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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
異世界大陸編

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サタンちゃまとS級冒険者ショウの余裕

 

 急遽決まった俺と冒険者ショウの対決を聞きつけた冒険者や市民が広場に集まって来て、屋台やら賭けごとやらのお祭り状態となった。

 賭けの対象は当然今回の勝負で勝つ方に賭ける。見事勝者に賭けた者が負け側の賭け金を頂くルールだ。


「さぁどっちに賭けるスか?」


 博打を運営するのがギルド陣営だから堂々としたもので、受付嬢のナルダさんが会場を回って参加者を募る。


「どっちに賭けるって勝敗は決まってるしなぁ……」

「賭けて勝つにはいいが、参加者が多いとそれだけ配当額がさがるぜ……」


 勝者に賭けた人数が多いと公平に賭け金を分ける必要があるから貰える額が減るな。

 そうするとギャンブラーは人数が少ない対戦者に賭け一攫千金を狙う訳だけど、スキルを禁じられた幼女の俺に大金を賭ける酔狂な者はいない。


「わたくしはサタンちゃまに千ゴールド(ゴルド)賭けるわ」

「にゃっ!?」


 俺に賭ける酔狂なギャンブラーが身近にいた。

 それが手をあげた聖女さまだ。ゴルドとは異世界大陸で流通している金貨。

 下から(カッパ)(シルバ)(ゴルド)となる。で、千ゴルドとなると日本円にして一千万円以上の価値らしい。


「おいおいマジか……」

「あのガキに賭けるなんざ大金をドブに捨てるのと同じだぜ?」

「正気か聖女……」

「いやしかし、アレだけの大金だ。分配しても相当貰えて元が取れると思うぜ」

「確かに……」


 男たちの目の色が変わり、一斉に俺の方に振り向いて笑みを浮かべた。

 俺はいいカモなのか……。

 いや、ドケチな聖女さまが負け確定の俺に大金を賭けたのは、それなりに勝機があるからだろう。

 しかし俺自身聞かれてないし、スキルを封じられて秘策なんかなんも考えてないからどうなるのやら……。


「俺はっショウに100シルバ賭けるぞっ!」

「こっちはショウに500ゴルドだっ!」


 ざっと見百人位の参加者が皆ショウに賭けた。

 それぞれの額が少なくてもこれだけの人数だ。もし俺が勝ったら聖女さまの一人勝ちだな。


「受けつけは以上で終了するっスけどいいスか?」

「ああ、早く始めろっ!」

「りょっ了解っス!」


 参加者たちに急かされたナルダさんが急遽手をあげ笛を吹いた。

『ちょっと待て!』まだ心の準備が……。


 闘技場とは名ばかりの広場で俺はショウと向かい合った。


「ようっ怪我したくなければ降参するなら今だぞ」

「にゃっ!それは出来にゃい」


 降参したら怖い聖女さまにお仕置きされるからな。それに比べたらショウと決闘する方がマシだ。


「おいおい……せっかく親切に辞退進めたのに正気か……お前ランクいくつ?」


 どこ中みたいに聞くな。見掛け通りショウの精神年齢は中学生止まりだな。


「サタンちゃまはギルド登録したてなので最下位のGランクっスね」

「マジかナルダちゃん?」

「にゃっ……」


 笑い者に俺のランクをさらすなよ……しかし一見Gランクと言うとカッコいいけど最底辺なんだな……。


「クク……俺のランクはSランクだ。まぁそれでも上にSS、SSSランクがあってまだまだだけどな……でもクク」


 俺見てニヤニヤ笑うなツルッパゲ!

 本当嫌味臭い奴だな。


「俺は少しは名の知れた剣士なんだが、流石にGランクの格下に本気を出すのは大人気ねぇ」


 ニタつきながら鼻の下を人差し指で擦るショウ。

 言っとくけど、大の大人が幼女相手にイキッて決闘するだけでカッコ悪いぞ。


 ガチャン……。


 ショウが腰に装備していたロングソードを外して放り投げた。


「剣は使わなねぇ、ハンデをくれてやる」

「にゃっ……」

「おーーっ!心が広いぞっショウッ!」

「流石俺たちのショウだいっけー!」


 ショウのしょうもないパフォーマンスに会場が大盛りあがりだ。

 剣を使わないのは助かったけど、どうせ殴るんだろ?


「さて更にハンデをくれてやる。今からお前を倒すのに10パーセントの力しか使わねえ。しかし……」


 ズドンッ!!


「にゃっ……!」


 いきなりショウにドテッ腹を蹴られ後方に吹き飛ばされた。


「クク、決まったな……なぁ聖女様よぉっ今日からよろしくなっ……」


 ショウが後ろを向いて聖女さまに手を振った。


「貴方はなにを勘違いしているのかしら……」

「なに……」

「わたくしのチームに加入する条件はサタンちゃまを倒してからと説明したハズでは?」

「だからたった今倒した……」

「貴方の目は節穴ですの……」

「なにっ!」


 聖女さまに言われたショウが急いで振り返った。


「にゃっ……」


 丁度起きあがった俺と目が合った。


「馬鹿な……10パーセントの力でもあんなガキ一撃で倒せたハズだ……まさか、急所を外したか……」


 どんだけ自身の力過信してんだよ。

 俺が一撃を受けて起きあがれたのは単純に……。


「別に痛くにゃかった……」

「おっ………………おっ!なぁっにぃぃぃぃいいっ!?」

「にゃっ!?」


 ハゲだけに激しいリアクションだな。

 しかし、全然痛くないし体力が減ってないのは不思議だった。


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