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竿斬りの舞  作者: 凪子
第四夜
37/146

37.

自分の部屋に戻るなり、舞は泥のように眠った。


起きれば、朝食の御膳が自室に運ばれており、藤城が物も言わずに控えていた。


「お疲れでしょうから、自室で食べていただけるよう手配いたしました」


細やかな気遣いが胸にしみ、舞は思わず顔をそむけた。


「昨夜のようなこと、二度と萌様の前で口にしないで。かばってくれと頼んだ覚えはないわ」


「差し出口をたたき、申し訳ありませんでした」


「萌様が本気になったら、あなたの首なんていつでも切られてしまうわよ」


「舞様」


「何?」


「もう、おやめになってください」


舞は呆れたように肩をすくめる。


「そんなに反逆者になりたいの。この私をそそのかしたとあっては、本当に首が飛ぶわよ」


何事もなかったかのように食事を続ける舞に、藤城は懇願した。


「これ以上舞様が辛いお立場へ追い詰められるのを、黙って見ていることはできません。どうか、萌様におっしゃってください」


「言ってどうなるというの」


舞は箸を置いて、低く呟いた。


藤城は言葉に詰まる。


「あなたも昨日聞いたでしょう。この右手に与えられた力は、もう萌様のものではなく、私のものなのですって。遠隔操作は不可能。暴走するのも私次第。ということは、もはや萌様でさえも、この力を取り除くことはできないということじゃないの」


悲嘆も絶望も見せず、舞は恬淡てんたんとした様子で言った。

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