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ちびっ子猫口調TSサタンちゃまは悪魔ガチャで頼れる部下を集め、仲間と一緒に異世界大陸を楽しく冒険するにゃん♬  作者: 大空司あゆむ
異世界大陸編

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サタンちゃまと冒険者ギルド登録

 

「パルム様とメリー様と谷川様はすでにギルド登録済みですので、今回は未登録の方に登録してもらうっス」


 独特な舎弟口調の受付嬢のナルダさんが登録ナビゲーターを務めることになった。

 有名な聖女さまチームの冒険者ギルド登録作業なので注目が集まり、野次馬が集まった。


「では早速登録作業を始めさせてもらうっス。まずえ〜と、エイト様どうぞ」

「……」


 皆の注目にさらされる中、偽装たこ焼き屋兼太陽天使騎士のエイトさんが無言で手をあげた。

 しかしその手が小刻みに震えていた。ただでさえコミュ障な天使さんが登録トップバッターとはさぞかし緊張してるだろうと心情を察する。


「登録作業は簡単ス。目の前の登録機の中に入るだけで勝手にステータス表示されギルド登録が完了するっス」


 未開の地にしてはハイテクそうな登録機だ。なにせ丸い台の上に人がすっぽり入る筒状の緑の光りがクルクル回っているからだ。

 これはまぁ、ハイテクと言うより、魔法テクノロジーに近いのかな? まぁ、俺たちが普段使う電子レンジの構造を知らなくても生活出来るように、知らんでもギルド登録は出来るって訳だな。


「さぁ中に入るっス」

「……」


 野次馬冒険者たちが注目する中、観念したエイトさんが光りの筒の中に入った。

 皆んなニヤニヤして見ていて、いわゆる公開処刑だな。


 エイトさんの現在のステータスは、


【 職業太陽天使騎士エイトレベル600 魔力0 攻撃力89000 力45000 体力78000 素早さ70000 幸運10000 +( 大天使ミカエルの加護100000 ) 光属性 特殊スキル 聖なる武器ジャッジメントアックスレベル100 飛行スキルレベル100 聖なる武器スキルレベル100 アストラル肉体切り替えスキルレベル100 】


 とケタ外れのステータスが表示され周囲が騒ついた。


「おいおいなんだこのステータスは? 計器が壊れてないのか?」

「今までの最高レベルが250が限度なのに600でそれぞれの数値が1万越えとは異次元過ぎるぜ……」

「大体職業太陽天使騎士なんて聞いたことねーぜ」


 と野次馬たちの困惑した感想が飛び交った。


 まぁ、何千年と生きている天使をステータス表記させたらこうなるよな。なにせ人を超えた存在なのだから……。

 それと異世界では天使や悪魔が存在しないらしい。ま、最近はコッチの世界との融合で知られる存在となったが、まだまだ知名度は低い。


「み、皆さんお静かに……と、登録機器の故障ではないのでステータス表示は正確スよ。(にしても異次元スね……) 」


 ナルダさんが騒めく場を鎮めようと説明。しかし彼女もまた動揺を隠せないでいた。


「んじゃ次はアタシね」


 エイトさんと交代して機器の中に入った紅蜘蛛。その派手で妖しい雰囲気に男たちの注目が集まった。

 異世界大陸には似たようなアサシンがいるが、忍者はいないから物珍しく見られるのは当然だな。


【 職業天使騎士紅蜘蛛レベル600 魔力0 攻撃力60000 力35000 体力57000 素早さ98000 幸運8900 +( 大天使アリエルの加護100000 ) 光属性 特殊スキル 忍法スキルレベル100 聖なる武器スキル無限クナイレベル100 アストラル体切り替えスキルレベル100 】


 とエイトさんより数値がやや劣るが、人族に比べれば異次元だ。しかし気になったのが魔力が全くないことだ。

 彼女たち天使の力の源は魔力ではなく光なのかな? そうなると数値化は想定外で表示されないのか。

 しかし紅蜘蛛が光属性とは意外だ。妖しい雰囲気からして闇属性かと思っていたが、天使だから光なんだな。


 続いてはセブンさんだ。

 彼女は普段はメイド姿のサガネと名乗り正体を隠していたが、実はエイトさんと同じ太陽天使騎士だった。

 で、ギルド登録を天使騎士として改めて受けるそうでセブンとしての凛々しい姿になった彼女が光りの筒に入った。


「……」


 特に男たちの視線がセブンさんに集まる。

 妖しい紅蜘蛛と違って清楚でありながらスタイルのいいボディラインが露わになる強化レオタード姿は刺激的だ。

 さて、セブンさんのステータスが表示された。


【 職業太陽天使騎士セブンレベル600 魔力0 攻撃力101000 力105000 体力110000 素早さ102000 幸運12000 +(大天使ミカエルの加護10000 ) 光属性 特殊スキル 聖なる武器ジャッジメントソード切り替えジャッジメントアロースキルレベル100 人格切り替えスキルレベル100 】


 とエイトさんを遥かに凌ぐステータス表示だ。

 以上で天使たちのギルド登録が終了したが、異次元過ぎる表示に冒険者たちが騒ついた。


「お次は……え〜と……」

『ミーの出番だな』


 ちょっと困惑したナルダさんがアルマーをチラチラ見た。

 登録者が動物だろうとロボだろうと差別することなく受け入れる冒険者ギルドの懐のデカさだな。

 しかし、ロボが登録するのは始めての出来事だろう。


 アルマーが筒の中に入った。身長が3メートルなので頭が突き抜けたけど問題なく登録が行えるらしい。

 ちなみに足は10センチ宙に浮いている。さっきみたいに機器を踏み潰す訳にはいかないからな。


【 職業自律型四段可変ロボE-アルマーレベル無し ステータス不明 属性不明 機能 四段変形 自己修復機能 自己進化機能 反重力浮遊 超高度AI 無限ミサイル 無限バルカン 無限砲撃 特殊スキル計測不能 】


「スキルじゃなくて機能ってなんスか……ちょっと前代未聞で意味不能っス……」


 口を手で押さえたナルダさんが思わず呟く。

 やはりロボは計測不可能か……その代わりに機能なんだな。

 にしても職業は表記されたな。可変ロボと可笑しな職業表示だけど。


「なんだあのメタルゴーレムレベルゼロにステータス、スキル不明とは見掛け倒しか?」

「いやその代わりに聞いたことのない機能の数々だぞ?」


 冒険者の誰かが言った。するとアルマーが『チッチッチ』と口を鳴らし人差し指を横に振った。


『強さをレベルで測るのはナンセンスだ。それにミーのスキルと呼ばれるモノは作られた機能だから該当しないのも当然だ』


 流石アルマーだ。数値にこだわる冒険者全否定だな。


 続いて竜神さまが筒の中に入った。


【 職業竜神雷竜レベル計測不能 ステータス表示不明 光属性 特殊スキル雷レベル計測不能 アストラル体切り替えスキルレベル計測不能 肉体変化切り替えスキルレベル計測不能 】


 竜神と知った冒険者たちが騒めく。


「おいおい神様がギルド登録に?」

「神様なら測定不明なのはうなづけるぜ」


 とまぁ意見は真っ当だ。


『次はアタイか』


 幸運加護だけが取り柄のワラちゃんも登録するのか……。


【 職業座敷童ワラちゃんレベル計測不能 ステータス表示不明 闇属性 特殊スキル 幸運加護付与スキル計測不能 】


 聞いたことのない座敷童にこれまた周囲が騒つく。しかし名前が俺がつけたあだ名になるとはね。ちょっと嬉しい。

 しかし竜神さま同様計測不能か……て、おいっ!

 最後は俺じゃないか……寄りによって大トリとはな……。


「おいなんだあのチビ?」

「聖女様の仲間なんだから見た目で判断しちゃいけねーよ。しかしレベルはどんなもんだ?」


 と勝手なこと口々に言って冒険者たちが俺をニヤニヤしながら眺めている。


「さっ、怖くないから中に入って」

「……にゃっ」

「おいおいっ猫かよあのチビ」

「ギャハハッ!」


『くっそ〜』早速猫口調笑われた。俺は声を出したことを後悔した。


 で、観念した俺は渋々台にあがった。


【 職業悪魔王サタンちゃまレベル135 魔力1078 攻撃力430 力408 体力207 素早さ310 幸運1610 +(座敷童幸運加護1000) 闇属性 特殊スキル 悪魔ガチャスキルレベル24 魔石ガチャスキルレベル16 魔人具ガチャスキルレベル1 】


 とステータス表示された。


「悪魔王ってなんだ?」

「悪魔って人族とは違うのか……」

「しかしあのチビのレベル135って間違いじゃねーのか?」


 これまた困惑した冒険者たちが口々に感想を言い合った。

『いや〜』これ以上注目を浴びるのは小心者の俺には耐えられん。だからそそくさと退場しようと背を向けた。


「おい待て!」

「にゃっ!?」



 すると一人の坊主頭で眉間にバッテン傷がついた強面の男に呼び止められた。筋肉質な屈強な冒険者だ。


「おいガキ。レベル135ってのは盛ってるのか?」

「にゃっ!そんにゃことはにゃいにゃっ!」


 なにも知らない癖にイチャモンつけやがってツルッパゲ冒険者め。このレベルは俺と、悪魔部下たちの努力の結晶だ。

 だから不正を疑われる筋合いはない。


「測定器は正確っスよ」

「そうか……その生意気なレベルは本当か……」

「にゃっ……」


 生意気って……この男どんだけ見掛けで判断してんだか。


「しかし各数値は最弱だ。なぁ聖女さんよ……こんなガキ仲間に入れるより、この俺……漆黒疾風最強稲妻のショウ様を仲間にしないか?」


『にゃっ!?』厨二病的な異名が多過ぎる。

 しかも盛ってんのはお前だろう……。


「チビの癖に生意気だ。こんな奴俺様の剛腕の一撃で倒せるぜ」

「にゃっ!?」


 どうしてそうなる?

 とは言え、舌舐めずりしたショウが腕まくりして上腕二頭筋を見せつけた。

 言っとくけど子供相手にイキッて凄くダサいよ。


「なぁ聖女様。俺がこのチビと勝負して勝ったら仲間に入れてくれや? もちろん負けたチビは首な」

「……」


『にゃっ!?』勝手に話を進めるな。

 しかし聖女さまもガツンと拒否してくれ。


「……分かりました。お望み通りサタンちゃまに勝てたら入れ替わりで貴方を仲間にむかえましょう」

「ひょっひょ〜その話乗ったぜ!」

「にゃんと!?」


 ショウが飛びあがって歓喜した。

 しかしまさか聖女さまが輩冒険者の愚かな提案を飲むとはな……万が一俺が負けたらどうするつもりだよ。

 まぁ、俺には悪魔ガチャスキルがあるからこんな雑魚相手に負けるハズないけどな。

 だから聖女さまは勝負を了承したんだな。


「ではわたくしからルールの提案をしましょう」

「ほうっなんだいルールって?」

「勝負のルールは一対一でスキルの使用は不可とし、己の肉体のみを使って戦うのどうでしょうか?」

「スキル使用禁止か……いいね〜え。その話乗った!」


『にゃっ!?』


 アゴを摩るショウがニヤリと笑った。

 いや、スキル使用禁止ってどう見ても俺が不利だし負けるって、一体どう言うつもりだろう聖女さまは……。


 こうして唐突に俺と輩冒険者との決闘が開始された。


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