引き入れることが可能か? 若しくは最悪戦うことも覚悟した方が良さそうだ。


不死の姫君のイメージは褐色肌の金髪ツインテール。名前は今から考えます。

あと、どうやって仲間にするかご期待してください。

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