48.
「では、今回はどのようにして任務を達成すればよいでしょうか」
「そうなの。それが問題なのよね。そもそも、今回は竿を斬ることよりも、竿のありかを吐かせることのほうが重要だからね」
北山は一応SPOのトップ。トップが竿の保管場所を知らないはずがないだろう。
簡単に吐くかどうかが問題だが――。
「北山と田中に酒を飲ませて泥酔させ、情報を聞き出してから竿を斬るというのはどうでしょうか」
舞の提案に、女帝は微笑んだ。
「二人ともかなりの酒豪らしくてね。付き合うあなたの身がもたなくってよ?舞」
そもそも、舞はSPOにとって最重要危険人物である。
当然マークも厳しくなっているだろう。
そこへノコノコと乗り込み、二人と面識を得て、酒を酌み交わす仲になるというのは無理がある。
「それで考えたんだけどね。舞、あなたには自分付きの執事がいるでしょう」
「藤城のことですか」
舞は頷いたが、嫌な予感しかしなかった。
「ええ。今回は、その執事を使って彼らを誘惑するのはどうかしら」
予感的中。舞は頭を抱えたくなった。
女帝は喜色満面で舞の言葉を待っている。
拒否権はない。
それに舞自身、他に手立てを見つけられないのだから従うほかはなかった。
「承知いたしました」
女帝の顔からすっと笑みが消え、用心深い瞳が告げる。
「気をつけて。北山は侮れない男よ。田中涼の方はいつも北山の側にくっついているけれど、引き離すことができれば大丈夫よ。阿部ほど頭も切れない分、難易度は低いと言えるわ」
阿部は一体、北山組でどのポジションにいたのだろうか。
聞きたいが、恐ろしい返事が返ってきそうで、舞はやめておくことにした。
「彼らは複数のアジトを持ち、週や日単位で転々と移動する。このリストに地図と名前が書いてあるから、頭にたたき込んで」
「かしこまりました」
女帝はうっすらと笑み、舞の指先を握って囁いた。
「健闘を祈っているわよ。可愛い子猫ちゃん」




