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竿斬りの舞  作者: 凪子
第五夜
46/146

46.

どうしてSPOの人間は、竿が日向野本社に保管してあると知っていたのだろう。


そもそも、竿が廃棄されずに保管されていると確信していなければ、盗みに入るという発想自体出てこないのではないか。


それに、どうして日向野は竿を保管していたのだろう。


あんなにも厳重に金と手間をかけて、わざわざ証拠になるようなものを?


「日向野は、愚かな男の犠牲になった者のための復讐。SPOは、奪われた竿の奪還」


突然、呪文を読み上げるような口調で鉄が言った。


舞は顔を上げ、言葉の意味を頭の中で反芻はんすうする。


鉄は奇妙に静かな声で、


「それは建前にすぎないのだよ、舞。互いにな」


舞が問い返そうとした途端、ドアが開いて、


「いらっしゃい、御剱のお嬢さん」


女帝が入ってきた。


入れ替わりに鉄が部屋を出ていく。


御前ごぜん。先日の件は」


「まあお座りなさいな。そんな怖い顔をしないでちょうだい。結果的にあなたを騙す形になったのは事実だけれど、阿部はあなたが思うほど綺麗な人間じゃなくてよ」


と、女帝は早口にまくし立てる。


「児童ポルノの製作に携わり、闇ルートで売りさばいて大金を得ているし、買春かいしゅん斡旋あっせんもしているわ。あいつだって十分に罪深い男なのよ。分かるかしら?」


聞き分けのない子供をなだめるような口調に、舞は反発しようとした。


だが女帝は機先きせんを制して、


「私は、阿部は色じかけで陥落する可能性が低いと言ったわね。なぜだと思う?」


「ホストクラブのナンバーワンにいるからではないのですか」


女帝は人さし指を左右に振った。


「実は彼、同性愛者なの」


舞はぎょっとして目を見開いた。


女帝は笑みを浮かべたまま、


「だからあなたの魅力が通じなかったわけ。どう?驚いたでしょう」


巧みな話術に翻弄ほんろうされ、舞は会話の舵取りをしそびれてしまった。


「さて、じゃあ本題に入りましょうか。阿部の話をしたのも、今回の標的と無関係ではないからよ」


舞の目が猫のように細くなる。

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