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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
異世界大陸編

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サタンちゃまと黒騎士同士の勝負

 

 山賊の頭のザビーが手下たちを置いて真っ先に逃亡した。


「にゃっにゃっ♬」

「会長〜ご機嫌ですね〜」


 腰に手を置いて陽気に笑うと、ゴマをする手つきの黒鴉が俺の顔を覗き込んだ。

 まぁコイツは例え君主が相手でも、半分小馬鹿にしてくるから乗せられないよう注意が必要。

 でもちょっと乗せられて見るか……。


「にゃにゃっアタチの顔見て逃げて行ったにゃ」

「それはない」

「にゃっ……」

「いっいえっ、お、お言葉ですが、そ、そんなことはないと思いますよサタン様〜」


 慌てふためき泣く子供をあやすように俺に言い訳するクレナ。まぁ許すけど、真面目な彼女のことだ。間違いをつい口で否定しちゃったんだね。


「ケケッ、あの禿げちょデブはアタシを見て一目散に逃げたんだよ」


 相変わらず口が悪い黒鴉だなぁ……その横でクレナが首を横に振って否定してるな。

 まぁ、ザビーは二人を恐れて逃げ出したのが正解だろう。


 さて、目の前に立ちはだかる山賊たちを先に排除しないとザビーは追えないな。

 それには打ってつけの二人の部下がいるから問題ないがね。


「おいっ!俺たちに楯突いて生きて帰れると思うなよ」

「そうだ!そうだ!」


 イキのいい山賊共がいい反応してくれる。

 まだ戦い足りない二人の騎士のいいサンドバッグになってくれそうだ。


「う〜ん、数にして十、四、五人……」


 アゴに触れ首をかしげる黒鴉。面倒なのはまぁ分かるけどちゃんと人数数えろよ。


「とりあえずハンデつけて戦わね?」


 黒鴉がクレナの肩にヒジを乗せて提案した。

 また要らんふざけた遊びを考案したのか……。


「はぁっ? なんでわざわざ不利になることを?」

「だってまともにアタシらがあの雑魚共相手したら瞬殺だろ? それじゃぁつまんね」

「……確かに一理あるな……」


 理由を聞いたクレナはうなづき納得した様子。

 やはり強者同士理解は早いな。


「で、目を瞑って戦い。どっちが多く雑魚を倒せるか勝負だクレナ!」

「面白い。望むところよ黒鴉」


 黒鴉の遊びに乗ったクレナが真面目に目を瞑って剣を両手で構えた。すると様子を見ていた黒鴉がほくそ笑んだ。

 黒鴉(お前)薄く目を開けて戦うなよ……。


「おいおいっ!さっきから舐めたこと言いやがって死にてぇのかっ!?」


 二人の会話が終わったところで輩の一人が腕まくりして凄んで来た。その割には空気読んで会話が終わるまで待ってくれるなんてお行儀のいい山賊だ。


「会長っゲームスタートの合図お願いしやす!」

「まぁ、しょうがにゃいにゃあ……」

「あっ!今生姜がないからそのボケ出来ません」

「にゃ、にゃあ……?」


 ボケて返すなツッコミ返せ。

 本当に面倒くさい黒鴉だなぁ……。


「おいっ!また俺らを無視するっ!」

「ちょあっ!」

「おごぉっ!」


 ついにキレて向かって来た山賊の一人に黒鴉が下半身に蹴りを入れた。

『ありゃ〜』男の急所をエゲツない。


「おっおっお……お、お前っなにやっちゃってんの……」

「んっどうした?」

「姉ちゃんこっこれだけは男にやっちゃイケねえ攻撃だよ。うがっ!」


 黒鴉は躊躇(ちゅうちょ)せず金蹴り二発目。男は抗議も虚しく股間を押さえ沈んだ。

 本当貴重な男人生を経験した俺だからこそ分かる恐ろしい禁じ手だ。


「ケケッ!まずは雑魚一匹目」


 早速目を開けて笑った黒鴉。本当適当だな。


「おいっふざけるなっ黒鴉っ真面目にやれっ!」

「オメエもなっぐごっ!」


 抗議の最中横から殴り掛かって来た山賊を、クレナが蹴りを腹に入れて吹き飛ばした。

 もう彼女も目を開けてるし、ルール無用の大乱闘に発展した。


 しばらくして乱闘は終結した。

 結果は当然二人の黒騎士の圧勝で目の前に伸びた山賊の山が出来ていた。

 まるでコミカルな漫画の一場面だ。


「さて会長っ逃げた山賊の頭を捕まえに向いましょう」

「にゃっ、だったらアタチをおんぶしてくれにゃいか?」

「やだよ〜」


 素直だけどワガママな黒鴉だな……別にいいよ。俺には真面目なクレナがいるから。

 俺はクレナの足元に駆け寄り顔を見あげた。


「クレにゃあ〜おんぶっ」

「いくらサタン様の要求でも過保護は良くありませんっ!たっ大変申し訳ございませんが、ご自分の足を使ってください」

「そんにゃあ〜……」


 君主の甘えを聞かんのか……クソ真面目ゆえ融通が利かないのな。


「仕方にゃいにゃあ……ステータスオープン!」


 俺は悪魔カードファイルを開いてユニコーンラビットを呼び出した。


「ちょっと待ってにゃ……うんしょっうんしょっ……」


 俺はユニコーンラビットの身体によじ登ってやっとこさ背中に乗った。ちょっと見てないで手伝えよ二人共。

 だから俺は悪魔王として大丈夫かと、これから部下がついて来てくれるか心配になった。


「乗り物使うとは横着ですね〜社長〜」


 目を細めて俺に手をパタパタさせる舐めた黒鴉。どうでもいいけど俺の呼び名を会長からいきなり社長に降格か?


「にゃっ!お前こそ翼を使うにゃっ!」

「ケケッ!案外飛ぶのも体力使いますぜ♬」

「にゃあ〜」


 屁理屈言いやがって黒鴉が……とにかく今はザビーを逃さず捕まえに急がないとな。


「しかし困ったにゃ……」


 幾つも分岐した山道のどのルートをザビーが逃げたのかサッパリ検討がつかなかった。

 それで黒鴉に聞いたら『アタシは犬じゃないんだから無理っすよ』と断られた。


「仕方ないにゃ……久々にガチャ回すかにゃ……」

「えっガチャッ?」


 黒鴉がガチャに興味を示した。

 言っとくけど今のお前はそのガチャから生み出されたんだからな。


 で、出来たら捜索に特化した悪魔を引き当てることが出来たら一番なんだけど、そんなに上手くいく訳ないか……だったら博打に魔人具ガチャに挑戦して見るか……。


「魔人具ガチャスキル発動にゃっ!」


 そんな訳で俺は両手を伸ばして魔道具ガチャスキルを発動させた。

 さてさて、今回は一体どんなヤバい性能の魔人具が出ることやら……。


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