表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
竿斬りの舞  作者: 凪子
第四夜
40/146

40.

日向野エンタープライズ本社の最上階、見下ろすのは米粒ほどの大きさの人や車、山脈のように屹立きつりつするビルの群れ。


朋子は、普段の彼女からは考えられないほど冷徹な顔で、その人物にかしずいていた。


「そのようね。この間の阿部の一件がこたえているのでしょう」


豪奢な着物を身にまとい、妖艶な色気をにじませて言ったのは女帝であった。


「あなたから見たところ、舞はどう?」


ソファーに腰かけ、気だるげに女帝は問う。


「そうですね。何の疑問もなく仕事に取り組んでいるようには見えません。

が、少なくとも今までは感情を殺し、忠実に任務を遂行できるよう割り切っていることがうかがえました」


「それが今になって少しずつ変わり始めている。あなたがいくら揺さぶりをかけても、動かなかった心が」


女帝の物言いは挑発しているようだった。


朋子がかすかに眉を寄せる。


「舞の心がどう動こうと、仕事さえ完璧にこなすならよいのではありませんか」


女帝は朋子の顎に指をかけて引き寄せた。


朋子が赤面し目を逸らす。


その美貌にあでやかな笑みを浮かべ、女帝はあやすように言った。


「舞は日向野にとっても切り札なのよ。あの子の利用価値は、あなたが思っている以上に高い。

思いどおりに従えるためなら、どんな弱味でもつかんでおく必要がある。……分かるかしら」


「はい、かしこまりました。御前」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ