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ジャガイモの為の下準備

「北方の偵察ですか?」


副団長のギルデントに呼ばれたベリット、彼の担当する地区には北方も入るので不思議な依頼ではないが今回は少し違った。


「今回はミルト村よりも奥に行ってもらう、国境の先だ。」


「それはつまり、アケラ村の視察ですか?」


「…まぁそう思ってくれても良い、内容は国境近辺の視察だ。」


「なぜ素直にアケラ村の視察と言わないのです?」


ベリットはやや不機嫌になる、アケラとは同期である彼はいつも彼女の活躍に一喜一憂していた。

そんなアケラが領主として着任したことは実に誇らしい事である。


だが騎士団上層部や貴族達はまるで腫物の様にアケラを扱うのだ、そのことに不満をもらすベリット。


「そうだな、君になら話すが…実はアケラ村は今現在ゴルド王国の領主として認められていないのだ。」


「なんですって?」


衝撃の真実である、だが思い当たる淵がベリットにはあった、過去の何度も北方の視察やパトロールなどを行った。


だがその複数回のうち、1度たりともアケラ村近辺には訪れていないのだ。


教育でもゴルド王国の北に位置する一番遠い村はミルト村と教えられているし、ミルト村は辺境伯の位を持つ貴族が納めている。


辺境、つまり国境の一番端である領地はもうすでにあるのだ。


その辺境の村のさらに奥、そこにアケラ村は存在する。


「ですが、なにも最近になって人が住み始めたわけではないですよね?以前より人が住んでいるはずです、まさかその際でも村として認知されていなかったのですか?」


「あぁ、その通りだ、この事は他言厳禁である。」


「国の法に逆らってる!!…国王宣言の一つ『我が国の民は等しく我が子であり、その権利を誰も奪うことはできない』、これに反している!!」


【国王宣言】とは、ゴルド王国建国時、まだ法律というものが存在せず国王の声が絶対的であった時代に初代国王ゴルド・オーランから発せられた、この国における『法律』の原点である。


「だが当初、それも戦後まもなくから、つい最近に至るまであの村は我が国境の外という判断だった!

ベリット、君は国境の外の村までもゴルド王国の領地だと判断するのかね?」


「それは…。」


「とにかく、この件はアケラ・グラディウスを新たな領主として置くことで解決した、もし万が一魔王国側が出てきたら、その時は…。」


「.......上手くいけば領地拡大、魔王国側からの抗議があってもリザードマンの尻尾の様に切ればよいと!?」


副団長の机に思いっきり拳をたたきつけるベリット、だがギルデントは冷静に諭した。


「もちろんこれは一部貴族の欲に眼が眩んだ汚い考えで、我々騎士団とて反対の意見だ。

だから今、最悪の事態を避ける準備をしている。」


「準備?」


「そのために、まずはアケラ村の視察を頼みたい、だが表向きは国境付近の視察だ。

貴族共に悟られないようにな。」


「なるほど、そういう事でしたら喜んで向かいましょう。

して、教会があるはずですが?」


「この作戦に教会の協力は求められん、教会が昔の様な組織ならよいが今は貴族もかなり入り込んでいる、それこそ白服レベルにならんと調査が出来ぬ。」


「白服…式典などでたまに見ますが話した事はないですね、彼女たちに依頼するなぞ国王本人かその取り巻きの貴族にしか無理でしょうね。」


「そういえば、我々騎士団で唯一白服と接点があったのがアケラだったな…。」


「あぁ、確か知り合いが最近白服になったとは聞いたことがありますね。」


「村に行き、その話もしてほしい。

主に伝えたいことは『ドラゴンをけしかけた真犯人を必ず騎士団が捕まえる』という事と、『騎士団はどんなことがあろうとアケラ・グラディウスの味方である』。」


「お任せください。」


「ではこれを。」


ベリットは手紙を一式受け取った


「これは?」


「今現在判明しているドラゴン事件の情報や兵達のメッセージだ。」


「え?聞いてないんですが?自分も書きたかったな…。」


「直接言えばいいだろうが、準備ができ次第向かってくれ。」


「はっ!!失礼いたします!!」


軽い足取りで退出したベリットを見送ったギルデントはふぅとため息をつく


「副団長ってのは疲れるな、一通り終わったら長い休みをもらうか…。」




◇     ◇     ◇     ◇




「さて今日も頑張るか。」


シルマからカレンダーを貰い、これにより農作業の段取りが取りやすくなった。


農業と暦は切っても切り離せない重要な関係性を持つ、種を植えて何日後に発芽するか、植えてから何日で収穫するかなどの目安になるからだ。


もちろん農作物の様子を見れば大体は分かるものだ、ジャガイモなどは葉や茎が少し垂れてくる頃合いに収穫すると良いとされている。


他にも大根やカブなどは地表に出てくるのでそこから太さなどを予測し、収穫準備に入る。


だが、これらはあくまでも『農家』による『経験』があってこその話だ。


ケンジの転生した世界では、その『経験』を持つものが少ないのだ。

そんな彼らにとって必要なのが『共通の数字』である。


ジャガイモを植えてから何日で収穫するのかを作業員で共通認識してもらえれば、最悪ケンジが居なくても作業が止まることもない。


「シルマさんの領地で栽培する場合、ある程度研修を受けた人を派遣したりするのがいいだろうな。」


農地につくともう作業を始めてくれている村人の皆がいた。


「どうもケンジさん、もうあと少しで農地が完成しますよ。」


向こうの方で牛が畑を耕してるのが見える。


「あぁ、だいぶいい感じですね、欲を言えば腐葉土や肥をやりたかったのですが…。」


本来長期間放置された土地の場合、掘り返しただけでは不完全で牛糞を発酵させて作った肥をまいたり落ち葉などを腐らした腐葉土を混ぜるとかなり良くなる。


「では新しい仕事をして欲しくてですね…。」



◇     ◇



「皆さん今日もお集まりくださりありがとうございます、今日集まっていただいた方は少し体力仕事になると思われますが、よろしくお願いします。」


集められたのは村の男性陣。

皆それぞれ手にクワを持っている、これはケンジがビットに発注をかけたもので、先端は鉄製となっている。


「牛でだいぶ耕せたので、今度は野菜を育てる土台『畝』(うね)を作っていきます!」


ウネとは野菜を育てる為に土を盛り上げたものの名称である


「今皆さんに持っていただいているクワでですね土を寄せていってもらいます。」


そういうとケンジは慣れた手つきでクワを振りおろした


サクッといい音を鳴らしながら少しずつ横に移動してゆき、そして反対側も同じようにする。


そうすると地表から10cmほどの高さの盛り土が出来上がる


「このくらいの高さの盛り土を幅は手のひら3つ分でお願いします。」


距離や長さを測る道具はあるらしいが、ド田舎にあるわけないので感覚でやってもらう。

手をいっぱい開いて親ゆびの先から小指の先が約20cmなので、60cmを目安に畝を作ってもらう。


「ケンジさん、このウネって奴はなんでこうするんですか?」


集まってくれた男性陣の中から一人が手を挙げて聞いてきた。


「よくぞ聞いてくれました!

今現在の畑の状態は平面なんです、ここに雨が降ったり水をやると水が溜まります。

そうするとせっかくの作物が腐ったり病気になったりします、そうならないために地面より少し高い位置に作物を植える為に畝を作ります。」


他にも一列に作物を植えるためという理由もある、一列で植えると雑草が生えた際にどこに作物があるかおおよその位置把握ができるといった点もある。


農場が美しいと作業もしやすく、管理も楽になるのである。


「他にも収穫しやすくしたりとかいろいろとメリットがあるので、畝立てをします。」


「なるほどなぁ。」


理解してもらいひと段落着いたところで、10人程にやり方をレクチャーする。

そんなに難しい作業ではないので皆すぐ覚えた。


「では畑の半分ほどをお願いします、今ある植える用の芋の数が十分にないので…。

また段階を踏んで畑の半分は使いましょう。」


次は畝を作ってる男性陣の奥様方のところへと向かう。



◇     ◇



「どうも、みなさん集まってくださりありがとうございます。」


集まったのは使っていなかった倉庫前、大量のジャガイモの樽と主婦たちが集まっていた。


「女性陣には今からジャガイモを選別したのちに切ってもらいます。」


「なんだい、男どもの料理を作るってのかい?」


「いえいえ、皆さまには『種芋』を作っていただきたいのです。」


「「「種芋???」」」


女性陣は『なんだそれ?』と言わんばかりの疑問の声。


「そもそもジャガイモは花などと違い粒の様な『種』からは育ちません。

この『芽』から出てきます。」


ケンジが樽から取り出したジャガイモをみんなの目の前に出した。


それは少し日が当たり緑がかった芽の生えたジャガイモ。


「それは毒だよ、昔貧しい時に食ったアホが居たが腹痛や嘔吐で2~3日悶えてたね。」


そんな声に主婦たちはうんうんと頷く、やはり日頃料理をする彼女らには常識だった。


「さすがですね!皆さんよくわかってらっしゃる、その通りこの芽には毒が含まれており非常に危険ですがそれは食べた場合です。

触っても問題ないのでご安心を。」


料理に使う際に芽の部分やその周辺を切り取れば食べれるが、取り切れない場合があるので基本的に食べないほうが良い。


「以前少し説明しましたが、ジャガイモはこちらの芽が出た状態の物を植えると栽培できます、ですが恐らく今の農場の状態だと1株あたり2~3個程のジャガイモが収穫できれば良いといえるでしょう。」


ケンジの予想だと今の農場の状態はあまりよくない。

パッと見た感じだと土壌中に石も多かったし水はけも悪そうだ。


何より肥料が完成していない、まだ牛糞が発酵しておらず肥料として利用できない。


これらの要素を含めると良いジャガイモなら1株10個ほどが出来るところを2~3個と予想した。


「1個から2〜3個出来るんだろ?それならいいじゃないか、2倍の量だ。」


うんうんと周りの主婦も頷く、先ほどから同じ主婦が質問してくれている。

どうやら主婦グループのリーダー的な存在らしい、堂々とした頼れる女将さんって感じの雰囲気を醸し出している。


「そう、そこなんです、農業を始めたばかりでつまずきやすいポイントです!」


良い質問をしてくれたと言わんばかりにケンジは声が大きくなる。

農業の初心者講習に教授として呼ばれた時のことを思い出す…。


「作物が成長して収穫できるまで、様々な障害があります。

毎日栽培に適した気候が続くとは限りませんし、虫や獣による被害もあります。

そうでなくとも植えた後に芽が必ず地表に出る保証はありません、そのまま土の中で腐ることもあります。」


ついつい早口になるケンジ、だがここに彼を止める者はいない。


「この話を聞いてめんどくさいと思う人がいるかもしれません、私もそう思います。

ですが作物を作るという事は、食べ物を作るという事はですね!

手間暇をかけたほうがおいしいものが作れるという事は、皆さんが一番理解しているはずです!!!」


ケンジはその瞬間、皆と目が一斉にあった気がした。


ジャガイモはそのまま食べるより蒸かした方が美味い

肉は焼いた方が美味い


この時代の人でもそんなことは当然のように知っている。

そこに共通点があると、ケンジは思ったのだ。


「農作物も同じです、植え方を変えれば2個が4個に、土を変えれば4個が8個に。

我々が手間暇をかけた分だけ植物は答えてくれます。」


いつの間にか気だるそうに話を聞いていた主婦も真剣に話を聞いてくれていた。



「…で?どのジャガイモから切っていけばいいんだい?」


先ほどの主婦が口を開く、何人かの主婦は彼女の方を向く。


そんな彼女にニコッと微笑みケンジはお願いをする。


「では、詳しく説明します。」




◇     ◇




今度は村のはずれ、周囲に何もない農場の端に移動したケンジ。

次にやる作業はケンジ本人じゃないといけない理由があったので今回は助っ人はいない。


「お、あったあった。」


必要としていたものがちゃんと置かれていることを確認した。

必要な物とは、農地開拓の際に出た刈り取られた草木である。


「こんだけあればいいか、周りに何もないな、風も…大丈夫そうだ。」


周囲を確認し、風も村の方に吹いていない。


「えっと、これが火打石か…実際に使うのは初めてだな。」


ギルドの冒険者貸し出し用の備品から借りてきた火打石は片方が石で、もう片方が金属片の物だった

火打石を金属片で擦るように打つと火花が散るという使い方だ。


枯れた草木の前にかがみこみ、火打石を使い火をつけようとする。


カッ


カシュッ


ガッ


「む。」


カッカッカッカッカッ


何度か挑戦するが、火どころか火花すら散らない。


「あれ?難しくないか?」


カッカッカシュカシュカッカッ









「ふぅ。」


一通りの書類仕事が終わり、ひと段落のついたリガ。

最近流行っているジュゲ大森林産の紅茶を飲みながら一息ついていた。


(前回の魔族側の発言、向こうにケンジの存在がバレているのは明白だな、だが今は教会側の返答がない限り我々は動けないのが問題だな。

セティさんは昨日のことを伝えたら朝市に発ったが、いつ頃戻るのだろうか…。)


悶々としているが、ケンジの管轄は教会にありアケラ村からはどうすることもできない。


(アケラ村に置いていてよい人材なのだろうか?彼は優秀で村の発展にも貢献してくれている…だが今の状態だと教会直下、ゴルド王国で保護管理してもらった方が良いのではないだろうか?)


「すいません!!!」


「ああぁっ!!」


いきなり呼びかけられ変な声が出るリガ。


「なんだいきなり!!」


窓口から呼びかけるケンジは半分くらいイライラしていた。


「この火打石が悪いのか自分がへたくそなんかわかりませんが、全然火が着かないんですが!!」


「普通に声かけろ!馬鹿ッ!!」



◇     ◇



「火打石なんて不便な物を使うのは冒険者ぐらいだろ。」


結局リガに火着けを頼むことにした。


リガは地面に紙を置き火打石を打った。


紙には円が書かれていてその周りにはいろんな呪文が書かれており、リガが打った火打石の火花がその円の中に落ちた。


すると青色の炎が瞬く間に広がり草木に燃え移った。 


「なんですかそれ?」


「これは魔道具の『着火紙』。

火の呪文が書き込まれているけど、火とかは元になる種火がないと発生しないから結局火打石はいるんだけどね。」


「いや、でも便利ですよこれ!自分は火花出るまでは出来たんですけどそこからが無理でしたから。」


「雑貨屋で売ってるぞ、5Gぐらいだ。

この前セティさんに習っただろうが、魔法ってのは元となる物がないと発動しない。

火魔法なんかがその最たるものだろうな。」


そう言うとリガはサイドポーチからもう一枚取りだして見せてくれた。


「この真ん中の円が魔法陣だ、基本は円形が多いが時々星形がある、違いは分からん、魔法に食えあしい奴に聞け。

そして円の周りに書かれている呪文が『命令』と呼ばれる呪文で、精霊に対して『何をしてほしい』かが書かれている。」


異世界語が読み書き出来るケンジだが、医者のカルテの様に読めそうで読めない文字で書かれていた。


「なるほど、つまりここには火が勢い良く燃えるように命令文が書かれているんですね。」


「そうだ、因みにお前はもう魔力適正は受けたか?」


「.......。」


「なんだ?まだなのか?魔力適正は知っといたほうが良いぞ、火との相性が悪かったりすると今の着火紙の火の付きがよくなかったりするからな!

ひどい奴は燻るだけで着火が難しいらしいぞ、そうなったら冒険者も難しいだろうな!はは。」


軽く笑って見せるリガだがケンジはあまり笑えなかった。


「.......自分、無色でした。」


「........すまん。」


パチパチと景気よく燃える草木を目の前にしばらく気まずい沈黙が続いた。





「と、ところでこれは何をするんだ?」


悪い空気を断ち切るように話題を変えた。


「えっ!あぁこれはですね『灰』を作ってます!」


「灰?そんなもの何に使うんだ?」


「灰はすごいですよ、様々なものに使えます。

まず土地の性質を変えます、難しい話になりますが酸性土壌を中和する効果があります。

さらに今回栽培するジャガイモを植える際に半分に切るのですが、その断面にまぶすことで病気の侵入を防ぐ効果があります。」


「分からん分からん、とりあえず作物に使うんだな。」


「そうです。」


「なら村の端に焼却所がある、ゴミとかを燃やした後の灰があるはずだ。」


「それではダメなんです、不純物が多いですね。

今回は雑草や枯れ枝などなので良いですが、それ以外の不純物が混入した場合、作物の病気の原因になる可能性があります。」


もし変な薬草だったり薬品などがあるとどうなるか、ケンジには予想ができないことが起こるかもしれない。


異世界の農業、今は前世の教科書通りの様な農業しかしていないがいつ、どんな時に異世界要素によるトラブルが起こるかわからないのでリスクはできるだけ避けたい。


「はぁ、難しいんだな。

良し、じゃあ火の燃え移りには気をつけろよ、私は事務所に戻るから何かあったらすぐに来いよ。」


「はい分かりました、ありがとうございます。」


「次は呼びベルを押してから、普通の声で、わかったな。」


「ハイすみません、次から気を付けます。」



◇     ◇     ◇



    

午後。


村の倉庫に農業班が皆集められた。


「皆さんお疲れ様です!!」


畑で畝を立ててくれた男性陣は初めての作業の割には皆ピンピンしている、やはり日ごろ体を動かしている人たちは体力が違う。


「次は何をするんですかい?」


男性陣代表のゴベさんもやる気十分で指示を待っている。


「ではいよいよ種芋の準備です、今から皆さんにはジャガイモの種を作ってもらいます。」


おぉ、と少しの歓声。


「おさらいをしましょう、ジャガイモは芽が生えた状態のものを植えることで栽培できます、しかし1個を丸々植えるのは少しもったいないです。」


そこでケンジは主婦代表の方からある物を貰う。


「そんな場合にこれです!!」


高々と掲げられたのは『半分に切られたジャガイモ』だった。


「このように1個を切り、2個にします。

こうすることにより2倍の量を植えることができます!!」


2倍、その単語にまたもや小さな声が上がる。


「ですが皆さんが心配していることもわかります、半分に切ってもちゃんと生えるのか?と。

もちろん大丈夫です、植えてしまえば根が出て土の養分で育ちます!!

そしてこの断面、ここをそのままにしてしまうと菌が入り腐ってしまします!!」


もちろん皆、生ものに傷があるとそこから腐るのは知っている、果物や生き物、または人体で目の当たりにしたことがあるだろう。


「ですがここに綺麗な灰を用意しました、今から皆さんにはこの灰をジャガイモの断面につけてまらいます。」


ジャガイモの断面に灰をつける、この方法は昔こそ行われていたが今はあまり行われなくなった方法である。

実際断面を十分に乾燥させればそれで良いらしいのだが、今回灰を作ったのはついでに畑に散布しようと考えているからである。


「はぁ、なるほどなぁ、この芽から出てくるってんなら芽を避けて半分に切ればええのか。」


さすがリーダーゴベさん、理解が早い。


「あんた、感心してないでさっさと灰つけな。」


「あいあい。」


後になって判明した事だが、主婦たちのボスである気の強そうな女将さんはゴベさんの奥さんだった。


やっぱり夫婦って似た者同士なんだなぁ。


ジャガイモに灰をつけながら小突かれるゴベさんを見ながらすべての作業を終わらせた。




着々とジャガイモ植えの準備が進んでいった。





今年度も読んでいただき誠にありがとうございます!!

まだまだ未熟者ですが、どうぞ来年度も変わらぬお付き合いの程よろしくお願いします!!



1/1にも上がりますのでお楽しみに!!

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