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プロローグ

この小説のノリがどんな感じか読者に分かるようにプロローグを追加しました。ヒロインはメリーと三馬鹿の黒騎士三人娘の黒鴉とクレナとロウランです。また場合によっちゃサタンちゃまもヒロインと呼べるかも知れませんね。ただし作者は皆に愛されるマスコットキャラとして書いてます。

あと、この回はかなり中盤のエピソードです。

 

 『俺の名は悪魔王サタンちゃま』俺と言ってる奴が自分のことを『ちゃま』付けとは大分おかしいが気にするな。

 俺もおかしいと思っている外見もな……。


 部下からは威厳ある悪魔王と呼ばれているが、いつの間にか付けられたあだ名は『サタンちゃま』となんだか可愛らしい。

 まぁ悪くはない。


 しかしガッカリな情報がある。

 それは俺の見た目が身長100センチ程度の幼女なのだ。まんま幼稚園児だ。

 だからサタンちゃまと呼ばれる由縁だ。

見た目はまぁ白い肌に、エメラルド色の大きなクリクリお目目に、水色のハーフアップロングヘアとまぁ可愛い。(自画自賛自分で言うな!) じゃあなんで残念かと言うと、俺は一生身体が成長しない。(ちなみに精神も……むしろ退化してると言える)

 かれこれ1万年生きている。しかも万年ちびっ子だから、常人だととっくに気が狂っているな。ちなみに恋愛は9900年前から諦めている。(まぁ、頑張れ俺……) それで正気を保っている俺はある意味狂っているな。


 さてなんで幼女が『俺口調』かと言いますと、それは今から数ヶ月前にさかのぼる……。


 数ヶ月前男子高校生だった俺は冒険者覚醒テストを受けた時なんの冗談か、この通りちびっ子幼女の姿に性転換してしまった。思春期の男の子なら逆に喜びそうなんだが、これがガッカリ幼女体型だ。まぁ、ある種の変態は逆に歓喜するか? 知らんけど……。


 とにかくショックだった。

 男だった俺の身体はじつは偽りの身体だったらしい。どうやら真の姿がこのサタンちゃまの身体らしく、サタンちゃまは昔ヤンチャが過ぎ敵対していた天使軍に捕まり、天界の罰を受け記憶を無くし男に転生させられてしまった。

 転生後は真面目な高校生男子として暮らし良心を植え付けられ、魔王の危機が迫ってきたタイミングで元の幼女の姿に戻されたわけだ。


『やれやれ』苦労が絶えず肩こるわ……。


 さて日本で冒険したのち悪魔王の記憶が蘇った。だから懲りずにヤンチャしている。


 しかし手足は短いし背が低いしと、ちびっ子の身体は色々不便だ。しかも思考は俺口調なのに、実際声に出るのは猫口調だからややこしい。『とはいえもう慣れた』俺直属の悪魔部下が面倒見てくれるからな。あとこう見えても身体が頑丈なので笑いながら魔物と戦える余裕が出来た。


 俺の仲間には美少女が数人いる。しかし悲しいかな、一生幼女の姿だから恋愛はとっくにあきらめている。だけど可愛らしい姿を逆手に取って大人に甘えることは出来る。


 だから好き放題冒険して、お釣りが出るほど今は楽しい。


「にゃっにゃにゃっ♬」


半ばヤケクソになった俺はたまに意味もなく笑う。周りは引いてるけどホッとけよ。一万年生きてまるで成長しない。生意気なクソガキの性格だからしょうがない。


 さて、そんな俺と赤毛のツインテールの少女剣士のメリーと犬猫ハイブリッド妖怪のワン☆ころの二人と一匹は、魔王軍の罠に掛かって遠くに飛ばされた。おかげで俺の飼い主の聖女さまと他の仲間と分断された。


 でもまぁ、性悪聖女さまからペット扱いされてた俺が自由になって正直楽しいよ。


 さて、色々あって現在俺は美の国エステックの城内で魔王軍13(トレデキム)交響楽団の美の死将『夜想曲(ノクトゥルス)と、その部下と対峙して一触即発の状態だ。


 まぁこの化粧濃いめのカマ野郎はムカつくから、得意の頭突きでぶっ飛ばそうか……。


 しかし香水臭い派手な奴だ。

 ノクトゥルスは金色でロールした髪を伸ばし、美形だけど男の癖に化粧して、服装は派手でまるでフランス革命時代の軍服に似ているな。


「実に美しい……」

「にゃっ……」


 手鏡持っていきなり自画自賛。なにを言ってるんだこのナルシスト魔族は……?


「ああ〜っ実に美しい。そう私の顔が…………そう思わないか諸君たち……」

「にゃっ……」


 自分の顔褒めてたのかよ……『……まぁ、頑張れ……』と俺は他人事のように心の中で呟いた。


 まぁこのカマ野郎は手鏡持って自分の顔見てウットリしてやがる。一生顔見てろよ。


「さて諸君……」

「にゃっ!」


 薔薇の香を漂わせながらノクトゥルスが、ヒールを鳴らしながらゆっくりと近づいて来た。

『来んなよ側に!』キツイ香水の匂いにたまらず俺は鼻を手で塞いだ。


「……おいっそこの子供っノクトゥルス様(我が最愛の君)に向かってその態度失礼だっ!」


 足を止め振り返ったノクトゥルスが俺に向かって指差した。


「にゃ……」

「全く無礼な子供だ」


 付き人の金髪ショートの美少年に睨まれた。こいつも真っ赤な口紅を塗ったナルシストでノクトゥルスの親衛隊隊長だっけな。俺たちを遠くには飛ばした張本人だ。


「さっきからにゃんにゃ、おみゃえはうるちゃいにゃっ?」

「なん、だとこの生意気な子供はっ、また後頭部足蹴にされ地べたにキスして血へど吐きたいのか?」

「にゃにゃっ♬ やるにゃらやってみろにゃ♬」


 俺は舌をベロベロ出して美少年を挑発した。


「こっ、こっこっこっこーー〜〜っこんの子供の分際があああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」

「にゃっ……」


 美少年がキレた。

 まさかここまで激怒するとは激しいな……まぁ頑張れ。


「お待ちなさい」

「ハッ! ノクトゥルス様っも、申し訳ございません。あ、是非っお詫びをっ……」


 主であるノクトゥルスが制止すると美少年はハッとして、慌てて服を脱ぎ出し生肩を見せた。『ちょっと待て』君たちはそー言う関係か……。


「……」


 ノクトゥルスも引いてるじゃねえか。


「服を着なさい」

「ハッ! かしこまりました」

「さて、お前が噂のサタンちゃまか……」


 アゴをあげたノクトゥルスが俺を見くだすように一言呟いた。


「にゃんにゃお前?」

「キイッサマァァッ! ノクトゥルス様に向かってなんて無礼なその口の利き方っ!」


 美少年がまたキレた。それも想定内。ちょっと面白いからもっと煽ってやろう。


「にゃにゃっ♬ お前化粧してオカマかにゃ?」

「……だからなにが言いたい子供っ」

「にゃっ……ぶぎゅっ!?」


 突然ノクトゥルスに腹を蹴られ床に叩きつけられ、止めにうしろ頭を足で踏みつけられた。

 実にブザマなちびっ子の俺だが効いてない。


「誰がオカマだ言って見ろこのゴミッ!」

「にゃあ……」


 発狂したノクトゥルスがキレッキレだな。


「醜い。醜い。醜い。醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜い醜いっ実に醜い。ああ、私の目に入るなっゴミクズ子供。うがぁぁっーーっ! 目がっ、目が目が腐るぅうっ醜いっ死ね死ね死ねっ!」

「にゃにゃっ♬」


 ノクトゥルスのキレ芸が面白くて思わず笑ってしまった。未だ床に這いつくばってんのにな。

 我ながらポジティブだ。


「ああっ魔王様っどうかこのゴミグズが地上から消え去るようにっ」


 手を合わせたノクトゥルスが背をのけ反らせヒステリックにわめいた。

 なんだか病んでんな。このナルシスト魔族。


 相変わらず奴が俺の背中をゲシゲシと踏みつける。マッサージには丁度いい塩梅だ。

『にゃにゃっ♬』


「醜い君には理解不能だろう。この私の美しい瞳に醜い映像が映るっうぅぅっ……耐え難い苦しみ。ああっ絶対に許さんっ!すなわちっ私の視界から消えろっ!!」

「……」


 そろそろ鬱陶しくなってきたな。


「にゃんっ!」

「ぐっはっ!」


 ノクトゥルスの足を押し退けお得意の頭突きを腹にかました。


「ぐっ……馬鹿な……」

「ノクトゥルス様っお怪我をっ」


 腹を押さえよろけるノクトゥルスに美少年が駆け寄った。そらまぁ愛人だから心配するだろ。

 まぁ、頑張れ。


「大丈夫だ。それより……」

「なっ、なによ……」


 今度はメリーに目をつけたみたいだ。

 ノクトゥルスがフラフラと彼女に近づいた。


「ふふっ、そんなチビなんかより、この私の女にならないか?」

「……バカじゃないの……」

「なに……」


 確かにメリーの言う通りだ。


 聞いてないのか優しく微笑むノクトゥルスが、メリーに手を差し伸べた。


「踊ろうか?」


『にゃっ!』どうしてこうなる。まずナンパの手順がおかしい。

 しかし噂通りコイツは美女には甘い態度で誘うんだな。あー虫唾が走る。


「なによ気持ち悪いっ!谷川シェフから聞いたわよ……醜い男は生きている価値はないから殺し、美女は全て自分のモノにして奪い去る最低な魔族……」


 酷い言われようだなノクトゥルス。

 しかし良く言ったメリー。


「一体なにを言っているのだ美しい君は? 私の考えを理解出来ないとは美しくない知性だ。もういいっ君は要らないから死ねがイイッ!」

「なっ!なんなのよっ……」


 最早ノクトゥルスの主張に理解不能で肩をすくめるメリーは完全に俺側だ。しかし、彼女ではちと戦力的に厳しい。


 仕方がない。


「ここは親衛隊を召喚するにゃ……ステータスオープン!」


 空中にステータス画面が現れ悪魔ファイルをタップして三人の黒騎士を選んで召喚した。


 ファイルから三人の女騎士が飛び出し実体化した。


サタン様(しゃっちょ)〜っまたワタシを呼びましたぁ? 好きですねぇケケッ♬」

「にゃっ!」


 星5レアの黒天使(ブラックエンジェル)黒鴉(ブラッククロウ)は俺の部下だ。

 前髪で右眼を隠した黒髪ストレートロングヘアーの彼女は一見陰キャに見える。だがっ、(主人)をほんろうするほど不真面目な陽キャ騎士だ。

 だから度が過ぎる冗談言って他人をキレさせるプロだ。まぁ刺されないように口には気をつけろ……。


「コラッ!黒鴉っサタン様に無礼だろっ!」

「なんだよ〜いつものことじゃないか……」


 俺に代わって叱ってくれたのが悪魔騎士(デビルナイト)のクレナだ。

 黒髪ロングヘアに全身漆黒の鎧を包み。足首までのロングスカートを履いた肌の露出皆無の鉄壁なスタイル。

 おまけに悪魔の癖にクソ真面目で不真面目な黒鴉を叱ってくれる貴重な存在。だが最近彼女は可愛いモノ好きと判明して俺に甘えてくる。まるで愛玩動物のようにな。


「あらあらっ喧嘩は駄目ですよ。お二人共……」


 ツルハシを手に持ったクリーム色のロングヘアと見間違うポニーテールの黒騎士が、温和な笑みを浮かべ歪み合う二人をなだめた。


「ゲッロウラン……」

「なっ、なんでもないぞ……」

「あらあら〜二人とも〜どうしたの? まるで蛇に睨まれた蛙みたいにかしこまってぇ〜」

「『……』」


 ロウラン(お前)が怖いからだろ。マジで怒らせるとツルハシで魂引っこ抜かれるからな。


『ギシャアッ!』


 突然魔王の配下のブラックゴブリンが彼女に飛び掛かり襲った。


「あらあらっ〜自己紹介まだなのに奇襲とは、不粋ですわねっヨイショッとっ!」

『ギガッ!』


 頬に手を当て目を細めた彼女がツルハシを振ってゴブリンの心臓部に突くと、そのまま魂を引っこ抜いた。


『ギャガアッ!!』


 魂を抜かれたブラックゴブリンは絶命して崩れ落ちた。


 流石職人技。

 全身黒尽くめの鎧にロングスカート姿の彼女の名はロウラン。職業は死の司祭(デスプリースト)まぁ、いわゆる死神だ。


 この種族が異なる三人の黒騎士がサタンちゃま親衛隊だ。


「あらあらっサタン様ご機嫌よう」

「にゃっ!」


 ロウランはスカートの裾を両手で挟んで優雅にお辞儀した。


「サタン様っ……いつ見てもスタイル抜群で素敵ですよ」

「にゃっ……」


 スリーサイズほぼ均一な寸胴体型の俺が言うのもなんだが……、『どこがだよっ!』と心の中でお世話を言うなとロウランに突っ込んだ。


 すると様子を見ていたノクトゥルスが、黒騎士娘たちを獲物を物色するように眺めていた。


「実に美しい……どうだ? こんなチビの元よりこの私の元で働かないか?」


 言ってくれるじゃないかこのナルシス騎士。


「はあっ? 誰がお前みたいなキモい野郎の元で働くかよっ!お前なんか社長(しゃっちょ)〜の方が千倍魅力だよっケケッ♬」

「にゃっ!?」


 褒めるのはいいが、調子にノッて俺の頭を撫でるなっ黒鴉。一応上司だぞっ……まぁ、そのせいか、彼女は俺のことを社長と呼ぶ。


「そうだぞっ!女をモノのように集めるノクトゥルス(キサマ)はっ女の敵で決して相容れないっ!」


 クソ真面目なクレナは当然ノクトゥルスに剣を向け拒絶した。彼女は三人の中で一番最初に引き当てたレア悪魔で、当初本当に嬉しかったぞ。


「そうそう、こんなキモイ男は生理的に無理ですわ」


 温和なロウランがツルハシを肩に乗せ優雅に構えた。しかし、微笑みながら中々キツイこと言い放つな。


「そうか……残念だよ。君たちには私の美しさを理解出来ないとはね……だったら全員死ぬがいいっ!」


 今まで澄まし顔だったノクトゥルスが鬼の形相に変貌した。


「ちょっと社長っアイツ結構強いですぜ!」

「にゃっ……」


 珍しく焦った黒鴉が俺の肩を叩いて話し掛けた。


「分かってるにゃっ!アレでも13交響楽団中五本指に入るほどの実力者にゃ……恐にゃくアタチの悪魔七将軍に匹敵するクラスにゃ……」

「マジですかっ社長っ〜、それじゃワタシら三人でも苦戦しまっせ!」

「分かってるにゃん。焦るにゃ黒鴉……かくなる上にゃ……アタチの悪魔ガチャスキルで最高レアの星6悪魔を引き当てるにゃっ……」

「今からですかっ社長っギャンブラーですなっ!」

「にゃっ……ステータスオープンにゃっ!」


 小さな両手を精一杯あげた俺はステータス画面を表示させて悪魔ガチャスキルを指でタップ。


 すると空から小型トラックサイズのガチャガチャ自販機が降って来た。


 ズズーー〜〜ーーンンッ…………!!


 重さ3トンの自販機に下敷きになったらイチコロのせんべいにされる。そこは注意な。

 さて、俺は袖で額の汗を拭うともう一スキルを発動させる。それは高レアをより確実に引き当てるためのスキル。


 その名は『魔力課金スキル』


 俺は最大28900MPの内25000MPをガチャ自販機に注入することにした。

 それで両手をバッとうえにあげた。


「魔力25000ポイント課金っスキル発動にゃっ!」


【 了解しました。10連ガチャを回してください】


 自動音声が流れてガチャを回せるようになる。

 早速俺はガチャの前に踏み台を置いて高さ調整して銀色のハンドルを握った。


 あとは運にまかせてハンドルを回してガチャガチャするだけだ。そこは手動のアナログ作業なので注意な。


 ガチャッガチャガチャガチャッポンッ!


 ハズレカプセルが当然出てくる中、プラチナレインボーカプセルが二個連続して排出された。

 これは最高レアの星カプセルだ。魔力課金したんだから当然とはいえ、二つ連続とは驚きだ。


 さて、中身は誰だろう?


 するとそれを見ていたノクトゥルスが口を開いた。


「ほ〜う、面白いスキルだな……少しは見直したぞチビよ」

「にゃんでも上から目線だにゃ……」


 とは言えっ中身は確実に高レア悪魔二体は確定だな!

 さて、どんな強敵も俺の悪魔ガチャスキルでかつての最強部下たちを引き当て無双するぜっ!


 これがちびっ子サタンちゃまの戦いであり、突如地球に召喚された異世界大陸で魔王を倒すために仲間と旅する物語である。


 ちなみにこの話はかなり中盤なので、俺がサタンちゃまになる前の男子高校生だった時の話に戻るとしよう。


この小説の特長の一つが、自分が小説家になろう他に連載している小説の主人公や登場人物が並行世界の助っ人として登場することです。だから妙に個性的で強いゲストキャラは別作品の主人公です。または、構想中でまだ発表していない主人公の場合があります。例四段変形ロボ。

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― 新着の感想 ―
幼女の姿と大人の思考が交錯する様子に少し笑ってしまいました
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